【突然のメッセージ失礼します。私は小説投稿サイトにて連載をしております〇〇と申します。現在連載中の作品を、貴方様にぜひ読んでいただきたくご連絡させていただきました。この作品は、生と死、その中で揺れ動く命がテーマです。私も当時は傍観者の一人でどうしてもその痛みを共有したかった。代わってあげたかった。幼さ故に。未熟さ故に。そういう気持ちが積み重なってできた作品です。是非読んでみてください。そしてお気軽に感想やご意見いただければと思います】
最近ツイッターで誰でも自作小説をアップできるサイトの公式アカウントをフォローしたところ、このようなDMが届いた。
勘違いしたクソ演劇集団から一方的にめちゃくちゃつまんなそうな作品の宣伝DMが無差別に送られてくることはあったが、小説家志望から小説を読んでくださいと営業DMがくるのは初めてだった。
大方の人がすぐわかったと思うが、その通り。
読んでみるとめっちゃくちゃにつまらなかった。
登場人物は唐突に死んだり生き返ったりし、主人公はセリフで自ら「生と死の間で命揺れ動いてます」と言ったりしている。
第一章を流し読みした段階で共感性羞恥みたいなものが発生してしまい、全23章を読み切るのは土台無理に感じた。
23章って・・・。
その人のアカウントページにとんでみると、数々の宣伝セルフリツイートに加え、
【DMで「めちゃくちゃつまらなかった」と言われました。本当に悔しくて苦しいです。手が震えて涙が止まらない】
【作品への誹謗中傷が悲しいです】
【××という方から「糞作品だ」「才能がない」と中傷されました】
【今後の誹謗中傷については警察に相談します】
等とネガティブな意見に対しやたらと粘着質な恨みつらみが記載されていた。
思わずため息が出た。
こいつは無差別になりふり構わず身勝手に作品読んでくださいと頼んでおいて、その全員から「面白かったです」と言ってもらえるとでも思っていたのか。
よほどの自信家か。それともバカか。
まあ前者でもバカにはかわりないけど。
以前、同じような形で宣伝を送ってきた劇団演出家に「ご意見感想は好きなだけつぶやいてください」と言われたことがあった。
私が別劇団の作品を絶賛し、それが一時的に盛り上がり良い宣伝効果になったことが一度だけあったのだが、彼はそれを読んだのだろう。
「絶対に観にきてください」とそれはそれはしつこく誘ってきた。
しかもあつかましく「感想を当日中にツイートしてほしい」とまで言って。
「それなら観劇費用は無料ってことですか?」と尋ねると「正規の料金ですが、好きに書いてかまいません」と答える。
実際観てみるとこれが死ぬほどつまらないし、作品だけでなく広告やチラシ、役者の演技まで糞だった。
3日で準備した学園祭の出し物を見せられているようなものだった。
そこで「むちゃくちゃつまんなかったです。これに金を払うのもったいないです。苦痛すぎて逆にお金もらいたい」とツイートしたところ、すぐにその演出家は
「誹謗中傷を受けた。営業妨害なので警察に相談します」と反応。
「そちらがどんなことでも書いてくださいと要求してきたはずですが」とスクショを添付したところブロックされ、それからもずっとグチグチと悪口を書かれる羽目になってしまった。
今回はまさにそのパターンだ。まったく。
お前らなあ・・・すぐ警察いくのやめろ・・・
私も小説家になりたかった。
昔は自信もあった。
けれども世間一般からすれば私のランクはこの警察いきます連中と同じなのだ。なんの成果もないだけに。
才能か。
俺も警察にいったら相談のってもらえるかな。才能盗まれましたって。狂言だけど。
物書きの原則が「他人に厳しく、自分にも厳しく」だ。
賞賛の声だけを抽出したって意味がない。厳しい意見を踏まえて改善していくことが大事だ。
私にはそれを耐えられるだけの精神力はない。なるべく優しくしてほしい。
つまり私に物書きの才能は無いということだ。
同様に、この警察行きます達も、才能は無いのだ。