清掃(綺麗にすること)と、こころの病の関係性について
数年前から「断・捨・離」というキーワードを目にする。
片付ける、捨てる、整理するなど、身の回りや各自の部屋をきれいにすることで気持ちの変化やゆとり、しあわせを感じるといったメッセージで、清掃がひとつのブームを迎えているようだ。
今や各家庭だけでなく、大手企業や団体などでも職場をきれいにする、職場を磨き上げることによって、作業効率、販売実績の向上が見込まれ、ひいては、企業の発展、成長につながると、かなりの注目を集めている。
多くの日本人は、欲しいものを次々と手に入れ、物に埋もれる生活環境を続けてきた。多くの物質に囲まれることが精神を豊かにすると錯覚していたのかも知れない。モノを片付ける、捨てる、整理することが、人間の幸、不幸に深く関わるのだと気づいたと思う。
今回、このことをテーマにしたのは、自分自身がさまざまな問題や病、事件に関わる仕事をしている中で、汚い、不清潔なところで生活をしている人と、綺麗で清々しいところで生活している人では、人の一生に与える影響がかなり大きいと考えるからである。
具体的な例をあげると、(全てがあてはまるかどうかはわからないが)鬱病などの精神的に病んでいる人を見ていると、病んでいるから片付けられなくて、ゴミに埋もれているのか、汚くて片付いていないところに居るから病んでしまったのかはわからないが、心や精神が病んでいる人の共通点のひとつに、とても汚い生活環境に居ることがあげられる。(住空間の大切さ)
心の病の方に私がアドバイスすることの中で、特に強調するのが、早朝に起床していただき、朝露のあるうちに散歩やウォーキングをして、帰宅後、清掃をして貰うということだ。とりわけ、清掃については、トイレ、玄関などは、毎日、徹底的に清めてもらうことにしている。(思考ではなく行動、そして感動)
当然、鬱病の方々は、何々眠れないことから起床時間が遅くなる傾向にある。だから、いっそのこと、早起きして貰う。そして、身体を動かしてもらう。これは、考えるのではなく、身体を動かすことで感じてもらうことの重要性を知ってもらうためである。
神経症や、ノイローゼ、鬱、心の病を抱えている方は、思い悩むことから思考が散乱して考えがまとまらず、考えすぎて動けなくなってしまう。頭ではわかっているが、行動にブレーキがかかり失敗を恐れて前に進むことができない。
そしてますます自信を喪失してしまい、不安と心配、取り越し苦労で自分を責める気持ちと焦りでいよいよ引きこもってしまい、社会と接点を持てなくなってしまうのが、常のようである。
近年、一流大学を出て一流企業に勤務していたが、パワハラ、セクハラ、いじめや長時間労働が原因で心に病を抱え、やがて引きこもってしまい、鬱病で日常生活が送れない、仕事が出来ないことから生活保護を申請しているケースも増加しつつあるという。
このような生活をしていると、昼夜逆転し、真夜中に行動はするが、昼間は一切外に出ず人とも関わらない。当然、生活環境は汚く、不衛生となっていくこととなる。
やはり、人間の心を整える、住まい、生活環境は、人間の心や身体に深く影響を与えるようである。自分の周りを片付け不要な物は捨てて、整理することは人の幸せに大きく関係しているように思えてならない。
様々な家庭の問題や、事件に関わる仕事をしている中で、つくづく思うことは、このような家庭の多くは、本当に汚く、物が多く物に埋もれていて、捨てることが出来ないことである。(気の毒なような気もするが)
まだまだ、不明なところも多いが、不幸は汚いところが好きなのかも知れない。
今一度、捨てる勇気、物にこだわらない人生について考えていただきたい。
健康と幸せが待っているかも知れない。
勇気を持って、捨てる、清掃する。部屋を磨く、床を磨く、窓を磨くことは、人としても磨かれて、輝く人生にチェンジすると確信する。
片付ける、捨てる、整理するなど、身の回りや各自の部屋をきれいにすることで気持ちの変化やゆとり、しあわせを感じるといったメッセージで、清掃がひとつのブームを迎えているようだ。
