三連休前日、せっかくとった有給休暇であったが私は頭を抱えていた。
特に理由もなく取得した休日であったため、これといった用事も予定もなく、思案した末私は健康ランドへ行くことにした。
昨今のサウナブームでピックアップされることもない健康ランドではあるが、私は大学生の頃からわりと健康ランドが好きで1人で通っていた。
学生時代はどうにも高かった代金も、いまとなっては多少高く感じても財布には大きな痛手にはならない。
にもかかわらずこの日、よくいく健康ランドがメンズデーで半額であったことで、こりゃいいやと1日をそこで過ごそうと決めたことが誤りだった。
10時過ぎに健康ランドに着くと、すでにロッカーがダラダラした高齢者で溢れていた。
いままで平日であればここまで高齢者が溢れることもなかったはずだが、何かが違うとすればそれはまぎれもなくメンズデー半額ということだろう。
この時点ですごく嫌な予感がしていたが、やはりそれはすぐに的中することになる。
温泉の扉を引くと、すでに掛け湯の場所で爺さんが数人ストレッチをしている。
「すみません」と小さい声で言いながら掛け湯をしようとすると、何か返すどころか小睨み。
昨今の高齢者は何かとガンつけてくる。
身体を洗い、いざ風呂に浸かろうと思うと、やはり何人もの爺さんが風呂の縁に腰掛けており、非常に入りずらい。
間をぬってなんとか湯船につかると、なぜか後から入ってきた爺さんがピタリと真隣に陣取りやがる。
昨今の高齢者は何かと距離が近い。
露天風呂に入ろうと外をみてみると、爺さん全員が縁に腰掛けているため完全に風呂に入るスペースがない。
湯煙の中で高低入り混じりながら露天風呂を占拠する爺さん軍団はさながら猿山の猿だ。見てられん…
サウナも案の定爺さんで満員だったが、なんとか自分のスペースをみつけゆっくりと身体を温めることができたものの、出て浸かろうとした水風呂はこれまた縁部分で爺さん連中が談笑しているため入れない。
仕方ないので爺さんの会話が終わるのを待つと、なんと爺さんの1人が水風呂の水を口に含みウガイを始めた。
その光景を見て私は心が折れてしまった。
温泉からあがり、ビールを飲んで棒棒鶏をつまんだ後、一眠りしようとリラックスルームのリクライニングでゆっくりしていると、これまたこれまたたくさん席が空いているにも関わらず、真隣の席に爺さんが詰めてくる。
なんでだよ…
しかもこの爺さん、テレビの音をかなり大きくしてイヤホンをしないまま、イビキをかいて寝始めた。
あまりにも不快だったので、勝手に私は爺さんのテレビのスイッチを消した。
するとすぐに爺さんは目を覚まし、私に
「勝手にテレビ消した?」
と尋ねた。
「消していいですか?ときいたら、いいよ!と仰ってましたよ」
と一か八か嘘をついたところ
「そうかそうか。寝ぼけちゃったかなー?」
と言い、またテレビをつけ音量を上げてきた。
「すみません。音を小さくしてもらえませんか?」
とお願いしてみたが、そのときには既に爺さんはイビキをかいて寝てしまっていた。
まったくもう…
うんざりしながら席を移動して寝ようとすると、前方の席の暗がりで明らかに若いカップルがヤッていた。
これは間違いなくヤッてるわとわかるくらいカップルは縦に横に揺れ、時折笑い声がきこえてきた。
どんだけ民度低いんだよメンズデー…
すると先程、水風呂でウガイをしていた爺さんがどこからともなく現れ、カップルに「みっともないことをするな!出て行け!」と怒鳴った。
すぐに店員がかけつけ「どうしましたか?」と割って入ったのでトラブルにはならなかったが、爺さんの「みっともないことするな!」に、水風呂でウガイすることはみむともなくないのだろうか、という疑問を抱かずにはいられなかった。
散々たる一日だ。
私も高齢者になったらこうなってしまうのだろうか。
にしたって場所がいっぱいあるのにも関わらず、なぜか真隣まで距離を詰めてくる習性はいったい何なのか。
彼らの若き日に培われた国民性が、まさにそういうことなのだろうか。
いずれにせよ、彼らを反面教師に、私は老いてなお現役を目指していきたいと思う。
