自分の作品で出来が良いなと思う物を
「美味しい物も飽きた時には是非どうぞ」という評価を受けた時にどんな気持ちになるのだろう。

私が大学生の頃ラジオDJがエレカシの宮本に
「なんか今回のアルバムっていうのは聴くたびに印象が変わっていって、なんていうんでしょう、オードブルもサイドディッシュもないフルコース・・・メイン!メイン!メイン!メイン!みたいな。ちょっとぱっと聴いた感じで『うわっ!食べにくい!』っていうような。でも実際飲み込んでみると『こんなに美味しいもんないや』という・・・」

と仕掛けて宮本が

「人の前で『食べにくい』って言ってましたね、この人」
「失礼なやつだ、こいつは」

とマジ切れした事件があった。


この当時私は、
宮本って奴はなんてしょーもないんだ。
ラジオDJも悪気をもっていったわけではないのに。
なんてガキっぽい奴なんだ。
と宮本にドン引きしたものだ。


だが、いまとなってはこの宮本の気持ち、憤りは非常によくわかる。


美味しくて誰もが喜ぶ料理を、誰もが作ろうとしている。



自分が本気で取り組み、自信をもって生み出したものに対し

美味しくないですが!
食べにくいですが!
是非!それはそれでいいので!是非どうぞ!

そう言われしまうのはかなり辛いものがある。




私はこれまで幾度となく駄作を輩出してきた。

そのどれもに、「つまらない」という評価がくだされた。

そしてそれを誰かが「つまらないから面白いんだ」と弁護した。


うるせえわこの野郎。