SNS上にて、車運転中に煽り運転を受け、被害に遭ったと情報を拡散したツイートが、それ自体が虚偽だったとして話題を呼んでいる。
投稿者は“拡散希望”のハッシュタグをつけ、「煽り運転をして追突してきた加害者の情報求む」と加害者とされる男性の顔写真を公開した。
その投稿がなされるやいなや一斉に加害者とされる男性の個人情報特定が開始され、すぐに実名や勤務先が割れる自体となった。
しかし数日後、加害者とされる男性の代理人たる弁護士があらたに“拡散希望”のハッシュタグつきで、一連のツイートが虚偽であるという投稿を行う。
公開されたドライブレコーダーには、たしかに運の悪い交通交錯は見受けられたが、元ツイ主の言うような煽り運転や追突はなく、むしろ逆に大声で恫喝される様子が映っていた。
元ツイ主はこれをうけすぐにアカウントを削除。実質的に逃亡をし、事態はおさまりをみせている。
現代社会の縮図のような事件だと感じた。
映像では左折しようとする投稿者が横断歩道を渡る歩行者を優先し一時停車。
そのときに右折し先に歩道を通過した“加害者”を割り込みと判断。
その上大型トラックの停車にあわせて停車したことを煽りブレーキとして強く恫喝する。
映像を観ればそれが決して悪意のあるものではなく、恫喝や暴行寸前に至るほど激怒する必要もないのは一目瞭然だ。
にも関わらず情報どころか信憑性もないツイートで一方的に個人情報の割り出しをすすめ、中傷を行う第三者達。
虚実交えてネットに晒すことで実害を与えようとする当事者。
このだいぶうんざりする構図はもちろんのこと。
一番はドライブレコーダーがなければどうなっていたか、ということだ。
証拠社会日本。
証拠がなければこの社会では正しささえ失われていく。何事もエビデンスだ。
なんて嫌な現在だ。
“可視化“という言葉はひとつの流行語になるのではないか。
今回のケースでは名誉棄損が適用されるとのこと。
悪戯に人生を狂わせる危険性を孕んでいる特定者や中傷者達も、なんとか重めに罰することはできないものだろうか。
難しいだろう。