見かねたマミが助け舟を出した。
「まぁまぁ。合体技って言ってもね? 私がカズマ、さんのフォローをするだけだから」
杏子の表情が驚愕に染まる。
「こんなチンピラを!」
……人のことを言えないと言う言葉は聞こえないらしい。
「大丈夫。やってみせるわ。私を誰だと思ってるの?」
自信ありげな笑みを浮かべた巴マミ。
「先輩魔法少女、巴マミよ?」
その片手にはマスケット銃が備わっていた。
「カズマさん!」
「んだよ」
「これを……アルター化、でいいのかな。右手に変えてください」
「あぁ?」
カズマはマミの顔を睨む。
(違う……?)
さっきとは違う。自信と期待の光があることにカズマはまず気が付いた。
「ヘッ……どういうつもりか知らねぇが、気に入ったぜ! アンタの『やり方』に乗ってやるよ!」
そう言って、彼は再び結界と対峙する。それからゆっくりと目を閉じた。
(視野を狭めろ……余計なことは考えるな! 今はただ、あの壁をぶち抜くことに集中しろ!)