昨日のことであるが、休日だし映画でも観に行こうかと電車に乗ろうとしたところ、土曜日の昼にも関わらず、平日早朝のような満員電車が停まった。

なんとなく直感で嫌なものを感じ、一本電車を見送ろうかと思ったが、乗車時間もわずかなので我慢して乗ることにした。

満員なのが嫌なのではなかった。

ただただとにかく嫌な予感がしたのだ。休日の満員電車という非日常に。


発車してしばらくすると、電車が停止し、「少しでも空いている車両へ移動してください」というわけのわからないアナウンスが流れた。

すぐに「6号車で危険物が発見されましたので、車掌が確認致しますので電車を停車します」と続く。

不安なことに、そのアナウンスの声は明らかに動揺し、狼狽していた。


「グリーン車に移動してもかまいません。移動してください」


この明らかにおかしなアナウンスが流れるや否や一斉に車内がざわついた。

それでも満員電車だ。移動しようにもどうにもできない。


ただただその場に立ち尽くしていたところ、「確認が完了しましたのでこれより発車致します」とアナウンスが流れ、無事に目的駅へ到着することができた。


すぐにネットニュースで「電車内にノコギリを持った男侵入」という記事を目にした。


私が乗っていた場所の2両向こう側で、男性が車内でノコギリを組み立てようとしたらしい。



その瞬間ゾッとした。

ひょっとしたら…危なかったのかもしれない。


時間がたてばたつほど、恐怖を感じている。


所謂銃刀法違反としての凶器以外のものが、人を無差別に脅迫しうる武器となっている。

そしてそれが、日本の根幹ともいえる鉄道において、持ち込み自体を防ぐ術がない。



不可避の犯罪が、すぐ真横まで迫ってきている。



正直、自身の安全性に関して、非常にナーバスである。