天気の良い日曜日、モロミとティーがカメ子を迎えに家までやって来た。
めずらしく用意に手間取ってるカメ子に代わって僕とお母さんが玄関で二人を出迎えた。
お父さんは日曜なのに仕事で朝早く出て行ったので今日の朝は三人だった。
「カメちゃ~ん、来たわよ~」
「は~い」
今日はモロミに誘われてティーとカメ子と三人でパンケーキを食べに行くんだって。
何でも有名なパンケーキのお店が近くに出店してきたんで早速三人でってことらしい。
そんな有名なお店のパンケーキなら僕も食べてみたいけど今日は女子会なので僕と吾一は誘われなかった。
モロミが写真撮ったら送るからだって。
写真じゃ味はわかんないよ。
お母さんが呼ぶと返事はするけどなかなか出てこないカメ子。
「ごめんなさいね。 二人が来る時間わかってるのにねぇ。 でも、本当ひさしぶりねぇ。 また逢えて嬉しいわ」
「はい、ご無沙汰してます」
ちょっと照れたように、でもあの時とは違い自信をもってお母さんを見つめ返事を返すティー。
モロミはチョクチョクうちにやって来るけどティーが来るのはあれ以来。
そんなに時間がたったわけではないけどお母さんは問題を抱えていたティーの事を心配と言うかあれ以来気にかけていた。
僕も何かある度に逐一話はしてたけど、二人が実際に顔を合わせるのはあの日以来でティーと呼ばれるようになってからは初めてだった。
「今学校ではティーって呼ばれてるんです」
「うん、聞いてるわ。 可愛い名前ね」
「はい、クラスのみんながつけてくれたんです」
「本当によかったわね。 あたしもね、あの何日か後にあの時うちで話をしたタカが家に来てくれたのよ」
「丸男君から聞きました。 すごく綺麗な方だって。 それにご結婚の事も。 よかったですね。 うちの両親にも話をしたんだですが二人ともすごく喜んでました。 特にお父さんが自分の事みたいに喜んでました」
お母さんとティーが玄関で話してる所に士郎君が吾一と一緒にやって来た。
士郎君も吾一もコロの事を気にかけよくコロの世話に来てくれるんだけど、二人一緒は珍しい
「あら、二人一緒なんて珍しいわね」
「コロの所に行こうと思って歩いてたらそこの公園の所で偶然会って、ちょうど士郎君もコロに会いに行く所だっていうので一緒に来ました」
「吾一君と士郎君はモロミちゃんたちと一緒にはいかないんでしょう? だったら丸男もいるし良かったらゆっくりしていって」
そんな事を話してるうちにようやくカメ子が出てきた。
「ごめんなさい。 何着ていこうか迷っちゃって」
「気をつけてね。 あまり遅くならないように帰って来なさいよ」
カメ子とモロミとティーはお母さんに送り出されて楽しそうに出かけて行った。
3人が出掛けた後に今度はホアさんがやって来た。
今日はアルバイトの日でコンビニに行く前にカメ子の顔を見に寄ったんだって。
ちょうど出て行った後の入れ違いだったので残念がってたけど、カメ子たちは新しく出来たパンケーキ屋さんに行ったんだと話すとホアさんもそのパンケーキ屋さんの事は知ってて羨ましがってた。
僕が今度ホアさんも一緒に行こうよと声をかけると、吾一が「だ、だったら、お、俺も一緒に行くよ」だって。
緊張気味に言う吾一の顔が可笑しかった。
そしてホアさんが帰った後、僕達3人もコロの散歩に出かけた。
次から次へと人が来て賑やかな日曜日の朝。
サチコがそんな心地よい余韻に浸っていると隣の家から人が出て来た。
「菱形さんのお宅は色んな方がいらして本当いつも賑やかですね」
「あ、どうもすみません。 うるさかったですか? 気をつけます」
「違うの、違うの。 そう言う意味じゃないのよ。ごめんなさいね変な言い方しちゃって。いつも羨ましいなと思って見てるんですよ。 うちはもう10年も前に主人を亡くして私一人で子供もいないし、うちでの話し相手と言ったら猫だけなもんでね」
