実家のチャイムを鳴らした。
荷物を、ドサッっと乱暴に落とす。
足音が聞こえてきて、ドアの鍵が開けられる。
「・・・、あんた。なんで帰ってきたの?」
母が、ひょいっとドアから顔を出して言った。
実の娘を見て、開口一番がそれかと思った。
「正月だからだよ!!」
ほら、邪魔っと荷物を持って家の中に入った。
家の中は、木の香りがする。
帰ってきた。
そんな気がする。
今年が、もう少しで終わる。
なんだか、去年と代わり映えしなかったなぁ。
去年も、来年はいい年にしよう!
なぁんて、思ったなぁ。
「あんた、彼氏はどーしたのよ。一緒に年越しするんだと思ってたわ」
母親のカンっていうのは、時にどうしようもなく・・・めんどくさい。
痛い。
「あー、別れた。随分前にわかれたのーー。今、フリー」
あたしは炬燵にもぐり、みかんを剥きながらいった。
みかんを、口に入れる。
そう、と彼女は言った。
そう・・・その言葉が重かった。
たった、一言なのに色んな思いが詰まっているようだった。
『しょうがないじゃない。』
声にできずに、心の中で言った。
二人の間に、無言の時間が流れる。
あたしも母も、言いたい事を我慢しているのだろう。
母親と、こういう話をするのは正直しんどかった。
お友達の娘さんは、結婚しているのよ。
お母さんは、あなたの歳ではもう結婚して、あんたが居たわよとか。
言いようのない、苛立ちが垣間見える。
お互いに・・・。
「あんた、これ以上フリーになってどうするの。」
「まぁ、いい男見つけるから。」
あたし達は、みかんの皮を剥いて食べた。
テレビは、新年がくる行事ではしゃしでいた。
☆あとがき☆
ご無沙汰しておりました。
そう、そう!!
もう、5月です。わかってます。
なのに、小説は年も越せてませーーーーーん
まぁ、これを読んで頂いてですね。今年の正月に、何していたかを思い出してください(笑)
まだ、お話続きます