今や各家庭だけでなく、大手企業や団体などでも職場をきれいにする、職場を磨き上げることによって、作業効率、販売実績の向上が見込まれ、ひいては、企業の発展、成長につながると、かなりの注目を集めている。
多くの日本人は、欲しいものを次々と手に入れ、物に埋もれる生活環境を続けてきた。多くの物質に囲まれることが精神を豊かにすると錯覚していたのかも知れない。モノを片付ける、捨てる、整理することが、人間の幸、不幸に深く関わるのだと気づいたと思う。
今回、このことをテーマにしたのは、自分自身がさまざまな問題や病、事件に関わる仕事をしている中で、汚い、不清潔なところで生活をしている人と、綺麗で清々しいところで生活している人では、人の一生に与える影響がかなり大きいと考えるからである。
具体的な例をあげると、(全てがあてはまるかどうかはわからないが)鬱病などの精神的に病んでいる人を見ていると、病んでいるから片付けられなくて、ゴミに埋もれているのか、汚くて片付いていないところに居るから病んでしまったのかはわからないが、心や精神が病んでいる人の共通点のひとつに、とても汚い生活環境に居ることがあげられる。(住空間の大切さ)
心の病の方に私がアドバイスすることの中で、特に強調するのが、早朝に起床していただき、朝露のあるうちに散歩やウォーキングをして、帰宅後、清掃をして貰うということだ。とりわけ、清掃については、トイレ、玄関などは、毎日、徹底的に清めてもらうことにしている。(思考ではなく行動、そして感動)
当然、鬱病の方々は、何々眠れないことから起床時間が遅くなる傾向にある。だから、いっそのこと、早起きして貰う。そして、身体を動かしてもらう。これは、考えるのではなく、身体を動かすことで感じてもらうことの重要性を知ってもらうためである。
神経症や、ノイローゼ、鬱、心の病を抱えている方は、思い悩むことから思考が散乱して考えがまとまらず、考えすぎて動けなくなってしまう。頭ではわかっているが、行動にブレーキがかかり失敗を恐れて前に進むことができない。
そしてますます自信を喪失してしまい、不安と心配、取り越し苦労で自分を責める気持ちと焦りでいよいよ引きこもってしまい、社会と接点を持てなくなってしまうのが、常のようである。
近年、一流大学を出て一流企業に勤務していたが、パワハラ、セクハラ、いじめや長時間労働が原因で心に病を抱え、やがて引きこもってしまい、鬱病で日常生活が送れない、仕事が出来ないことから生活保護を申請しているケースも増加しつつあるという。
このような生活をしていると、昼夜逆転し、真夜中に行動はするが、昼間は一切外に出ず人とも関わらない。当然、生活環境は汚く、不衛生となっていくこととなる。
やはり、人間の心を整える、住まい、生活環境は、人間の心や身体に深く影響を与えるようである。自分の周りを片付け不要な物は捨てて、整理することは人の幸せに大きく関係しているように思えてならない。
様々な家庭の問題や、事件に関わる仕事をしている中で、つくづく思うことは、このような家庭の多くは、本当に汚く、物が多く物に埋もれていて、捨てることが出来ないことである。(気の毒なような気もするが)
まだまだ、不明なところも多いが、不幸は汚いところが好きなのかも知れない。
今一度、捨てる勇気、物にこだわらない人生について考えていただきたい。
健康と幸せが待っているかも知れない。
勇気を持って、捨てる、清掃する。部屋を磨く、床を磨く、窓を磨くことは、人としても磨かれて、輝く人生にチェンジすると確信する。
「鬱病で病んでいる方の職場復帰支援のあり方について考える」
現代日本社会には、企業戦士と呼ばれ、長時間労働を強いられている人も多い。
そして、その長時間労働からストレス、そして鬱病を発症して、その後、長期間休養をして、職場復帰をする者も増えている。
この心の病である「鬱病」を治して職場に復帰を果たせる者はまだ良いが、残念ながら「鬱病」になると、その何割かは自殺を考えるようになり、また、その数パーセントは自死に至り職場に戻ることなく人生を終わる。
