オーラスの局面になり、私は先輩・・・といっても60歳くらいの大先輩の青山さんに

「どちらかが和了するかで遊びませんか」

と提案した。

青山さんはその半荘も独走で機嫌が良かった。

打つ手がみな和了する感じだった。

「●本でどうですか」 

「●本って、有馬君、●本だね」 

「そうです」 

青山さんの麻雀で感心したのはこういう時に早和了の手造りをしない。

出来れば私から直に取りたかったのかもしれない。 
他の人も場が2人の戦いと分かって、回しを打ってくれた。 

青山さんが場が詰まったところでリーチをかけた。 
妙な捨て牌だった。 

チュウチャン牌が早いうちに続けざまに切られて、字牌が一枚も切られてない。

手の内に無駄な字牌がこないということはまずあり得ない。 


国双・・・七対子・・・ 

そう思って安牌を切っているうちに私の手でテンパイを構えられるようになった。

「どうした?リーチ?」 

これはだめだ。 

僕は降りようと思ったが、切らなくてはならないのはリャンピンがある。

早いうちにサンピンとスーピンが切り出してあり、イーピンまでが中盤で出ている。

「青山さんはツイているからここは引き下がった方がいいんでしょうね」 


でもただ引き下がるだけなのは性に合わない。

どれだけツキがあるのか見てみよう。 

私はリャンピンを切った。