特に理由もなく取得した休日であったため、これといった用事も予定もなく、思案した末私は健康ランドへ行くことにした。
昨今のサウナブームでピックアップされることもない健康ランドではあるが、私は大学生の頃からわりと健康ランドが好きで1人で通っていた。
学生時代はどうにも高かった代金も、いまとなっては多少高く感じても財布には大きな痛手にはならない。
にもかかわらずこの日、よくいく健康ランドがメンズデーで半額であったことで、こりゃいいやと1日をそこで過ごそうと決めたことが誤りだった。
10時過ぎに健康ランドに着くと、すでにロッカーがダラダラした高齢者で溢れていた。
いままで平日であればここまで高齢者が溢れることもなかったはずだが、何かが違うとすればそれはまぎれもなくメンズデー半額ということだろう。
この時点ですごく嫌な予感がしていたが、やはりそれはすぐに的中することになる。
温泉の扉を引くと、すでに掛け湯の場所で爺さんが数人ストレッチをしている。
「すみません」と小さい声で言いながら掛け湯をしようとすると、何か返すどころか小睨み。
昨今の高齢者は何かとガンつけてくる。
身体を洗い、いざ風呂に浸かろうと思うと、やはり何人もの爺さんが風呂の縁に腰掛けており、非常に入りずらい。
間をぬってなんとか湯船につかると、なぜか後から入ってきた爺さんがピタリと真隣に陣取りやがる。
昨今の高齢者は何かと距離が近い。
露天風呂に入ろうと外をみてみると、爺さん全員が縁に腰掛けているため完全に風呂に入るスペースがない。
湯煙の中で高低入り混じりながら露天風呂を占拠する爺さん軍団はさながら猿山の猿だ。見てられん…
サウナも案の定爺さんで満員だったが、なんとか自分のスペースをみつけゆっくりと身体を温めることができたものの、出て浸かろうとした水風呂はこれまた縁部分で爺さん連中が談笑しているため入れない。
仕方ないので爺さんの会話が終わるのを待つと、なんと爺さんの1人が水風呂の水を口に含みウガイを始めた。
その光景を見て私は心が折れてしまった。
温泉からあがり、ビールを飲んで棒棒鶏をつまんだ後、一眠りしようとリラックスルームのリクライニングでゆっくりしていると、これまたこれまたたくさん席が空いているにも関わらず、真隣の席に爺さんが詰めてくる。
なんでだよ…
しかもこの爺さん、テレビの音をかなり大きくしてイヤホンをしないまま、イビキをかいて寝始めた。
あまりにも不快だったので、勝手に私は爺さんのテレビのスイッチを消した。
するとすぐに爺さんは目を覚まし、私に
「勝手にテレビ消した?」
と尋ねた。
「消していいですか?ときいたら、いいよ!と仰ってましたよ」
と一か八か嘘をついたところ
「そうかそうか。寝ぼけちゃったかなー?」
と言い、またテレビをつけ音量を上げてきた。
「すみません。音を小さくしてもらえませんか?」
とお願いしてみたが、そのときには既に爺さんはイビキをかいて寝てしまっていた。
まったくもう…
うんざりしながら席を移動して寝ようとすると、前方の席の暗がりで明らかに若いカップルがヤッていた。
これは間違いなくヤッてるわとわかるくらいカップルは縦に横に揺れ、時折笑い声がきこえてきた。
どんだけ民度低いんだよメンズデー…
すると先程、水風呂でウガイをしていた爺さんがどこからともなく現れ、カップルに「みっともないことをするな!出て行け!」と怒鳴った。
すぐに店員がかけつけ「どうしましたか?」と割って入ったのでトラブルにはならなかったが、爺さんの「みっともないことするな!」に、水風呂でウガイすることはみむともなくないのだろうか、という疑問を抱かずにはいられなかった。
散々たる一日だ。
私も高齢者になったらこうなってしまうのだろうか。
にしたって場所がいっぱいあるのにも関わらず、なぜか真隣まで距離を詰めてくる習性はいったい何なのか。
彼らの若き日に培われた国民性が、まさにそういうことなのだろうか。
いずれにせよ、彼らを反面教師に、私は老いてなお現役を目指していきたいと思う。