その後、残された家族は、悲しみと共に、なぜもっと早く気づくことができなかったのかと、自分自身を責め続けることとなる。実際、子どもの進路の変更や、妻の経済苦などがマスコミで取り上げられるが、事実としては、命を救えなかったことに対する悲しみと怒りに苦しむ家族も多いと聞く。
私が、かつて関わったケースを紹介したい。
T市に住む35歳の男性(以後A男)。
A男は、一流理系大学院の博士課程を終えたドクターである。一流企業のエリート研究者であるが、今現在は、鬱病の治療中であり担当医と相談しながら職場復帰を目指している。
ここで少し、A男の生い立ちについて触れておく。
A男は2人兄妹の長男で、両親は医師であった。しかし、A男がものごころついた頃から、父には愛人がおり、度々家に帰ってこなかった。母にもそれらしい男性が居て、エリート医師の家庭ではあったが、家庭は完全に崩壊している状態であった。A男が大学生の頃、両親は当然のごとく離婚してしまった。妹は母親が引き取って育てることとなった。父はすぐにその愛人と結婚し、母も、しばらくして他の男性と再婚した。A男は大学生であったので自立の道を選ぶこととした。
だから、A男は、家族とか家庭とかいうものに、全く信用、信頼を持つことが出来ずに思春期、青年期を迎えて、エリート研究者への道を進むことになった。
このような生活環境でも、A男は、ドクターとして研究開発に従事して、日夜、勉学に励む日が続いた。苦労も多かったが学生時代に知り合ったB子と結婚し、公私ともにやりがいと幸せに満ちた日が続いた。
最大の問題は、この後起きた。
A男は突然、朝起きるのが苦手となり、起きられなくなってしまったのだ。朝食も食べずに、新聞も読まない、当然のことながら職場に遅刻して行くことも多くなった。仕事の能率も悪くなり、残業も増えていった。妻のB子も気づかなかったのであるが、A男は鬱病になっていたのだ。そして、本人も自覚していなかった。
このケースの悲劇は、本来は支えるべき妻B子が離婚を申し出たことである。
元々、B子の結婚は両親に反対されていた。一人娘のB子は、家を継ぐことを親から決められていたという理由もあるが、両親の説得もあり(働けるかどうか将来のわからない男とは、今のうちに離婚した方が良いと言われた)A男の反対もきかず実家に帰ってしまったのである。さらにA男にとって不幸なことは、B子に子どもができていたが、それも鬱病の男の子どもはいらないと言われ、堕ろされてしまったことである。
鬱病になり、休養をとって、しばらく治療しなければならないときに、全てを失ってしまったのである。
A男は、現在も、職場復帰を目指してカウンセリングと薬物治療を続けているが、この時期に一番必要な家族のサポートもなく、孤独の中で、何のために頑張るのか?希望が見えてこないのだ。
そして、その長時間労働からストレス、そして鬱病を発症して、その後、長期間休養をして、職場復帰をする者も増えている。
この心の病である「鬱病」を治して職場に復帰を果たせる者はまだ良いが、残念ながら「鬱病」になると、その何割かは自殺を考えるようになり、また、その数パーセントは自死に至り職場に戻ることなく人生を終わる。
その後、残された家族は、悲しみと共に、なぜもっと早く気づくことができなかったのかと、自分自身を責め続けることとなる。実際、子どもの進路の変更や、妻の経済苦などがマスコミで取り上げられるが、事実としては、命を救えなかったことに対する悲しみと怒りに苦しむ家族も多いと聞く。
私が、かつて関わったケースを紹介したい。
T市に住む35歳の男性(以後A男)。
A男は、一流理系大学院の博士課程を終えたドクターである。一流企業のエリート研究者であるが、今現在は、鬱病の治療中であり担当医と相談しながら職場復帰を目指している。
ここで少し、A男の生い立ちについて触れておく。
A男は2人兄妹の長男で、両親は医師であった。しかし、A男がものごころついた頃から、父には愛人がおり、度々家に帰ってこなかった。母にもそれらしい男性が居て、エリート医師の家庭ではあったが、家庭は完全に崩壊している状態であった。A男が大学生の頃、両親は当然のごとく離婚してしまった。妹は母親が引き取って育てることとなった。父はすぐにその愛人と結婚し、母も、しばらくして他の男性と再婚した。A男は大学生であったので自立の道を選ぶこととした。
