すべての始まりは川崎である。 


私は退社し、川崎の洗体エステに行った。

川崎の洗体はレヴェルが違った。 

絶妙に触れてくる。

あくまでもマッサージ店だが、そういう邪なことが発生するかもしれないという状況が何ともスリリングでたまらない。

私の陰茎は始終石のように勃起していた。

初めから回春店などに行ったりしたら、それはそれで手っ取り早いのだろうけど、風俗店ではないのに、微妙にエロいこのスリルがいい。 

結局、別のエステにも行ってしまった。 

そこはローションを使ったマッサージをする。 

担当した子はそこまで可愛くない子だったが、次第に手は陰茎にあたり、結局、私たちはキスをしたり、私は乳首を触り、彼女は手で抜いてくれた。 

「誰に対してもこういうことするの?」
と訊くと
『人によってはしない。エロ目的でうるさい人には仕方なくやってあげる。でもあなたはずっと無反応だったから逆にやりたくなった』
と彼女は言った。 

確かに私は自分からは殆どしゃべらず、不機嫌そうな顔で女の子の話に相槌を打ったり、たまに愛想笑いをしたりする程度だった。 

最近対女子には、こういうクール系スタンスの方がよいとの結論に達した。

また私は女の子の指先に対しても、くすぐりに強い体質ゆえ、ほとんど反応を示さずにいられることが、落ち着いた大人の男性という印象を与えられてのだろう。 

「今度、ご飯でも行こうか」と誘うと、彼女は喜んで、携帯の番号を教えてくれた。 

まだ連絡はしていない。 







2件の洗体エステを梯子してしまった関係で、今後の資金繰りは一層困窮を極めることが必須であり、またその晩は電車が運転を終了してしまっていたので、横田さんが川崎に住んでいることを頼りに彼女にLINEをしてみたが、『川崎駅から遠いからなー』と返信があり、とりあえず私は漫喫で寝ることにした。 


横田さんとは小学校の同じクラスの同級生である。 


横田さんは1組のなかで一番可愛く、1組のなかで一番かっこいい清水と付き合っていた。

卒業してから会ったことはなかったが、大学に進学し、多摩に住むようになってある日、京王ストアで買い物をしていると、レジ係で横田さんがいた。

勿論横田さんは変わらず可愛かった。 


連絡先を知っていたので、それを機に時々会うようになり、食事をし、お酒を飲み、彼女の家や私の家でセックスをした。


そんな関係が1年くらい続いたが、横田さんは私より1年先に大学を卒業し、化粧品会社に就職し、多摩を離れた。

『本当はずっと付き合っている人がいるの』と横田さんは最後に会ったときに言った。 

それは私も気づいていた。しかし裏切りは女のアクセサリーじゃないか。 


漫画喫茶を探しながら、夕飯を食べる店を探した。 
路上でとても可愛い女がいて目が合った。向こうも僕のことを見ていた。 

私はそのままコンビニに入り、お金を下すと、その女はコンビニの入り口で僕を待っていた。 

女は中国人で「1時間4000円」と言ってきた。 

いづこよりもう一人の中国人がやってきて、若林の腕にからみつき、私の肩に頭を載せた。 


何が面白くて中国人キャバクラに行くのだろう。 

私はすしざんまいの店内へ逃げるように入り、そこで寿司を食べた。 

深夜のすしざんまいは居酒屋のように酒を飲むサラリーマンや若者らで騒がしかった。 

前の会社にいたころの深夜にまで及ぶ寿司屋での飲み会を思い出し、気分が悪くなった。