今日は私の誕生日なのよ!
82歳になったのよ!!
年を重ねた女性というより、どちらかというと少女のような表情で、お客さんが昨晩そう告げてきた。
そうだ、そういえば彼女には、ヘンな感染症のせいで2年くらいは会ってなかったな・・・
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誕生日を何よりも大事にする習慣を持つドイツ人ならではの会話あるある。
自分から言わなければ80歳オーバーだとは誰も思わない。
姿勢はまっすぐ。顔にシワなし!
美しい人です。
どんなお手入れをしているのですか?と、まあいわゆる営業トーク的に質問をしてみた。
顔には一番自分に合うクリームをぬることが大事よ!と。
いろいろ試したそうです。その中でいちばん肌に合ったものを、以来ずっと使っているそうです。あとは保湿は大事と力説していた。
太極拳にジムと運動も定期的にやっているそうです。
すごいな~
尊敬します。
やっぱり、何かを楽しく続けていくのが一番なんだな。
その積み重ねが、大きな喜びにつながるということかぁ。
すると、ふとその人は自分のことをチラッと語ってくれました。
すごくキレイで、生活の余裕もしっかりありそうで。
きっとよき伴侶に恵まれ、子供や孫に囲まれて暮らしているんだろうなと勝手に想像していた私。
でも彼女が語った内容は、私の予想を大きくはずれていた。
生涯一人で過ごして、子供もいないのよ。
と、ちょっとか弱い声でそう言うではありませんか。
ええええっーーー?
ごめんなさい。勝手に想像して、しかも見た目で決めつけて。
彼女は82歳で美しく、背筋はピンと伸び、実年齢よりもはるかに若く見えるし、趣味や娯楽を楽しむ余裕が充分にある。
だけど今に至るまで、誰かに頼ることなく一人強く自分を貫き、この旅を続けるうちにどんどん大きく重くなていくスーツケースを自分の力でずっと運んできたんだなぁ。
すごいな。
その人が帰ったあと、なんだか泣けてきて、泣きました。
トシのせいかこの頃、涙もろくなって・・・
がんばったんだなという思いと、これからもずっと元気でいてほしいという願いと、人が秘かに抱える孤独と、欲しかったけど手には入らなかったものへのくすぶる思い。
いろんなものが一気に襲ってきて。
どんな人にもいろいろなできごとがあるんだと、わかりきったことをすっかり忘れていた。
これからは、腹が立つことがあっても、その人の人生に対して尊敬する気持ちを少しだけ、隠し味のスパイスのようにパッパーとふりかけよう。
(たまに信じられないくらい失礼な人がやってくる)
彼女の旅の重いスーツケースの中は、開けるのもいやというようなもので一杯になっているなんてことはなくて、きっと何度も開けてはその中身を愛おしくながめるもので満たされているに違いない。
どうか、もっともっとそんなもので一杯になりますように。
来年の1月23日にまた、おめでとうございます!と言えますように。
これからもずっとやりたいことをやって、最後までとまらない!
そう言った顔は、きりっとしてホントに美しかった。
私も、そうありたい。
そんな彼女にぴったり
1/25 追記
1月25日は、THE RAMPAGE デビュー 記念の日だと知りました。
おめでとう!!