静岡県東部で弁護士をしています。
ひとりごとのように色々なこと、主に法律関係のことを書いていこうと思います。
飽き性なので、いつまで続くか分かりませんが・・。
初回は、国の最高法規である「憲法」のことについて。
憲法とはどのような法律でしょうか。
憲法は、大学で法律を勉強するとき、一番初めに勉強する法律です。
みなさん、小学校や中学校で憲法のことは習いますので、法律に関心がない人でも、憲法というものの存在については何となく知っていると思います。しかし、「憲法って何?」と聞かれたとき、上手く答えることができるでしょうか。
憲法は、国の「最高法規」と言われています。平たく言えば、国の法律の中で一番えらい法律なのだということです。
憲法とは、簡単に言ってしまえば、国民の権利を保障し、国家権力を縛るものです。
法律というと、違反すれば罰せられるというように、我々一般国民の行為を制限するものです。しかし、憲法は国民の行為を制限するのではなく、国家権力を縛り、国家権力の行為を制限するものです。ここに憲法の大きな特徴があります。
このように、憲法は国の最高法規として法律の頂点に存在して国家権力を制約しますから、憲法に違反した内容の法律は効力を有せず、無効となります。こういった意味で、憲法は国の最高法規であると言われます。
イメージ的には、憲法が一般の法律の頂点にあり、その下に一般の色々な法律が存在するという感じです。
ここで、「憲法がなくても、普通の法律で国民の権利を保障して国家権力を縛ればいいじゃん」と思うかもしれません。
では、憲法がなかった場合を想定してみましょう。法律は、国会がつくるものです。国会議員の一定数の賛成があれば、法律は制定、改正が可能です。つまり、法律の制定、改正を自由に国会に許してしまえば、国会でいかようにも国民の権利を制限することができることになるわけです。
例えば、極端な例ですが、「政府を批判する報道をしてはならない」という趣旨の法律ができた場合、国民は、政府のことを批判するような発言ができなくなり、政府は何をしても国民から文句を言われませんから、批判をおそれずにやりたい放題できることになってしまうのです。
現在の日本国憲法は、表現の自由を人権として国民に保障しています。上記のような趣旨の法律は、この表現の自由を定めた憲法の条項に反しますから、効力を有しないのです。このように、憲法が最高法規として存在して国民の権利を保障しているからこそ、国家権力に歯止めをかけて国家権力の暴走を防ぐことができるのです。ここに憲法の存在意義があります。
ただ、憲法があっても、その改正が簡単にできてしまうようであれば、あまり意味がありません。例えば、国会で憲法改正が容易にできるようであれば、憲法の存在する意味はあまりなくなります。
そこで、憲法は、憲法自身が容易に改正することができない仕組みをもっています。具体的には、憲法には、憲法改正のためには、国会が憲法改正を発議して、さらに国民投票による賛成を得ることが必要だと定められています。
つまり、国会が憲法を改正したいと考えた場合、まず、憲法改正の発議をして国民に提案し、国民投票を実施して、国民投票で一定数の賛成を得なければなりません。
ちなみに、現在の日本国憲法は、このような改正のハードルの高さゆえ、制定以後、一度も改正されたことはありません。
このように、国民の権利を保障し、国家権力を縛る役割をもった、容易に改正できない憲法という法律が法律の頂点にあることによって、国民の権利を守り、国家権力の暴走を防ぐことができるのです。
次回は、憲法に違反した法律が無効とされた事例を紹介したいと思います。