少し前、地元の姉から届いたぶどう。

地元の農家さんから毎年購入し、私にも送ってくれます。

姉は小学校の教員なんですけど、姉の教え子のご両親が農園を経営していて、

いつも色々くださるそうです。

今年もすごく美味しかったです。

 

今日はその姉の話。

 

私には兄二人、姉二人がいて私が末っ子の5人きょうだいです。

その姉は上から三番目。

姉、兄、姉、兄、私、の順番です。

 

私とその姉は大人になってからよく話すようになりました。

特に、父が亡くなって家族全員実家に集まった時にさらに仲良くなりました。

 

その3年後母が亡くなったのですが、

この姉以外は実家から離れた場所に住んでいて、

母の様子を見ることが難しかったんです。

父の時は母がいたけれど、

母の時は子供達だけ。

私と下の兄は東京、上の兄は県内だけど実家からは3時間離れたところに住んでいて、

一番上の姉は市内だけどちょっと離れていて、

嫁ぎ先の環境などもあって、いちいち様子を見られない。

なので、この二番目の姉が(シングル)、父の死後しばらくしてから

実家に戻って母と同居し始めてたんです。

 

母がステージ4の癌だとわかった時から、

この姉が母の最期の時まで一緒に過ごし、毎日様子を見て、毎日話し、

自分も仕事をしていてきついこともあっただろうに、

最期まで付き添ってくれました。

 

私は東京から何度か往復して病院に姉と交代で泊まり込んだりしたけど、

今思うと、東京からの往復や仕事を休んでいることなどで、

「大変だ」と感じていました。

自分の母が癌なのに。。。

 

母が亡くなって、またきょうだい全員集まった時に、

私は姉にこう言いました。

「お母さんのこと、全部やってくれてありがとう。

毎日のお見舞い、付き添い、私なんか遠くにいるからって何も手伝わずに。

死後の葬儀のことなんかも全部手配してくれてありがとう」

 

そうしたら姉がこんなふうに返してきました。

「何を言っているの?!

お母さんのために全部やるのは当然!

しかも私は他のきょうだいたちが得られなかったお母さんとの時間を、

最後にたくさん与えてもらって、むしろ幸せだったよ。

私の方こそ、お母さんとの時間をいただいてありがとうだよ」

って。

 

私、この姉のことがこの時さらにハイパー大好きになりました。

こんなふうに感謝することもあるんですね。

 

今職場に、ご自身の母親の介護に疲れているスタッフがいます。

世間にも両親の介護、義理の両親の介護、に疲れている人たちがいらっしゃると思います。

もちろん実際に大変な思いをされているし、さらに兄弟間での争いが多いと聞きます。

兄弟の中で誰が介護をするんだ、とか、お金は誰が出すんだ、とか。

 

先日介護のプロの方に話を聞く機会があったんですけど、

どんなに手を尽くしても、その人の死後、

「ああしてあげればよかった」

「あの時こうしていれば」

と、どんな人でも必ず悔やまれるんですって。

どんなに尽くしても尽くしても、もっとできたんじゃないか、と。

だからこの介護のプロの方がおっしゃるには、

「どれだけ頑張っても結局最後はみなさんそういうふうに思われるんで、

大切なのは、介護をする人が、その人のお世話をしてあげたいかどうかです」

要介護者の方に寄り添って、最期まで関わって看取ってあげたいかどうか。

その気持ちがあれば、必ずなんとかなるし、お金だってできる範囲内でなんとかなる。

20年以上、数えきれない人たちの相談に乗ってきて、

みんななんとかなってる!

と言って笑っておられました。

どんなに尽くしても「ああしてあげればよかったかなあ」と

思ってしまうものなのだったら、イヤイヤやるより積極的に関わって、

その人との時間を大切にした方が、介護者自身のその後の人生にも繋がるって。

 

私は、この時姉が言ったことを思い出しました。

その人との最期の時間を与えてもらって幸せだ、という考え方。

むしろ感謝している、という考え方。

 

自分の姉ながら、すごい、と思いました。

ちょっとガツーーーーンと喰らいました。

自分が東京と実家を往復していることを大変だと思ってしまっていたことを、恥じました。

 

全てのことに感謝して、

全ての人に感謝して、

お世話になった人には尽くして、

幸せを感じて生きていきたいと思いました。

 

明日もみなさんにとって、素敵な1日になりますように。