俺は六番目の女シスによって、サンルイに連れてこられた。
サンルイにはサードがいるんだって、シスが言っていた。
サンルイの町は、観光業で栄えていた。
ホテルや短期貸しのアパルトマンが群生していた。
夜なるとレストランやバーのネオンライトが輝き、街は一晩中お祭り騒ぎだ。
パイロット作家も、
サンルイのホテルでサードに出会えたのは奇跡的な偶然だった。
かつて、ここより東の砂漠に不時着したパイロット作家が、小さな王子の話を書いたんだ、とサードは言った。
ホテルやアパルトマンが立ち並びレストランやバーのネオンライトで街は一晩中騒々しかった。
俺はこの町でどこに向かえばいいのだろうか。
俺はサードを探していた。でも、サードはいない。
おそらく今晩はずっと仕事に出ているのだろう。
俺はいったいここで何をしているんだろう。
本当はサードに会いに来たんだ。でもサードはいない。
おそらく今晩はずっと仕事だろう。
運よくサードと出会えたのはサンルイのホテルだった。
今日、町の入り口で出会った占い師は面白いことを言っていた。赤い月の光に照らされて、その深淵の口が開かれることでしょう。パイロット作家は、きっとこの砂漠に不時着をして、そんなことを考えたのだろう。小さな王子は言った。あんたがここに来るってことはわかっていたんだ。さあ、おいで僕はジョーカーだ。一番強いのはセブンだ。そして、君はクイーンになる。エイトマンって知っているか。わからない。と、ミスは答えた。エイトマンは一番やっかいだ。なんでもかんでも台無しにしちまうからな。シスは言った。あたいはやだよ。無駄死になってまっぴらごめんだ。サンクはカトルの代わりにはなりません。キュー。ディスは言った。俺たちが集まれば何でもできる。そうじゃないだろう。ジャックは一人ナイフを研いでいた。クイーンはまだ、クイーン足りえなかった。ミス・ムーンだ。キングの復活を目指せ。キングはどこにいる。
ヤジは言った。キングを探すんだ。キング?どこにいるって、支配者だからね。キングの不在はまずいよ。我々のファミリーの主だからね。セカンドはまだ生きている。代わりの志願者がやってきたぜ。ほら、そこに立っている。俺が新しいセカンドだ。すると、ジャックがナイフを投げつけた。セカンドの額に突き刺さった。痛いじゃないか。鮮血があふれた。涙となって流れ落ちた。インパクトを起こすぜ。セカンドは導火線に火をつけた。このままファミリーはおしまいだぜ。
声がする。わたしはいまどこにいるの。砂漠の町だよ。ずっと昔に砂に飲み込まれてしまったんだ。ここはアルカディアだ。なんでも手に入るぜ。
ミス・ムーンは夢を見ていた。朝目が覚めると、彼女は自分の役割をいまやすっかり思い出すことができた。昨晩の声の主にあってみようという気になった。エースはどこに行った。エースは不在だ。エースの不在じゃ、ドラマの始まりにはエースは不在なんだ。カトルは言った。私がその役目おば務めてまいりましょう。