さて、以前の日記にも記載した通り、私は現在生まれ育った地元で生活をしている。

 

実家に暮らしていたのが18歳までだったので、自身の力で生活を維持できるようになってから見える地元の光景は、やはり違ったものではあった。

 

駅前のキャバクラやガールズバー、ないしは風俗店にテレクラ。

 

その全てに行ったことはないが、もしかしたらこの先訪れる機会があるかもしれないと思うとわくわくする部分がある。

 

昨日選挙投票後、私が小学生の頃から営業している小さな居酒屋に初めて入ることにした。

 

その居酒屋は民家の中にポツンと営業しており、暖簾前のおでんのモニュメントが非常に印象的だった。

 

成人になりお酒を嗜み始め、30を超えてますますそれに趣を覚えだしてきた私にとって、なんとも入店しにくい店ではあったが、勇気を振り絞って扉を開けてみた。

 

 

店内はやはり小さく、狭い厨房に40半ばくらいの男女が二人で切り盛りしている感じである。

 

いらっしゃいませーと小さく言われると、すぐにカウンターに座るよう指示を受けた。

 

 

『注文は?』

 

女性店員が聞いてくるので、私は「とりあえず生で」と答えた。

 

『すみません、生ないんですよ』

 

「あーじゃあ瓶は?」

 

『すみません。ありません』

 

「そうですか・・・じゃあウーロンハイを」

 

『かしこまりました』

 

「あとマグロのブツ盛りをください」

 

『すみません、マグロ今日無いんです』

 

「そうですか・・・えーっとじゃあ厚揚げを」

 

『厚揚げ無いんです』

 

「じゃあきゅうりの浅漬けか、冷やしトマト・・・」

 

『すみません、キュウリもトマトもありません』

 

「キュウリ無いんですか。え」

 

『すみません』

 

「えっと何があるんでしょうか」

 

『ラーメンなら』

 

 

こうして私はラーメンとウーロンハイをゆっくりと小さな店内ですすることになった。

 

 

え、ラーメンやなん?あそこ。

 

 

ずっと居酒屋だと思っていた店が居酒屋としての本懐をなしていなかった。

 

入ってみないとわからないものだ。

 

 

駅前のきらびやかなネオンも、ひょっとしたらそれはフェイクなのかもしれない。

 

 

まだまだわからないことはたくさんある。

 

 

明日は、キャバクラに行ってみようと思う。