わたしの祖母は70歳くらいの時、自分で1mmにも満たない乳癌を発見して、

すぐに手術で取ったという経歴があり、そのことを武勇伝のようによく言っていたもんだった。

 

そんな祖母の話を聞いていた私は、いつかは自分もなるのではないか

という不安があった為、社会人になってから6年間、

毎年の健診で超音波を受けていた。

そして毎年所見ありでひっかかり、精密検査を受けてはのう胞と診断されて、

「やっぱりね」と安心していたのであった。

 

2018年7月25日

毎年通っている新宿近くのクリニックで、今年もエコーの検査を受ける。

技師さんが、念入りに検査をして、写真を取っているが、これもいつもの事。

早くおわんないかなあと呑気に構えていた。

 

8月中旬

健診結果が届く。

毎年おなじみのC12判定「年一回の経過観察を必要とします」とのこと。

「右にのう胞多発(?!)、入管内乳頭腫疑(?!)」という文字があり、少し不安になったが、

「経過観察だしね〜大丈夫大丈夫」と若干の不安を無理やりなかったことにした。

その後、仕事も忙しく、土日も予定が詰まっていたこともあり、表参道の専門のクリニックに検査予約を入れたのは9月の末になった。

 

9月末

表参道のクリニックでの初診日。小綺麗で上品な感じのクリニック。

 

問診票にしこりの場所をかく欄があった為、改めて胸を入念に触ってみたところ、

左胸の上部に変な盛り上がりが出来ていることに、ここで初めて気づいた。

しかし、今までも月経前などによく胸が張ることのあった私は

特に心配することもなく、問診票の図にマークを付けた。

それに、自分のしこりの感触は、

前に健診のクリニックで触った乳癌の模型とは感触も全然違っていたので、絶対大丈夫、

と根拠のない自信を持っていた。

 

検査1、看護師の問診

看護師が左胸のしこりに触れた時、ちょっと神妙な顔をして

「なるほど。今は生理前ですか?

このしこりは何時ぐらいからありますか?」などと質問を投げかけて来た。

大丈夫ですよ〜とすぐ終わることを予想してた私は、何だか嫌な予感を抱えつつ、次の検査に向かった。

 

検査2、マンモ

健診ではエコーのみだった為、マンモは初体験。

技師さんが素早い手つきで胸をもちのように引っ張って、はさみつける。

「い、、、痛い。。」結構弾力のある胸を持っていた私は、きっと凄い形相をしていたと思う。

でも撮影をするのはほんの一瞬、それを左右2方向づつ。

挟まれている間は痛いけど、撮影自体はすぐに検査は終了した。

素早い手つきの技師さん、ありがとう。

 

検査3、エコー

ここでも技師さんはかなり真剣な顔で、仕切りに両側の胸を行ったり来たりさせている。

そして何枚も写真を取っていた。

世間話くらいされるかなあと思っていた私は、ここでも何だかいやな予感がした。

 

そして、その後次々と他の人が呼ばれて帰っていく中、私一人が待合室に残されたのであった。

 

 

続く。。。