昨年もそうだったけれど、今年の萩往還でも、わたしはよくおしゃべりしました。
一人目は、スタートの時ご一緒した京都からの小柄なおばあちゃま。
お知り合いに誘われての初参加で、とても緊張なさっている様子。それで、「大丈夫、きっとゴールできますよ♪」と励ましたり、笑わせてみたり。なのに、道中では何回か追い越されてしまいました・・・^^;)。
続いては、六件茶屋までぴたっとペースの合った、東京のOLさんらしい女性。
瑠璃光寺出発してすぐから、ペースが合ったので、「まぁ、はるばる東京からようこそ!」と、声をかけてみました。「初めてですか?」「いえ、去年は誘われて140にでたんですよ」「わ~~すごい!!」そんな話しをしているうち、すっかり仲良しになってしまいました。
この方とは、抜き抜かれつでしたが、出会うたびにおしゃべりしました。わたしが、「このペースでも全速力なんですよ~」というと、「いえいえ、いい感じですよ!」と励ましてくださるし、長い坂で転んだときには、駆け寄ってきてくださった。それに加えて、140の時の体験談とか、他のレースの様子などもお聞きできて刺激になりました。
他にも短い時間ならおしゃべりした人は数知れずでした。
追い越されるときにはあっという間ですが、自分が誰かに追いつくときにはゆっくりです。なので、抜いてしまうときには、大抵しばらく並走しながら、話をして離れました。
すれ違うAのランナーさんの中には、疲労の色が濃く、お声をかけるのもはばかられるような殺気をただよわせていらっしゃる方もおられましたが、その方にも熱い視線とハートでエールを、元気な方には、声をかけながら、手を振ったり、ガッツポーズをしてみたり、いろんな挨拶してきました。
そんな中で、おひとりだけどうなったのか心配な男性がいらっしゃいました。
佐々並までの下り道で一緒になった赤いウエアの男性。しばらく話しながら下っていたんですけど、早すぎてついていけなかったので、「わたしは遅れますから、先に行ってください」と、お願いしてわかれたのです。
自分はゆっくりしか走れないので、一度離れてしまうと、大抵追いつくことがありません。
でも、その方には、佐々並の先ののぼり坂で、脚を傷めて苦しんでいるところに追いついてしまいました。思わず脚がとまり、声をかけてみる。「どうされました・・?」「痙攣をおこしてしまって・・」見れば、がっちりした脚がつって痛痛しく、とても見ていられないほどです。
「ここからだいぶありますか?」とおっしゃるので、「明木に向かうより、佐々並にくだって戻った方が近いですよ」「少し休んで・・・」と助けにもならない答えをする。
苦しんでいる人を目の前にして、なんの手助けも出来ない自分でした。わたしには、大きな男の方を支える力はなく、、手当てするすべも知らない。どうしようか・・・迷う。携帯は自分が持っていないので、電話するという選択肢が浮かばないおろかさ。そして、しばらくは立ち止まっていたものの、どうすることもできず、立ち去ってしまった自分でした。あの後、どうされただろうか。わたしの後にも、たくさんの人たちが通りかかったことでしょうが、もしも、皆がわたしのようであったなら、彼はどれだけ失望しただろうか。
今、思い返してみれば、あのまま一緒にいて助けを待ってあげるなど、やるべきことがあったかもしれないと思います。先を急いだ自分が悔やまれます。自分は、走りながら、その時々一生懸命にランナーを励ましていたつもりだったけれど、そんな事より、傷めていたあの人をもっと助けてあげるべきだったと思います。
だれもが完走したいです。できれば、少しでも早く。
来年、願わくば、このような場面に出会わないことを祈ります。自分はとても弱いから。でも、出会うのなら、中途半端に立ち止まるだけじゃなくて、もっと力になれる自分になっていたいです。