だから、A男は、家族とか家庭とかいうものに、全く信用、信頼を持つことが出来ずに思春期、青年期を迎えて、エリート研究者への道を進むことになった。
このような生活環境でも、A男は、ドクターとして研究開発に従事して、日夜、勉学に励む日が続いた。苦労も多かったが学生時代に知り合ったB子と結婚し、公私ともにやりがいと幸せに満ちた日が続いた。
最大の問題は、この後起きた。
A男は突然、朝起きるのが苦手となり、起きられなくなってしまったのだ。朝食も食べずに、新聞も読まない、当然のことながら職場に遅刻して行くことも多くなった。仕事の能率も悪くなり、残業も増えていった。妻のB子も気づかなかったのであるが、A男は鬱病になっていたのだ。そして、本人も自覚していなかった。
このケースの悲劇は、本来は支えるべき妻B子が離婚を申し出たことである。
元々、B子の結婚は両親に反対されていた。一人娘のB子は、家を継ぐことを親から決められていたという理由もあるが、両親の説得もあり(働けるかどうか将来のわからない男とは、今のうちに離婚した方が良いと言われた)A男の反対もきかず実家に帰ってしまったのである。さらにA男にとって不幸なことは、B子に子どもができていたが、それも鬱病の男の子どもはいらないと言われ、堕ろされてしまったことである。
鬱病になり、休養をとって、しばらく治療しなければならないときに、全てを失ってしまったのである。
A男は、現在も、職場復帰を目指してカウンセリングと薬物治療を続けているが、この時期に一番必要な家族のサポートもなく、孤独の中で、何のために頑張るのか?希望が見えてこないのだ。
「鬱病で病んでいる方の職場復帰支援のあり方について考える」
現代日本社会には、企業戦士と呼ばれ、長時間労働を強いられている人も多い。
そして、その長時間労働からストレスを受けて、鬱病を発症し、その後、長期間休養を取り、職場復帰をする者も増えている。
この心の病である「鬱病」を治して職場に復帰を果たせる者はまだ良いが、残念ながら「鬱病」になると、その何割かは自殺を考えるようになり、また、その数パーセントは自死に至り職場に戻ることなく人生を終わる。その後、残された家族は、悲しみと共に、なぜもっと早く気づくことができなかったのかと、自分自身を責め続けることとなる。実際、子どもの進路の変更や、妻の経済苦などがマスコミで取り上げられるが、事実としては、命を救えなかったことに対する悲しみと怒りに苦しむ家族も多いと聞く。
私が、かつて関わったケースを紹介したい。
T市に住む35歳の男性(以後A男)。
A男は、一流理系大学院の博士課程を終えたドクターである。一流企業のエリート研究者であるが、今現在は、鬱病の治療中であり担当医と相談しながら職場復帰を目指している。
ここで少し、A男の生い立ちについて触れておく。
A男は2人兄妹の長男で、両親は医師であった。しかし、A男がものごころついた頃から、父には愛人がおり、度々家に帰ってこなかった。母にもそれらしい男性が居て、エリート医師の家庭ではあったが、家庭は完全に崩壊している状態であった。A男が大学生の頃、両親は当然のごとく離婚してしまった。妹は母親が引き取って育てることとなった。父はすぐにその愛人と結婚し、母も、しばらくして他の男性と再婚した。A男は大学生であったので自立の道を選ぶこととした。
だから、A男は、家族とか家庭とかいうものに、全く信用、信頼を持つことが出来ずに思春期、青年期を迎えて、エリート研究者への道を進むことになった。
このような生活環境でも、A男は、ドクターとして研究開発に従事して、日夜、勉学に励む日が続いた。苦労も多かったが学生時代に知り合ったB子と結婚し、公私ともにやりがいと幸せに満ちた日が続いた。
最大の問題は、この後起きた。
A男は突然、朝起きるのが苦手となり、起きられなくなってしまったのだ。朝食も食べずに、新聞も読まない、当然のことながら職場に遅刻して行くことも多くなった。仕事の能率も悪くなり、残業も増えていった。妻のB子も気づかなかったのであるが、A男は鬱病になっていたのだ。そして、本人も自覚していなかった。
