家事ができなかった。
少年の頃から親にだいぶ甘やかされて育ったこともあり、私が満足に洗濯や掃除、あるいは整理整頓までをできるようになり始めたのは、大学生で一人暮らし生活をしだしてからだ。
だが料理に関してはその期間でもまったく上達せず、貧乏生活にも関わらず外食を繰り返していたため、恥ずかしながらこの歳になっても未だにうまくこなせない。
そもそも大さじやら小さじやらひとつまみやらの調味料の量が全くよくわからない。
加えて自分で作った物を自分で洗って片付けるという行為がどうにも無駄に感じてしまって仕方なかった。
そんな私が、いま、ひとつの料理が職人の域に達しつつある。
にんじんバターライス。
字面で見ていったい誰がこの料理を美味そうだと感じるかはわからないが、兎にも角にもこれだけは物すごいクオリティを誇っているのだ。
なかでも苦手としていたはずの調味料配分が、目分量でほぼ完璧に配合できる。
あのなんともいえない香ばしいに細かくきざんだにんじんが見事にマッチするのだ。
何よりこのにんじんバターライスは付け合わせがなんであれ、肉がこようが魚がこようが野菜がこようがどれにでも合う。
どんなお酒にも合う。
ワインもビールも日本酒も…ウイスキーにすら合う。
なぜ突然料理をはじめたのかというと、闇金ウシジマくん外伝の滑皮さんで熊倉さんが(非常にややこしい)「料理上手は人たらしの基本だぞ」と言っていたからだ。
下の者にはたらふく美味しい料理を食べさせて、自分のために命を張れる人間を作るんだ、と。
今日現在、正直生きるに際して下の人間はあまり必要ないし、自分のために命を張れる人間については恐らくこの先も一生私には必要ない。
だがやはり私も漢だ。
漢たるもの、他人の命のひとつやふたつ、自分に捧げさせる器量がなくてはならない!
などとアホみたいなことを思う。
ただ美味さに反してやはり料理自体は全然好きではないのは変わらない。
正直、私はプロでもなければ家族でもない誰かが作る料理もあまり食べたくない。
なので逆に私の料理も、にんじんバターライスは死ぬほどうまいが誰にも食べさせたくない。
こうしてこの国は、至宝になりうる料理を一品、失ったのてあった。
少年の頃から親にだいぶ甘やかされて育ったこともあり、私が満足に洗濯や掃除、あるいは整理整頓までをできるようになり始めたのは、大学生で一人暮らし生活をしだしてからだ。
だが料理に関してはその期間でもまったく上達せず、貧乏生活にも関わらず外食を繰り返していたため、恥ずかしながらこの歳になっても未だにうまくこなせない。
そもそも大さじやら小さじやらひとつまみやらの調味料の量が全くよくわからない。
加えて自分で作った物を自分で洗って片付けるという行為がどうにも無駄に感じてしまって仕方なかった。
そんな私が、いま、ひとつの料理が職人の域に達しつつある。
にんじんバターライス。
字面で見ていったい誰がこの料理を美味そうだと感じるかはわからないが、兎にも角にもこれだけは物すごいクオリティを誇っているのだ。
なかでも苦手としていたはずの調味料配分が、目分量でほぼ完璧に配合できる。
あのなんともいえない香ばしいに細かくきざんだにんじんが見事にマッチするのだ。
何よりこのにんじんバターライスは付け合わせがなんであれ、肉がこようが魚がこようが野菜がこようがどれにでも合う。
どんなお酒にも合う。
ワインもビールも日本酒も…ウイスキーにすら合う。
なぜ突然料理をはじめたのかというと、闇金ウシジマくん外伝の滑皮さんで熊倉さんが(非常にややこしい)「料理上手は人たらしの基本だぞ」と言っていたからだ。
下の者にはたらふく美味しい料理を食べさせて、自分のために命を張れる人間を作るんだ、と。
今日現在、正直生きるに際して下の人間はあまり必要ないし、自分のために命を張れる人間については恐らくこの先も一生私には必要ない。
だがやはり私も漢だ。
漢たるもの、他人の命のひとつやふたつ、自分に捧げさせる器量がなくてはならない!
などとアホみたいなことを思う。
ただ美味さに反してやはり料理自体は全然好きではないのは変わらない。
正直、私はプロでもなければ家族でもない誰かが作る料理もあまり食べたくない。
なので逆に私の料理も、にんじんバターライスは死ぬほどうまいが誰にも食べさせたくない。
こうしてこの国は、至宝になりうる料理を一品、失ったのてあった。