彼女が浮気してた
相手は芋だ
おれが電話もかけず突然、彼女の部屋に押しかけると
芋がベッドの上に座っていた
そのサイズはテニスボールくらいだった
「ちがうの………」
彼女は言った
「何が違うの?」
おれは言った彼女は黙った
しばらく黙ったあと彼女は「ごめんね」とだけ言った
おれは作りたての溜め息をついた
芋を見る
微動だにせず最初と同じ位置でおすまししている
「わかった、じゃあな」
おれは彼女と芋に背を向けて今、入ってきたばかりの玄関から外へ出た
一言も発せずぶちのめす権利だっておれにはあるのに
こんな時だってなんでおれはこんなに優しいんだ?
そんな自分が少し嫌になった