このケースの悲劇は、本来は支えるべき妻B子が離婚を申し出たことである。
元々、B子の結婚は両親に反対されていた。一人娘のB子は、家を継ぐことを親から決められていたという理由もあるが、両親の説得もあり(働けるかどうか将来のわからない男とは、今のうちに離婚した方が良いと言われた)A男の反対もきかず実家に帰ってしまったのである。さらにA男にとって不幸なことは、B子に子どもができていたが、それも鬱病の男の子どもはいらないと言われ、堕ろされてしまったことである。
鬱病になり、休養をとって、しばらく治療しなければならないときに、全てを失ってしまったのである。
A男は、現在も、職場復帰を目指してカウンセリングと薬物治療を続けているが、この時期に一番必要な家族のサポートもなく、孤独の中で、何のために頑張るのか?希望が見えてこない。
そして、その長時間労働からストレスを受けて、鬱病を発症し、その後、長期間休養を取り、職場復帰をする者も増えている。
この心の病である「鬱病」を治して職場に復帰を果たせる者はまだ良いが、残念ながら「鬱病」になると、その何割かは自殺を考えるようになり、また、その数パーセントは自死に至り職場に戻ることなく人生を終わる。その後、残された家族は、悲しみと共に、なぜもっと早く気づくことができなかったのかと、自分自身を責め続けることとなる。実際、子どもの進路の変更や、妻の経済苦などがマスコミで取り上げられるが、事実としては、命を救えなかったことに対する悲しみと怒りに苦しむ家族も多いと聞く。
私が、かつて関わったケースを紹介したい。
T市に住む35歳の男性(以後A男)。
A男は、一流理系大学院の博士課程を終えたドクターである。一流企業のエリート研究者であるが、今現在は、鬱病の治療中であり担当医と相談しながら職場復帰を目指している。
ここで少し、A男の生い立ちについて触れておく。
A男は2人兄妹の長男で、両親は医師であった。しかし、A男がものごころついた頃から、父には愛人がおり、度々家に帰ってこなかった。母にもそれらしい男性が居て、エリート医師の家庭ではあったが、家庭は完全に崩壊している状態であった。A男が大学生の頃、両親は当然のごとく離婚してしまった。妹は母親が引き取って育てることとなった。父はすぐにその愛人と結婚し、母も、しばらくして他の男性と再婚した。A男は大学生であったので自立の道を選ぶこととした。
だから、A男は、家族とか家庭とかいうものに、全く信用、信頼を持つことが出来ずに思春期、青年期を迎えて、エリート研究者への道を進むことになった。
このような生活環境でも、A男は、ドクターとして研究開発に従事して、日夜、勉学に励む日が続いた。苦労も多かったが学生時代に知り合ったB子と結婚し、公私ともにやりがいと幸せに満ちた日が続いた。
最大の問題は、この後起きた。
A男は突然、朝起きるのが苦手となり、起きられなくなってしまったのだ。朝食も食べずに、新聞も読まない、当然のことながら職場に遅刻して行くことも多くなった。仕事の能率も悪くなり、残業も増えていった。妻のB子も気づかなかったのであるが、A男は鬱病になっていたのだ。そして、本人も自覚していなかった。
このケースの悲劇は、本来は支えるべき妻B子が離婚を申し出たことである。
元々、B子の結婚は両親に反対されていた。一人娘のB子は、家を継ぐことを親から決められていたという理由もあるが、両親の説得もあり(働けるかどうか将来のわからない男とは、今のうちに離婚した方が良いと言われた)A男の反対もきかず実家に帰ってしまったのである。さらにA男にとって不幸なことは、B子に子どもができていたが、それも鬱病の男の子どもはいらないと言われ、堕ろされてしまったことである。
鬱病になり、休養をとって、しばらく治療しなければならないときに、全てを失ってしまったのである。
A男は、現在も、職場復帰を目指してカウンセリングと薬物治療を続けているが、この時期に一番必要な家族のサポートもなく、孤独の中で、何のために頑張るのか?希望が見えてこない。