――結界内では依然、激しい戦いが続いていた。
「鵺野先生が…!」
「余所見などしていていいのか?」
「!?」
しまった、と言葉にするよりも先に。赤い光がほむらを射る。
「――熱ッ!?」
光を浴びたほむらの拳銃が飴細工のように溶けてしまった。慌てて高熱を発するそれを投げ捨てる。
「ふふふ…」
ハカイダーの光線銃。
「俺も射撃には少しばかり自信があってな」
「くっ…!」
距離を空ければハカイダーの近接戦闘から逃れられると踏んでいた。一瞬の油断。
接近戦ではほむらに分は無い。ぬ~べ~を助けに行こうとすれば背中を狙い撃ちにされる。
完全に打つ手を奪われた格好。
「このままでは…!」
「貴様らも行かせはせんぞ!」
メメーンのオカッパ頭が逆立った。
「忍さん! あいつの目を見ちゃ駄目! マミさんもあれにやられたんだ!」
「キエェェェェェェェェェーッ!!」
メメーンの第3の目から放たれる超音波。
「クラック・エンホースッ!!」
忍はクラック・エンホースを回転させて輪を描き、
メメーンの攻撃を正面から迎え撃った。
「えっ!?」
「何ぃッ!?」
超音波をクラック・エンホースの障壁で受け止め、
「リリースッ!!」
それをメメーンに向けて跳ね返した。
「うおおっ…どぉほほほぉぉぉーッ!?」
まさに不意打ち。忍達を吹き飛ばすつもりが、逆に自分がカウンターを喰らってしまった。