昔、劇団の仲間が勤めているから、と友人に連れていってもらったガールズバーで、その友人に「最悪俺が領収書もらって会社経費切るから奢るよ」と冗談まじりに伝えると、それをきいたその劇団員ガールズバー嬢が『ならガンガン色んな物頼んじゃおー』と言った。
別に対したことてばないし、失礼があったわけでもなんでもないが、私は彼女の『ガンガン色んな物頼んじゃおー』に異様に腹が立ったことを覚えている。
もちろん、プライベートな遊びの代金を勤め先のお金で支払うことは犯罪だ。
もはや私側が気難しいのかもしれないが、そこは彼女には『いやいや、ダメでしょそれは』と言って欲しかった。
けれどもそうはならず、言うやいなやシャンパンを頼もうとしてきた彼女に私は早々にうんざりしたものだ。
同時に、でたよ劇団員。劇団員のお前に興味ねえよ、ガールズバー嬢のお前に興味あるんだよこっちは。演劇やってるくせにそのあたりも読み解けないんかお前は。となった。
当時もガールズバーで働いている劇団員は、私が把握している限りでも多かった。
そして私ですら把握できてしまう劇団員ガールズバー嬢は、全員ウザかった。
面白くないし、話は聞けないし、いきなり告知はしてくるし、人生観は尖っていて気持ちが悪い。
なんとなくやることがなくて演劇続けてますみたいな人ならば応援したいが、大層な意識の下、誇り高き劇団員ガールズバー嬢達は皆、自分が選ばれしものであるかのように息巻いてくる。
どいつもこいつも…
以前神田のガールズバーに行ったとき、私たちについたガールズバー嬢の2人のうち1人が劇団員だった。
のっけからフルスロットルで劇団員匂わせをかましてきたので、仕方なく「演劇かなんかやってるの?」と尋ねると、そこからは凄まじい勢いで自分がなぜ演劇をやっているかを語り、次に自分が出演予定の舞台や撮影会の告知を20分も経たぬうちに畳み掛けてきた。
適当に相槌をしていると、しばらくして別のグループが入店してきた。
このグループは非常に声が大きく、またカラオケも始めたので、一気に我々の声は彼女達に届きにくくなった。
当然、その劇団員の声もあまり聞こえず、会話が物理的に成り立たなかった。
するともう1人の女の子が、突然声を張り上げながら、『普段はどの辺で飲んでいるの?』と聞いてきた。
つられるように私達も「神田や秋葉原で飲んでるよ!」と声を張り上げながら答える。
会話としてはあまりにも不自然な声量であったが、苦しいながらも色々助かった。
グループが静かになり、元の声量に戻るなり、私は彼女に「ありがとう、声張ってくれて」と伝えた。
彼女は『せっかく来てくれてるのに、もったいないからさ』と答えた。
ああ。素晴らしい。ガールズバー嬢としても、人間としても、これだけで彼女は魅力に溢れている。
「じゃあ延長するね」と言うと、隣にいた劇団員が『ほんとに!?ありがとう』と声を張り上げた。
お前じゃねえよ…
そしていま大声出すなよ…
そしてまた『高校の演劇の全国大会で…』だの『知り合いの演出家が…』だの『さっきも言ったけど私が演劇を続けている理由は…』だの聞いてもいないことを再び捲し立ててきた。
ほんとろくでもないな。
ちゃんと働けお前ら。
別に対したことてばないし、失礼があったわけでもなんでもないが、私は彼女の『ガンガン色んな物頼んじゃおー』に異様に腹が立ったことを覚えている。
もちろん、プライベートな遊びの代金を勤め先のお金で支払うことは犯罪だ。
もはや私側が気難しいのかもしれないが、そこは彼女には『いやいや、ダメでしょそれは』と言って欲しかった。
けれどもそうはならず、言うやいなやシャンパンを頼もうとしてきた彼女に私は早々にうんざりしたものだ。
同時に、でたよ劇団員。劇団員のお前に興味ねえよ、ガールズバー嬢のお前に興味あるんだよこっちは。演劇やってるくせにそのあたりも読み解けないんかお前は。となった。
当時もガールズバーで働いている劇団員は、私が把握している限りでも多かった。
そして私ですら把握できてしまう劇団員ガールズバー嬢は、全員ウザかった。
面白くないし、話は聞けないし、いきなり告知はしてくるし、人生観は尖っていて気持ちが悪い。
なんとなくやることがなくて演劇続けてますみたいな人ならば応援したいが、大層な意識の下、誇り高き劇団員ガールズバー嬢達は皆、自分が選ばれしものであるかのように息巻いてくる。
どいつもこいつも…
以前神田のガールズバーに行ったとき、私たちについたガールズバー嬢の2人のうち1人が劇団員だった。
のっけからフルスロットルで劇団員匂わせをかましてきたので、仕方なく「演劇かなんかやってるの?」と尋ねると、そこからは凄まじい勢いで自分がなぜ演劇をやっているかを語り、次に自分が出演予定の舞台や撮影会の告知を20分も経たぬうちに畳み掛けてきた。
適当に相槌をしていると、しばらくして別のグループが入店してきた。
このグループは非常に声が大きく、またカラオケも始めたので、一気に我々の声は彼女達に届きにくくなった。
当然、その劇団員の声もあまり聞こえず、会話が物理的に成り立たなかった。
するともう1人の女の子が、突然声を張り上げながら、『普段はどの辺で飲んでいるの?』と聞いてきた。
つられるように私達も「神田や秋葉原で飲んでるよ!」と声を張り上げながら答える。
会話としてはあまりにも不自然な声量であったが、苦しいながらも色々助かった。
グループが静かになり、元の声量に戻るなり、私は彼女に「ありがとう、声張ってくれて」と伝えた。
彼女は『せっかく来てくれてるのに、もったいないからさ』と答えた。
ああ。素晴らしい。ガールズバー嬢としても、人間としても、これだけで彼女は魅力に溢れている。
「じゃあ延長するね」と言うと、隣にいた劇団員が『ほんとに!?ありがとう』と声を張り上げた。
お前じゃねえよ…
そしていま大声出すなよ…
そしてまた『高校の演劇の全国大会で…』だの『知り合いの演出家が…』だの『さっきも言ったけど私が演劇を続けている理由は…』だの聞いてもいないことを再び捲し立ててきた。
ほんとろくでもないな。
ちゃんと働けお前ら。