秋葉原で男性同士がトラブルになり、内1名が刺殺されてしまう事件が起きた。

犯人と被害者は知人同士であるとのことで、犯行動機の究明を急がれている。

関係者は皆、私と同世代だ。

人生について徐々に考えていくのが20代後半であるならば、30代半ばはそれが現実味を増してくるものであると思うが、その真っ只中で秋葉原で知人に幕を閉じさせられてしまうのはあんまりだ。


何より、簡単に他人の命を奪える環境が身近にあるということが、世間にとっては恐怖だろう。


忘れもしない2008年、秋葉原で通り魔による連続殺傷事件が発生し、この街はそれを風化させまいと努めてきただけに、このような事件が起きたことは残念でならない。


被害者のご冥福をお祈りします。








ちょうど10年前のことだったので秋葉原絡みで記載したいと思う。




「JKキラーって知ってる?」

と、一緒にディズニーシーに行った滝川と電話で話していた際に訊くと、『何それ?』と彼女は言った。 

「秋葉原で高校生が使うようなスクールバッグ持ってて、ハーフパンツ、紺色のハイソックス、ローファーを履いているおじさん。それで高校生にナンパしてる人だよ」と言うと 


『あー知ってる!あたしも“いいローファー履いてるね”って話し掛けられて、その人を見るとその人もローファ履いてて驚いた!あの人はね、お金がなくてお店には来れないのに、チラシ下さいっていつもビラ配りしてると話し掛けてくるよ』 


「キラーはね、“写真撮らせて下さい”とも言うらしいよ。それで“現像して送るから住所教えて”って。それでね、後日その子の家には写真と一緒に別のものも送られるらしいよ」

『何?』

「言えないよ・・・」 

『気になるじゃん』

僕は彼女を少しじらせてから、それが何か教えた。 


このJKキラーについての詳細は秋葉原で働く別の女の子から訊いたものだ。

真偽に関しては正確には不明だ。 



×××××




先日、私はアイドルをしている知り合い(田中さん(仮名))に電話を掛けてみた。 


『昨日、みたま祭でナンパしてきた人に今日会いに行く途中車にひかれた』と田中は言った。

警察も来て大変だったらしいが『そのナンパ男は“大丈夫?”の一言もないんだよ。だからもうメールブロックもして切った』


「出来ればナンパしてきた人にはついて行かないでほしいんだが・・・僕はキミのことが好きなわけだし」と言うと


『あたしいつも全然ついて行っちゃうよー』と言った。 


やれやれ、困ったものだ。


しかしそれくらい寛容度が高い子でなければ、そもそも私とは友達になろうともしないのだから仕方がないだろう。

付き合ったとしても振られるのも時間の問題だろうし、浮気をされるのも覚悟をしなければならない。 


勿論私だって他の女と寝たい気持ちは山々なんだが、あいにく寝るどころか、食事に誘っても連絡すらくれないため、結果的に私が浮気をすることはないのだろう。 


「JKキラーって知ってる?」

と話題を変えると田中もJKキラーには秋葉原で話しかけられたそうだ。

『新宿にキラーがいたから話し掛けたの。“いつも秋葉原にいる人ですよね”って。あたし友達と一緒だったんだけど、マツキヨで6000円くらい化粧品買ってもらった。帰りの電車賃がなくなったって言ってたけど、あのあとどうやって帰ったんだろうね。今度遊びに来てと住所渡されたよ。携帯持ってないんだって』と田中は言った。 



『それからね、あたしの友達の友達で秋葉を一緒に散歩する系のお店の女の子が、キラーに話しかけられたんだって。そうしたら警察が来てキラーとその子、警察署に連れて行かれたんだって。で、親にもバイト先がバレて、バイト禁止の高校だったから退学させられたんだって。ウケルね』


「多分、警察もキラーをマークしてたんだろうねー」と言うと

『あの風貌はあやしすぎるしね。あたしも制服を着て、友達3人とおじさん1人でラブホ街を歩いてたら、おじさんパトカーに乗せられてたよ』

「え、高校生と歩くだけで取り締まられるの?」 


『スーツは危ないかもね』



×××××




『来週、遊ぼう』と田中は言った。

『あみちゃん(前出の滝川)も誘おっか。3Pしよう』と田中は言った。

「いや、いい。2人で行こう」

『うん、そうだね』


『普通、男がヤリモクって言うでしょ?あたしたちがヤリモクだから、うけるでしょ』と田中は言った。


まったくどうしようもない女だ。 




2012年、7月の話である。