性的なフェチズムを皆様もお抱えだろうか。

恥ずかしながら私に関して言うと、女性の後ろ姿が好きであり、ある程度の性知識が豊富になってきたタイミングでそれが背中に魅力を感じているのだとわかった。

そのため長らく背中好きを公言し、時には愛を囁き、時には金を払い背中をペロペロと舐めてきたわけであるが、ここ最近になっていよいよ気付いてしまった。


あ、これ背中じゃなくて尻だわ、と。


ポイントが尻であることを確信してからというもの、Twitterに載っている美尻画像を見てはいいね、見てはいいねを繰り返しつけてきた。

そして先日ある美尻に画像のハッシュタグを追いかけていると、「尻」の個展が開かれていることを知った。

私の心は踊った。

このスマートフォンを通してではなく、まさにそれを専門的に扱った場所で、それに特化した尻をこれでもかとみれる空間があるなんて。

今日はそのお尻の個展に行った時のことについて話そうと思う。



×××



壁一面に綺麗なお尻

中央にお尻の綺麗な小さな彫像

たしかにお尻だらけではあるが…


私の股間がエレクトすることは一度もなかった。


いや、そもそも性的な感情をそこに持ち合わせること自体がナンセンスだったのかもしれない。


しかし私が感じたのは「楽しいかこれ?」だけだった。


いやまあ…綺麗なお尻ですけど…


大々的に「私こそ芸術家です」と言わんばかりの名前の人達が展示したお尻のほとんどが、売れないグラビアアイドルかコスプレイヤーのものであり、個人的な見解ではあるが私以外の来場客は皆おじいさんで鼻の下が伸びているのをバレないように凛々しく尻を眺めているようにしか見えなかった。

これに1000円も惜しいな…


つくづく私は芸術が理解できない。

よくよく考えてみれば世界遺産だろうが20分で飽きるし、エジプトの偉い人のミイラが上野に来ようが、その順路の最中で疲れ果ててベンチを探すレベルだ。


それが尻ひとつで改善できるわけがない。


しばらくすると会場の隅にあるデカい椅子の周りに人集りができていた。

どうやら訪れた素人女性がキャーキャー言いながら、その椅子に座り即席撮影会を始めたようだ。


あっという間にオジサンやおじいさん達がカメラ片手に彼女に群がった。

彼女は彼女でジーンズの上からでもくっきりわかるラインを強調しながら、その尻を突き出した。



…エロいな。


いいなあ…


きっと芸術に理解があれば俺もこの場にカメラくらい持ってきたはずだ。


しかしいま、私が思うのは…デジカメ買う金すらもったいないな…だった。


ああ。尻が揉みたい。


小ぶりで透明感があって、それでもどこかだらしない、お尻が揉みたい。


これは芸術ではない。煩悩だ。