なあ、花本。

この世で最も奇妙なことは何かわかるかい?


それはもちろん、我々人類が存在していることだよ。

このあまねく宇宙を形成する要素の何かひとつでも欠けていれば銀河系も太陽系も、ましてや地球なんかも存在しなかったと言われている。

地球が存在しないということは我々人類も存在できない。つまり人類が誕生する確率はとてもとても低い。


にもかかわらず、なぜ我々は存在しているのだろうか。


今ここに箱があるとする。

その中に1から1億までの数字がふられたボールが入っているとする。

花本はそこから「1」と書かれたボールを一回で引くことができるかい?

まずできないでしょ?

だがもし花本が1億人いたとしたら?

もしかしたら1人くらいは1を引けるかもしれない。
そう思うんじゃなかろうか。


人類の誕生は、1億の中から1を引くくらいとても低い確率の奇跡なのだよ。

けれども、もしも我々の知っている宇宙が、実は1億個あったとしたら…


これを人間原理と言う。


合縁奇縁。

俺と花本が出会えたのも奇跡。

そこでどうかな?

この奇跡をもっともっと強く感じることができる浄水器があるんだが買ってみないか?

浄水器じゃなくても化粧水もある。

この化粧水はなんと飲めるんだ。奇跡。

この奇跡を花本の友達に花本が紹介すれば、より宇宙は広がっていく。


奇跡だよ。


さあ花本。


契約の時だ。