数年前から小学校の時友達であった山本さんとInstagramで繋がり、定期的に互いのアップする写真にいいねをつけあっていたわけだが、昨日ついに山本さん側よりアカウントブロックをくらうこととなった。


山本さんは日本人とフィリピン人を両親に持つハーフで、姉御肌というよりは分け隔てなく全員に対して面倒見が良かったと記憶している。


小学校5年生のバレンタインデーに、山本さんは私に『バレンタインデーのチョコは誰かからもらえた?』と尋ねた。

「誰からも貰ってないけど」と屈辱をマジギレで隠そうとする私に彼女は、『正直に欲しい?チョコ。欲しいならなんとかするよ?』と言い、私は「欲しいに決まっている」と即答した。


すると翌日、私は1日遅れで山本さんを含むクラスの女子5人からチョコレートをもらうこととなった。


『欲しいっていうから何人かに声掛けたんだよ。もらえてよかったね』と彼女は言った。

これで彼女に惚れてしまうなんて展開は無かったが、兎にも角にも彼女は本当に良い人だった。


ちなみにこの年にもらったチョコ5個が、35歳になる現在まででまさか年間最多獲得チョコ数となってそれが永遠に更新されないということは、この時知る由もなかったわけだが。



話を戻す。



数年前、私のInstagramに『久しぶり!覚えてる!?』と
友達申請がきた。

その人のページにとぶと、ゴリゴリの民族衣装でゴリゴリの中東系男性と赤ちゃんを抱えながら写る山本さんの姿があった。


どうやら彼女はフィリピンで生活をしており、且つ、家庭をもっているようだった。



彼女は毎回毎回英語で投稿していた。


ここは一丁、国際的な活動も視野に入れて家で寝ているだけの身分として正面から張り合ってみようと、私は私で彼女に英語でリプを送りまくった。

もちろん私は英語なんか一切わからない。

Google翻訳で日本語を英語に変換し、その英語をもう一度日本語に変換して当初の文章との違いを修正していくことで、機械的な直訳を少しずつ研磨し、それっぽい英語を生み出しては山本さんにぶつけていた。



先日、山本さんが2人目のお子さんを出産し、その子の成長をInstagramにアップし続けていた。


私はそれに「かわいいね。僕みたいにかわいい」と英語でコメントした。

すると彼女の旦那(何度も彼女のインスタで紹介されていたのですぐに旦那だとわかった)から、「お前ふざけているのか?いい加減にしろ!」的な怒りのメッセージが飛び込み、しばらくすると山本さんからブロックされてしまっていた。


後に英語のできる知人にこのことを話したところ、「自分のようにかわいいってジョークを言いたかったのだろうけど、これだと"俺と似てるけど俺の子か?"みたいな意味になっちゃうね」と言われた。

また数々のGoogle翻訳頼りきりの私の英語リプに関しても「ちょっと変な英語で気持ち悪い。外国人がカタコトの日本語でグラビアアイドル口説いてる感じ」と言われてしまった。


どうやら無意識のうちに、私は二児の母であり人妻を口説いてしまっていたようだ。



旦那に関しては以前山本さんが旦那とその息子の入浴写真をアップし、股間部分をバナナのスタンプで隠していたので、「息子はなんのスタンプで隠すの?」と、何やらやたらと色んな意味がのって結果的にケンカを売っているようなリプをしたことがあるので、もともと私に嫌悪感を抱いていたのかもしれない。



山本さんごめんなさい。ブロックを解除してくれ。


悪気はない。悪気はないんだ。旦那バナナスタンプ事件以外は。



すっかり日本に来なくなってしまった山本さんは忘れているかもしれないが、日本には過去、ある偉人が遺した名言がある。

この状況にピッタリだから最後にそれを山本さんへ送るね。



「待て。話せばわかる」




問答無用。天誅。