話しかけて来たのは丸男の家の隣に住む桃田のおばあさんこと、桃田ミヨ。
通称猫のおばあさん。
詳しくい事は誰も知らないが噂では家に猫をたくさん飼っているという事で、いつしか近所の人達はコッソリと猫のおばあさんと呼ぶようになった。
その飼ってる猫の数というのは人によってはまちまちで10匹以上という人もいれば、20匹だ30匹だという人もいて実際はどれだけ飼っているのかは誰にもわからなかった。
サチコもその噂は知っていたので話し相手が猫だけと言う事に納得した。
「そうそう、桃田さんのお宅では猫ちゃんを飼ってらっしゃるんですよね。 うちも最近犬を飼いはじめたんですよ。でも猫ちゃんも可愛いですよね。 桃田さんのところではたくさん飼ってらっしゃるんですよね?」
「今は2匹しかいませんよ。 おばあさんと猫2匹の暮らしです」
おばあさんはちょっぴり悲しそうに言った。
お母さんはおばあさんが見せたちょっぴり悲しそうな表情より、飼ってる猫の数を聞いて驚いた。
「えっ、2匹? 2匹だけなんですか?」
あの猫のおばあさんが2匹しか猫を飼ってないと聞き、つい「2匹だけ?」と 聞き返したサチコ。
驚きのあまり何も考えずに口から出た事で少し気まずい感じがした。
「驚きますよね。 猫のおばあさんなのに2匹しかいないなんてね」
今度はちょっぴり笑顔を見せて言った。
そしておばあさんは気まずそうにしてるサチコを見ながら自分が周りでどう言う風に呼ばれているか知ってるようで話を続けた。
「いいんですよ。 気にしないでください。 ご近所のみなさんが私のことなんて呼んでるか知ってますから。それに私は猫のおばあさんて呼ばれ方わりかし気に入ってるんですよ」
怒ってるわけではないのはわかったが、サチコはなんて言っていいかわからなくて簡単な相槌を返すことしかできなかった。
猫のおばあさんと呼ばれ始めた頃は確かに多く飼っていて、多い時には10匹以上飼っていたけど、あまり多いとご近所にも迷惑をかけるんじゃ無いかとか、自分が死んだ後の事とか考えるとそう多く飼うこともできないと思い、なんとか里親を見つけてほとんどの猫を引き取ってもらい、今は年老いた猫2匹と暮らしてるんだって言うことをサチコに話してくれた。
それまでも顔を合わせると挨拶くらいはしてたが、隣にたった一人で住んでる猫のおばあさんの事をあまり詳しく知らなかった事をちょっと寂しく思った。
しかしサチコは ”2匹だけ?” なんてつい口から出てバツの悪い思いもしたが話してるうちに猫のおばあさんの優しい人柄を感じた。
「そうだ。 大した物は無いですけどもし良かったら今度うちで女子会なんてどうですか? あ、そうそう今日もうちのカメ子がなんか有名なパンケーキ屋さんが出来たからって友達と行ってるんですけど今度一緒に行きませんか?」
「ありがとうございます。お呼ばれされれば喜んでご一緒させていただきます」
猫のおばあさんは女子会やパンケーキにはピンと来ないようだったけどはにかむような笑顔で答えた。
その笑顔を見てサチコはさらに心地よい気持ちになった。
そこへ丸男がコロを連れ一人で帰って来た。
「あら、一人なの?」
「うん。吾一は用事を思い出したって言って帰っちゃったし、士郎君は途中で友達にあってそのまま遊んで行くからって」
「あ、そう」
これだけのやり取りだったが、丸男には母サチコが何か嬉しそうなのがわかった。
自分達がいなくなってからなんか良い事でもあったのだろうか。
丸男はその理由を二人でお昼を食べながら聞いてみた。
「どうしたの? なんか嬉しそうだね」
「わかる? お母さんにも新しいお友達ができたのよ」
「新しい友達? へぇ、誰? どんな人?」
「お隣の桃田さんよ。 今まで挨拶くらいしかしなかったけどあなた達が行った後、玄関先で少しお話ししてたの」
