これは新米タクシードライバーの日記です。
独り立ちしていよいよ明日で練習が幕を閉じる。
保証給も外し、いよいよ無線も全てセットし、長時間勤務で自給自足の世界になる。
振り返る
ここ1ヶ月色々試しながらやってきて、何となくだがやり方はわかってきた。
本当に不思議なもので、人間1ヶ月もあればどこにでも案内できるようになるものだ。
あれだけビクビクしながら街を流していたのに、獲物を狙う獣の如く街を流すようになった。
少しは自信がついたということかな
自分と同じ会社に同期がいないため、ただ与えられた試練をこなす毎日だが、未だにこれで食ってけるのかが不思議でもある。無線が入れば暇がなくなるから稼ぐのは余裕になるとのことだが…
目が痛い
この仕事をし初めて特に目を使うことが増えた。
走りながら遠くの人の動きを見ながら走ることなど今までの人生でしたことはない。
この脇見運転を繰り返すうちに気づいたが、信号は直視してないような気がする。視界には入れているが、人ばかり見ている。
こんな目を使うことがないので、目の疲れが半端ない。
頭吹っ飛んだやつ
今日街を流していたら、ホストの宣伝トラックが横につき、爆音鳴らしてこっちに何か吠えていた。
『オラァ!!』とかいってたな
こいつが横に来た瞬間『ついに来たか』と思った。
こいつのことは会う前から知ってはいた。
俺はタクシーやってるツレから今の車両をもらったが、ツレはこいつをゴミのように茶化していたらしい。
車番が同じだからかそいつと勘違いして喧嘩売ってくるトラック野郎
俺何もわるいことしてないのに…
それからはまるで鬼ごっこのようだった
なにも俺は悪いことしてないからタクシーを停め、外に降りるとすぐに消えていった。
『なにあいつ』
とりあえず後1日耐えしのげば俺の取り分だ。
がんばろ