2022年12月6日 朝
歩けない小太郎だけど、バギーに乗せて近所を散歩するのが、朝の日課だった。
やはり、外気にあたると、気分転換になるのか、目つきが変わる。 その瞬間が好きだった。

 
でも、そんな事も無くなったな。

嫁さんが、小太郎が好きだった、白米のおにぎり、卵焼きとキュウリでお弁当を作っている。

旅行用に買った、ドライブボックスに火葬場までの移動の用意をする。
ウチに来た時に、ホームセンターで買ったブランケットを敷き、その上に小太郎を横たえ、天国まで持っていくボールやお菓子、大好きだったミカン、そしてお花。

 

この所、病院の生き返りは、バギーに載せたまま、車に積み込んでいたけど、今日は最後のドライブだから、座席に乗ろうね。 家族で最後のお出かけです。 30分くらいだけど、長いような、短いような不思議な時間。

 

火葬場に到着、短いセレモニーの後、炉に移す準備をするので、控え室でご休憩下さい。 10分20分で、用意が出来たと呼ばれ、炉の前に移動すると、ドライブボックスから出された小太郎が横たわっていた。 副葬品も回りに綺麗ならべられて、ミカンは皮が剥かれて、4つに割られていた。 係りの人の慈しみの心を感じた。 ホントに最後のお別れで、冷たくなったモフモフに触れながら、感謝の念を送った。

合掌して、炉の蓋が閉じられ、バーナーの点火スイッチが入れられた。 

 

一時間半後、真っ白い骨だけになった小太郎が帰ってきた。

 

係りの人の説明で、具合の悪い部分は、黒いシミがプレートの上に残るとの事で、小太郎はお腹の部分に黒いシミが残ってた。 腎臓か肝臓ですか?と、聞かれて、膵炎でしたと答えた。 骨の説明を受けて、骨壺に入れていく順番を押してもらいならが、最後にノドぼとけを入れるとの事。

 

人の場合は、立って歩くから足から頭までを順番に入れていくが、四つ足の動物は??? ノドぼとけを最後???

色々、疑問点がありましたが…

 

ちっちゃくなった、小太郎を家に連れてかえりました。

お疲れ様、ありがとう

 

続く

 

 

まだ暖かい。

でも、息していない。

命が無くなる瞬間に、家族全員がいた。

それはそれで、幸せな事だったのかな?

 

小太郎、よく頑張ったな。

もしかしたら、無理に寿命を延ばしたのかな。 

 

最後の眠るように、息を引き取る事は無かったね。

しんどかったね。 ごめんね。 ありがとうね。

 

涙があふれてくる。 

寂しい気持ちもある。

長い介護生活が終わる安堵感もある。

 

目の前に息をしてない、小太郎がいる。

とりあえず、必要最低限の措置をしないと。

カット綿を、お尻と耳に詰める。

後は口だ。 口を開き舌を見た。 

あの瞬間から、30分しか立ってないのに、舌が灰色だ。

ホントに死んだんだと、嗚咽してまった。

 

ドライアイスを買いに行き、身体にあてる。

大好きだった毛布を掛け、一緒に遊んだボールを置き、

大好きだったミカンをお供えして、ロウソクを灯し線香を立てた。 

 

火葬場の予約をいれ、明日の14時から決まった。

 

容態が変わる事を心配して、数日はビールを飲まなかったけど、今日は気兼ねなく飲むね。 それぐらいいいよね。

お通夜だもんね。 サッカーもあるしね。

そういえば、ゴールの瞬間に私が叫ぶと、小太郎もうるさかったね。 でも、今日は静かだわ。 日本も負けたしね。

残念だったよ。 PKだったからね。

 

じゃぁ お休み。 明日で本当にお別れだね。

 

続く

 

 

2022年12月4日 日曜日

 

朝ご飯は食べない。好物のヨーグルトを口に運ぶが舌も動かない。 主治医の開院時間に合わせて、病院に急ぐ。

小太郎を載せて通院する。その今では当たり前の時間。

これが最後になるとは、思いもしなかった。

 

救急病院から貰った、診断書を受付に提出して順番を待つ。この時は、目をきょろきょろさせたり、他の犬の声に多少反応はしていた。 

 

順番が来て診察室へ。

熱を測ると、40℃近くある。 

口を使わないので、鼻からカテーテルを入れてもらい、前足に留置針を刺す。 入院はさせたくないので、また、リパーゼの数値が下がるまで通院だなぁ。

 

ブレンダZとステロイド剤を注射してもらい、点滴も入れた。 低脂肪のドリンクフード6本、シリンジも5本

金曜日貰った薬は夕方に飲ませて下さい。と指示を受けて

帰宅。

 

明日から、また忙しい日になるなぁ。

早めに寝ましょうと、小太郎と寝室に入って最後の夜を

迎える。

 

2022年12月5日 午前3時 嫌な臭いで目が覚めた。

下血だ! 小太郎の息は浅い。 とりあえず、自分のベットにペットシーツを敷き、小太郎を抱き上げて移す。

介護がしやすいように、ベビーベットを使用していたので、下血の付いたシーツをとり、便と血の塊を片付けるいると、嫁さんが起きて来た。 状況を伝えて、綺麗にしたベビーベットに小太郎を戻す。 嫁さんは小太郎の前脚を握って、励ましている。 小太郎を移動させた時に、血の塊が落ちたので床や、家具を拭き取った。 

1時間程すると、小太郎も寝たようなので、私たちも再び眠りに落ちた。 今、思えばこの時、既に意識が無かったのかもしれない。

 

6時前に目が覚めた。 

小太郎は息をしている。良かった、まだ生きている。

しかしどうしよう。これだけ大量の下血をして、病院に連れていく事も出来ないか。 輸血も必要だよな。 会社も休もうかな。 色々と考えを巡らせていると、嫁さんが朝食の準備をしてくれた。 小太郎には、皮下点滴入れ始める。

7時には朝食を食べ終わって、嫁さんが小太郎の枕元に移動して、点滴の様子を見に行くと、小太郎が、身体を上下に動かして痙攣、嘔吐を始め、また、下血が始まった。

今度は、真っ黒な液体だった。 私も小太郎の傍らに行き、心臓に手をやり脈をみる。 弱い。 小太郎の目を見ると、白内障のように真っ白だ。 やばいやばいやばいやばい。

心臓マッサージをしながら声を掛ける。 もうダメだぁ。

息を吹き返しても、何も出来ないじゃないか。 

楽にしてあげた方がいいのか。

いや、まだ一緒に居たい。

いろんな、思いが交錯する .......

 

2022年12月5日 午前7時20分 心臓が止まった。

 

続く