「えっ、隣の桃田さんて、猫のおばあさんの事?」
「そうよ。あの 猫のおばあさんがお母さんの新しい友達よ」
それからサチコは猫のおばあさんから聞いた事を丸男に話した。
10年くらい前におじいさんを亡くされてから一人で暮らしてる事。
今は話し相手が猫が2匹だと言う事
猫が2匹と聞いて驚いて聞き返し気まずい思いをした事。
今度食事に誘う話をしたらちょっぴり嬉しそうにしてくれた事。
隣に住んでるのにあまり詳しく知らないでちょっぴり寂しく感じた事。
話を聞くと色々複雑な心境になったが、やはり丸男が一番の驚いたのは猫のおばあさんの所に猫が2匹しかいないって言う事だ。
これは驚きと言うか本当に意外だった。
そして自分がその場にいてもお母さんと同じように聞き返したよと言った。
丸男にしても猫のおばあさんと会えば挨拶くらいはしていた。
しかし今サチコから聞いた話は全然知らなかったし、10匹以上飼っていた猫を自分が死ぬ時のことを考えて里親を探したって話はちょっと悲しい感じがした。
そう感じたままをサチコに話すとサチコはいい加減な気持ちで犬や猫を飼う事なんてできないのよと言った。
丸男は確かにお母さんの言う通りいい加減な気持ちで犬や猫を飼うなんてだめだとコロの事を思いながら自分の気持ちをひきしめた。
でも歳をとると生きる事だけじゃなくて、自分が死ぬ時の事も考えなきゃいけないなんてどういう気持ちなんだろう。
丸男は歳をとるって大変な事なんだなと思った。
今まで猫のおばあさんにちょっと怖そうなイメージを持っていた丸男だったが、サチコの話を聞くとなんだか可愛らしい人だとイメージが変わった。
そして次会ったら挨拶だけじゃなく何か話してみよう。
丸男はそう思った。
しかし珍しくサチコと二人きりの昼食だというのにまさか猫のおばあさんの話をしながら食べるなんて思ってもみなかった丸男はこのゆっくり流れる様な時間がとても心地良かった。
「どうしたのよ?」
サチコにそう言われると、丸男は何でもないよと笑顔を返した。
お昼を食べた後、僕はテレビの部屋で残っていた宿題をかたずけていた。
そこにカメ子がえらくご機嫌な感じで帰ってきた。
「ただいま~。 はい、おみやげ」
カメ子は小さな持ち手のある箱を僕に差し出した。
中には普通より少し大きめで思わず食べるのがもったいなと思う様なカラフルで可愛らしいカップケーキが入っていた。
今日行ったお店はパンケーキの他にカップケーキも有名で、お店に来店するほとんどの人が買って帰るらしい。
ティーとモロミが買ってるのを見てカメ子も買ったんだって。
肝心のパンケーキも評判通り美味しかったそうで、カメ子は今度お母さんも一緒に行こうと誘っている。
次行くときは僕も一緒い行くよと言いながらカメ子のおみやげのカップケーキの箱をのぞくとカップケーキが五つある。
うちはお父さんお母さんそして僕とカメ子の四人なのに。
「あれ、なんで五個あるの?」
「どれどれ、あ、ホントだ。 カメちゃん数間違えちゃったかな」
「間違えてないわ。この数だけ買った方がいいと思ったの」
数は間違えてないと言うカメ子。
少なかったら問題だけど多い分には困らない。
「ま、いいよ、残ったのは僕が食べてもいいし、カメ子と半分づつにしてもいいし」
なんで一つ多く買った方がいいと思ったのかは分からないけどせっかく買ってきたんだしさっそく頂くことにした。
とりあえず僕とお母さんとカメ子で食べたいものを見た目で選び一人づつカップケーキを自分の分として箱から取り出した。
残ってるのは二個。
後はお父さんがどちらかを選んで余った方は僕が頂きます。
そう思ってるとお母さんが、そうだ、と何かひらめいたように
「これ一つ隣の桃田さんのおばあさんに持って行ってあげましょうよ」
