「ちょだ鮨は地獄の入口に似ている」

そう言ったのは西野だった。

どういう事かとさてらは聞いた。

さてらはゆあ嬢が貢いだ金を溶かしたのを感じた。

さてらは拇印を押した契約書を用意した。

さてらは水虫であった。

さてらは破壊する。

「どういう事かと聞いたか?」

西野は言った。

さてらはもうどうでもよかった。

ゆあ嬢のゲームセンスは低い。

顔出ししてスパチャを求めている。

スパチャ代を貸してくれませんか?

そう頼んだが西野は聞いていない。

ハナタレの足音が聞こえる。

「ちょだ鮨は地獄の入口に似ている」

再び西野は同じことを言った。

破滅する。

ゆあ嬢のゲーミングチェアに夥しい数の骸が蠢いているのをさてらは感じる。

「ちょだ鮨は地獄の入口に似ている」

うるさい。いい加減にしろ。

破滅する。辛い。スパチャができない。

さてらはお茶が飲みたくなった。

捺印をしたはずだ。詐欺まがいの都市ガスの。

そういえば、偶然にも都市ガスはネット副業の形を模している。

クソみたいな体験でコーティングしたオンラインサロンだ。カラオケ。

「ちょだ鮨は地獄の入口に似ている」

西野は言った。

どういう事なんですか?

さてらは聞いた。

カラオケを自慢するのが気になる。

さてらは西野の話を聞き返してしまった。

オンラインサロンは都市ガスみたいでちょだ鮨のようだ。

さてらは西野の話が気になってしまった。

ゆあ嬢が溶かした金を根こそぎ返金してほしい衝動に駆られる。

破滅する。

しかしなんとか正気を保ち、西野に言う。

すみませんがもう一度言ってくれませんか。

「ちょだ鮨は地獄の入口に似ている」
 

ゆあ嬢へ。

そうして希少なゲーミングチェアを貴方は得ることができた。

しかし何故さてらはそのような結末を迎えることができたのだろうか。

ゲーミングチェアを得る為貴方は未成年飲酒をし、店長に襲われたと嘘をついた。

それは見事な覚悟であった。

同時に恐ろしい危険も孕んでいた。

即ちその升目の合間合間を貴方は抜けなくてはいけない。

貴方はゲーミングチェアを得た。

しかしそこに至るまでの道のりは決して平坦ではなかった。

貴方はゲーミングチェアを得た。

その言葉に偽りはないが、その意味するところは結局のところさてらの不幸であり、ちょだの地獄であり、さてらの死である。

さてらのピンクドンペリを貴方は飲んだ。

さてらがいれたピンクドンペリとの3ショット画像を店の宣伝のためにネットに流した。

貴方は貴方を加工した。

さてらの顔も伸びた。


そのことを決して忘れない。