数週間前、上司からディズニーランドのチケットを八枚ももらった。
僕が持っていても仕方ないから、とのことだ。
しかしながらもらったはいいものの、一緒にいく人などいない私だ。正直チケットが無駄になる気がしてならない。
結局私は私で他の人間にチケットを譲ることにした。
丁度大学のサークルで一緒だった人達数名と食事をする機会があったので、そこでチケットを欲しい人はいないかと募ったところ早速1人が「彼女とその友達カップルとダブルデートに行きたい」と申し出てきた。
もう中年にも差し掛かってダブルデートってなんだよと妬みも含めた怪訝がしばらく私を襲ったが
、まあいいかとチケット八枚のうちの四枚を無条件で渡した。
そして昨日。
仕事帰りに疲れた私はマクドナルドでダブルチーズバーガーでも食べようと思い、最寄り駅から近い店舗へと歩を進めていた。
すると携帯がなり、画面をみると蛇の名が表示されていた。
蛇はサークル内で人気者の女性であった。
が、つるむ人間はイケメンのスポーツ男子ばかり。
サークル内においても常に人気者を敵視し、ひなたでPSPをやりながらくすぶっている我々とは必要なとき以外絡むことはほぼなかった。
そんな人気者のアイドルてきな蛇から突然の電話がきたわけだ。
それもダブルチーズバーガーを前にしたこのタイミングで。
いったい何事だろう?ダブルチーズバーガー単品じゃなくてセットにしよう。飲み物はアイスコーヒーでいいや。しかし忘れ物かなにかを伝える連絡なのだろうか。あるいは友人の誰かが交通事故にでもあって非常に危険な状態だとかそういうことだろうか。そうだ。ついでにチキンナゲットも頼もう。
などと考えながら電話に出た。
蛇『もしもしお疲れー』
予想を180度転換させた明るいテンションで蛇は電話口から話しかけてきた。
この段階で私は気付いた。
ディズニーのチケットを譲ってほしい電話だな、と。
蛇『まだこないだ言ってたディズニーのチケット余ってる?』
ほーらきた予想通り。
「あーまだありますよ。四枚ほど」
蛇『ゆずってくんない?』
「いいよー」
蛇『ありがとう!明後日行くから!」
「え?明後日まで!?」
明後日。2日以内。
無理だろう。チケットを渡す暇がない。
そもそも蛇の家と私の家は相当遠い。
八王子と西船橋くらい遠い。
翌日は仕事もある。無理だ。
「ごめん。渡す暇がないや・・・」
蛇『えー!なんとかしてよ!』
「いやそう言われても仕事だからさ」
蛇『えー・・・』
とそのとき
?『は?何?無理なの?』
電話口の向こう側から何やらチャラそうな男の声が聞こえた。
男『はあ?なんで?』
蛇『チケット渡す時間がないって』
男『いや持ってこさせろよソイツに。明日が無理なら明後日の朝に持ってこさせろ』
蛇『あ、もしもし。水曜のあさとか・・・』
「無理」
蛇『だめだってー』
男『使えねー!お土産買ってってやっから持ってこいって言えよ』
うぜえええ
なんかめっちゃウザい奴と一緒にいるっぽいー!
そもそもこっちはディズニーのチケットを無料で譲ろうとしてんのに。
ソイツ?使えねー?