「えっ、カップケーキ一個だけ持って行くの? 友達になったから? いいんじゃないそんなことしなくても」
僕がそう言うとお母さんはそうかなぁと首をひねった。
別に僕は自分が食べたいからってわけじゃなくて、今日初めてゆっくり話ができたからと言って、これ一個だけ持って行くってのもどうかなって思ったから。
「隣のおばあさん? みんなが猫のおばあさんって言ってる人でしょ。お母さんの友達なの? じゃあ、あたしが持って行くわ」
カメ子はいつもマイペース。
自分の分は取り分けたし、ま、いいかと思ってるとカメ子は残りのカップケーキ二つのうちから一つを選びそれを皿にのせた。
「丸男も一緒に行きましょうよ」
「僕も?」
「そうね。行ってきなさいよ二人で。お話しすると素敵な方よ」
確かにお母さんの話を聞いて興味は出たけど、初めて訪ねる家にカメ子と二人でカップケーキ一個持って 「はい、お土産です」 ってのも恥ずかしいような気もした。
しかし、行くと決めたら行動が早いカメ子。
皿の上のカップケーキに軽くラップをかけてもらい一人で玄関までスタスタ行ってしまう。
仕方なく僕もその後をついていく。
ピンポ~ン
チャイムを鳴らすとすぐにドアの向こうから声がした。
「はーい、 ちょっとお待ちくださいね」
奥から歩きながら声を出してるようだ。
廊下を履物ですりながら歩いてるのがわかる。
おばあさんはドアを開け僕たちを見ると、一瞬、”まぁ” と言う感じで、突然思ってもみなかった人と会った時の様な反応をしたけど、語りかけてくる口調はとても優しかった。
「あなたは丸男君よね? そしてあなたは確か、カメ子ちゃんね? 今日はどうしたの?」
「そう。 あたしの名前はカメ子、カメムシのカメ子。 猫のおばあさんこんにちは。 猫のおばあさんはお母さんの友達なんでしょ? お母さんの友達にあたしが買ってきたカップケーキを持ってきたの」
なんともカメ子っぽい話し方だけど、初対面の人にちゃんと自己紹介と挨拶をするのはきっとお母さん仕込みの礼儀作法だと思う。
お母さん先生との授業で覚えたことがここでも生きてる。
でもまさか本人を目の前にみんなが陰で呼んでいる猫のおばあさんって ”どストレート” に言うとは思わなかった。
「あら、お友達だなんて言ってくれてるの? うれしいわ。それにこれも、これいただけるの?」
「そう。一つ多く買ってきたの。猫のおばあさんの為に」
「あら、あたしの為に? 嬉しいわね。可愛らしくて食べるのが勿体ない気がするけどありがたくいただきます。カメ子ちゃんありがとう」
おばあさんの為に?
カメ子も随分いい加減だなと思ったけど、流石にこの場では否定できないと思って僕は黙っていた。
おばあさんはお皿を受け取ると 「ちょっと待っててね」 といい奥に入っていった。
きっとケーキだけ他へ移しお皿だけ返してくれるためだろうと思っていたらおばあさんはうちのお皿に茶色い粘土の様なものを付けたキュウリとニンジンを2本づつのせて渡してくれた。
「ケーキとじゃ全然違うし、若い人の口にあわないかもしれないけど、うちにはこんな物しかなくってね。 もしよかったらこれ召し上がってみて。丸男君もカメ子ちゃんも」
野菜を載せた皿は僕が受け取った。
カメ子は野菜についてる茶色い粘土の様なものを指でつまみ臭いをかいだりしている。
「これは何?」
「これはね、糠漬けって言うお漬物よ。うちにはねぇもう何十年も使ってる糠床がああるの。これはあたしが漬けてるのよ」
「ぬかづけ? これが? 変な臭いねこの茶色いの。食べ物なの?」
「そうよ。この茶色いのは糠って言ってね、これを水で流して食べやすい大きさに切ってもらって食べるの。ちょうど食べ頃だと思うわ」
「ふ〜ん。わかった食べて見る。どうもありがとう猫のおばあさん」
「こちらこそわざわざありがとう。 お母さんにもよろしくね」
