4ヶ月ぶりに散髪をした。
以前にも記したかもしれないが、私は本当に美容室や床屋が苦手で極力行かないようにしているため、主に散髪の頻度は5ヶ月から6ヶ月である。
そのため4ヶ月での散髪は、ある意味異例ではある。
もう美容師との苦手なコミュニケーションには慣れているが、問題は髪型だ。
私はもしかしたら生まれ持っての選ばれし者なのかもしれない。
なぜならばどんな髪型を、たとえばじゃあキムタクみたいな髪型にしてくださいと指定すればコボちゃんにされ、窪塚みたいな髪型にしてくださいと指定すればコボちゃんにされてしまうくらい、どう指定してもコボちゃんにされてしまうからだ。
そのためコボちゃんにされない美容室をとにかく探してまわったところ、ようやくみつけたのがいまの美容室なのだが、この美容室はなぜか異常なほど前髪を切ってくれない。
なんで?というくらい前髪が残されてしまうので、しばらくするとせっかく回避できたコボちゃんが、今度はスネ夫として姿を現すのだ。
しばらくはなんとかごまかしてきたが、ここ1ヶ月は完全にスネ夫であり、周りの人間もうっすらとあれはスネ夫だなと勘付き始めたので、いつものスパンを崩し、4か月で散髪を決意することになった。
「前髪はもうがっつりとやっちゃってください。この際なくなってもかまわない」
「かしこまりました」
そう言って私はすぐに手元のファミ通を読み耽った。
ハリーポッターレガシーは今作にて、スリザリン寮へ入寮し、闇の魔法を極めることができると記載されていた。
これはまさか半マグルを徹底的に排除し、純血至上主義の超ダークサイドプレイが可能なのではないか。
そんなゲームならではのロールプレイに胸をときめかせていると、「いかがでしょうか?」と美容師が尋ねてきた。
鏡をみるとそこにいるのはスネ夫だった。
なんで…
「前髪がお気に召されないということでしたので、分け目をかえてみました」
いやいやいやいや
「もう少し切ってもらっていいですか?」
「かしこまりました」
これは厳しい展開だ。
次の一手を検討せねば…
そう思いながら再びファミ通に目をやろうとした刹那
「いかがでしょうか」
え、もう?
顔をあげると先程とほぼ変わらないスネ夫がそこにいた。
「ああ…はい…。…これで大丈夫です」
「ありがとうございます」
到底言えない。
なぜかはよくわからないけど全部やりなおしてくださいは到底言えない。
こうして今日現在、私はスネ夫を生きている。
スネ夫になってみて思うことは、とにかく前髪が邪魔だということだ。
それ以外はまあスネ夫になったことで不自由することはとくにない。
「だいたいどれくらいで髪をカットしにくるのがいいですかこれだと」
そう問いかけた時、美容師は即答した。
「1ヶ月ですね」
みじか…
もうわざと長くしてるでしょあなた。
さらさらになって
流れゆく毎日に
いつの日か僕らが
たどりたどり着く場所
以前にも記したかもしれないが、私は本当に美容室や床屋が苦手で極力行かないようにしているため、主に散髪の頻度は5ヶ月から6ヶ月である。
そのため4ヶ月での散髪は、ある意味異例ではある。
もう美容師との苦手なコミュニケーションには慣れているが、問題は髪型だ。
私はもしかしたら生まれ持っての選ばれし者なのかもしれない。
なぜならばどんな髪型を、たとえばじゃあキムタクみたいな髪型にしてくださいと指定すればコボちゃんにされ、窪塚みたいな髪型にしてくださいと指定すればコボちゃんにされてしまうくらい、どう指定してもコボちゃんにされてしまうからだ。
そのためコボちゃんにされない美容室をとにかく探してまわったところ、ようやくみつけたのがいまの美容室なのだが、この美容室はなぜか異常なほど前髪を切ってくれない。
なんで?というくらい前髪が残されてしまうので、しばらくするとせっかく回避できたコボちゃんが、今度はスネ夫として姿を現すのだ。
しばらくはなんとかごまかしてきたが、ここ1ヶ月は完全にスネ夫であり、周りの人間もうっすらとあれはスネ夫だなと勘付き始めたので、いつものスパンを崩し、4か月で散髪を決意することになった。
「前髪はもうがっつりとやっちゃってください。この際なくなってもかまわない」
「かしこまりました」
そう言って私はすぐに手元のファミ通を読み耽った。
ハリーポッターレガシーは今作にて、スリザリン寮へ入寮し、闇の魔法を極めることができると記載されていた。
これはまさか半マグルを徹底的に排除し、純血至上主義の超ダークサイドプレイが可能なのではないか。
そんなゲームならではのロールプレイに胸をときめかせていると、「いかがでしょうか?」と美容師が尋ねてきた。
鏡をみるとそこにいるのはスネ夫だった。
なんで…
「前髪がお気に召されないということでしたので、分け目をかえてみました」
いやいやいやいや
「もう少し切ってもらっていいですか?」
「かしこまりました」
これは厳しい展開だ。
次の一手を検討せねば…
そう思いながら再びファミ通に目をやろうとした刹那
「いかがでしょうか」
え、もう?
顔をあげると先程とほぼ変わらないスネ夫がそこにいた。
「ああ…はい…。…これで大丈夫です」
「ありがとうございます」
到底言えない。
なぜかはよくわからないけど全部やりなおしてくださいは到底言えない。
こうして今日現在、私はスネ夫を生きている。
スネ夫になってみて思うことは、とにかく前髪が邪魔だということだ。
それ以外はまあスネ夫になったことで不自由することはとくにない。
「だいたいどれくらいで髪をカットしにくるのがいいですかこれだと」
そう問いかけた時、美容師は即答した。
「1ヶ月ですね」
みじか…
もうわざと長くしてるでしょあなた。
さらさらになって
流れゆく毎日に
いつの日か僕らが
たどりたどり着く場所