少なくとも僭越ながらとか恐れ多くもとかつけろコノヤロー。
頭に来た私は言った。
「さっきから後ろで声がするけど誰かいんの?」
蛇『うん友達。一緒にディズニー行く予定なんだ』
「あーそれはそれは。じゃあ彼と交渉するよ。電話かわってくれる?」
蛇『なんかかわってほしいって』
男『え?俺?なんで?』
女『チケットのことで交渉したいってさ』
男『あっそ・・・』
・・・
男「・・・あ、もしも」
私は男が電話に出るやいなやすぐに通話終了ボタンを押して電話を切った。
すぐに電話がかかってくる。
蛇『あ、もしもし?』
「もしもし。ごめん。なんか急に電波なくなっちった」
蛇『マジで』
「すまん。もう一回かわってくれないか?」
蛇『またあ?』
「うん。悪い」
・・・
男「もしも」
ブツッ。
よし勝った。
その後すぐに同じ番号から何度か電話がかかってきたが私はそれに出ることはなかった。
幸い電話番号以外の連絡先は教えていない。
まあ知られたところでシカトでよかろう。
私は電話をしまい、ようやくダブルチーズバーガーセットとチキンナゲットを注文した。
正直、コワイっぽい人にケンカうった恐怖で5分くらい震えがとまらなかった。
そしてマクドナルドを出て気付いた。
実に不毛な時間だったと。
こうしてまた、私の敵が増えたのだった。
僕が持っていても仕方ないから、とのことだ。
しかしながらもらったはいいものの、一緒にいく人などいない私だ。正直チケットが無駄になる気がしてならない。
結局私は私で他の人間にチケットを譲ることにした。
丁度大学のサークルで一緒だった人達数名と食事をする機会があったので、そこでチケットを欲しい人はいないかと募ったところ早速1人が「彼女とその友達カップルとダブルデートに行きたい」と申し出てきた。
もう中年にも差し掛かってダブルデートってなんだよと妬みも含めた怪訝がしばらく私を襲ったが
、まあいいかとチケット八枚のうちの四枚を無条件で渡した。
そして昨日。
仕事帰りに疲れた私はマクドナルドでダブルチーズバーガーでも食べようと思い、最寄り駅から近い店舗へと歩を進めていた。
すると携帯がなり、画面をみると蛇の名が表示されていた。
蛇はサークル内で人気者の女性であった。
が、つるむ人間はイケメンのスポーツ男子ばかり。
サークル内においても常に人気者を敵視し、ひなたでPSPをやりながらくすぶっている我々とは必要なとき以外絡むことはほぼなかった。
そんな人気者のアイドルてきな蛇から突然の電話がきたわけだ。
それもダブルチーズバーガーを前にしたこのタイミングで。
いったい何事だろう?ダブルチーズバーガー単品じゃなくてセットにしよう。飲み物はアイスコーヒーでいいや。しかし忘れ物かなにかを伝える連絡なのだろうか。あるいは友人の誰かが交通事故にでもあって非常に危険な状態だとかそういうことだろうか。そうだ。ついでにチキンナゲットも頼もう。
などと考えながら電話に出た。
蛇『もしもしお疲れー』
予想を180度転換させた明るいテンションで蛇は電話口から話しかけてきた。
この段階で私は気付いた。
ディズニーのチケットを譲ってほしい電話だな、と。
蛇『まだこないだ言ってたディズニーのチケット余ってる?』
ほーらきた予想通り。
「あーまだありますよ。四枚ほど」
蛇『ゆずってくんない?』
「いいよー」
蛇『ありがとう!明後日行くから!」
「え?明後日まで!?」
明後日。2日以内。
無理だろう。チケットを渡す暇がない。
そもそも蛇の家と私の家は相当遠い。
八王子と西船橋くらい遠い。
翌日は仕事もある。無理だ。
「ごめん。渡す暇がないや・・・」
蛇『えー!なんとかしてよ!』
「いやそう言われても仕事だからさ」
蛇『えー・・・』
とそのとき
?『は?何?無理なの?』
電話口の向こう側から何やらチャラそうな男の声が聞こえた。
男『はあ?なんで?』
蛇『チケット渡す時間がないって』
男『いや持ってこさせろよソイツに。明日が無理なら明後日の朝に持ってこさせろ』
蛇『あ、もしもし。水曜のあさとか・・・』
「無理」
蛇『だめだってー』
男『使えねー!お土産買ってってやっから持ってこいって言えよ』
うぜえええ
なんかめっちゃウザい奴と一緒にいるっぽいー!
そもそもこっちはディズニーのチケットを無料で譲ろうとしてんのに。
ソイツ?使えねー?
少なくとも僭越ながらとか恐れ多くもとかつけろコノヤロー。
頭に来た私は言った。
「さっきから後ろで声がするけど誰かいんの?」
蛇『うん友達。一緒にディズニー行く予定なんだ』
「あーそれはそれは。じゃあ彼と交渉するよ。電話かわってくれる?」
蛇『なんかかわってほしいって』
男『え?俺?なんで?』
女『チケットのことで交渉したいってさ』
男『あっそ・・・』
・・・
男「・・・あ、もしも」
私は男が電話に出るやいなやすぐに通話終了ボタンを押して電話を切った。
すぐに電話がかかってくる。
蛇『あ、もしもし?』
「もしもし。ごめん。なんか急に電波なくなっちった」
蛇『マジで』
「すまん。もう一回かわってくれないか?」
蛇『またあ?』
「うん。悪い」
・・・
男「もしも」
ブツッ。
よし勝った。
その後すぐに同じ番号から何度か電話がかかってきたが私はそれに出ることはなかった。
幸い電話番号以外の連絡先は教えていない。
まあ知られたところでシカトでよかろう。
私は電話をしまい、ようやくダブルチーズバーガーセットとチキンナゲットを注文した。
正直、コワイっぽい人にケンカうった恐怖で5分くらい震えがとまらなかった。
そしてマクドナルドを出て気付いた。
実に不毛な時間だったと。
こうしてまた、私の敵が増えたのだった。