最後まで猫のおばあさんだった。
糠の臭いをかいで変な臭いとか、食べ物なのとか横にいて気が気じゃなかったよ。
でもおばあさんは気を悪くした様子もないしとりあえず良かった。
カップケーキ一つで話は膨らまなかったけどおばあさんの優しい話し方は思ってた以上に感じが良かった。
おかあさんが新しい友達ができたって喜ぶのも少しわかる。
家に帰っておばあさんからもらった漬物をお母さんに見せると、おいしそうと言いながらも、逆に気を使わせたりして申し訳なかったかな、とちょっとしょんぼりした。
カメ子はそんなお母さんを見て 「そんなことないわ、猫のおばあさんも喜んでたもん」
そうだ、カメ子は初めから最後までおばあさんの事、猫のおばあさんって呼んでたんだっけ。それに糠の事も変な匂いだって言ったり。
言いつけるわけじゃないけど一応お母さんにも話しておいた。
「変な匂いは仕方ないわよ。それと猫のおばあさんって呼ばれ方は気に入ってるって言ってから気にすることないんじゃないかしら、でも次からは ”猫の” はいらないかもね」
カメ子は 「は~い」 と返事をすると糠漬けに興味津々と言う感じで、「これ食べてみたい」 と皿の上のキュウリをがっつり握って言った。
最近はちゃんとした食べ方ができるようになったが、初めてサラダを食べた時の事を思い出したのかお母さんはキュウリを握るカメ子を見て慌ててカメ子がそのまま口に入れるのを制する様に早口で言った
「それはそのまま食べるんじゃないのよ」
「水で洗ってから小さく切って食べるんでしょ? あたし知ってるわ。」
カメ子はおばあさんに聞いた通りの事を得意な感じでそう答えた。
慌てるお母さんと、得意になってるカメ子のやりとりがなんともおかしくて僕は一人で笑ってしまった。
お母さんはキュウリとニンジンをそれぞれ1本づつを切りお皿に盛った。
お皿に盛られた漬物をまじまじと見て匂いをかいだりしてるカメ子。
うちではあまり食べないものだ。
僕もおばあちゃんの家でくらいしか食べた記憶がない、と言うか興味を持って漬物に接したことがない。
カメ子はまずキュウリを一切れ、次にニンジン一切れを口に運んだ。
「すごくおいしい。同じ野菜なのにサラダとは全然違う」
「そうね。 お漬物にすると同じ野菜でも全然違うわよね」
そう言いながらお母さんもキュウリを一切れ口に運んだ。
「ホント良い漬かり具合ね。丸男も食べて見たら」
僕もキュウリを一切れもらった。
あまり食べ慣れてないものだからどうかと思ったけど、確かに味が染みててすごく美味しい。
カメ子はとても気に入ったようで食べる手が止まらない。
あっという間に皿にのっていた漬物がなくなった。
カメ子はまだ食べ足りないと言う感じだったけどお母さんが後はお父さんが帰ってからいただきましょうと言って漬物タイムは終了した。
日曜日という事もあるのかお父さんはいつもより早く帰ってきた。
お母さんは今日の出来事を皆で食事をしてる時お父さんに話をした。
お父さんはカップケーキが糠漬けにってわらしべ長者みたいだな、次は何に変わるんだと言って笑っていた。
次の日から猫のおばあさんとのお隣同士の付き合いが始まった。
おばあさんの方もカメ子のカップケーキがとても美味しかった様ですごく喜んでたみたい。
それからカメ子やお母さんがおばあさんの家に言ったり、おばあさんがうちきたりするようになった。
おばあさんはカメ子ちゃんが喜ぶならとあの漬物も時々持って来てくれる様になった。
あの時はその場で適当なこと言ってると思ったけど、今考えると本当にカメ子はおばあさんの為にカップケーキを買ってきたんじゃないかって思う。
カメ子って本当に不思議な子だなと思う。
でもカメ子がいると周りのみんなが笑顔になる。
今日も一日楽しい一日だった。
でも次は僕も一緒にカップケーキ屋さんへ行くぞと思った。