最近顧問先の社長さんや会長さんたちが立て続けにがんに罹患して、その対応に追われています。
癌種は様々で、泌尿器癌の仲間もいればそうでない方もいます。
がん患者の先輩として、そして何より顧問税理士として、治療のための準備や、事業継続のための工夫、死亡リスクも織り込んでの経営アドバイスなど、様々なコンサルティングを行っています。
標準治療とは何かという話から始まり、ガイドラインを印刷してお渡しし、症例数の多い病院を調べたり、実体験を交えてセカンドオピニオンをご提案したりということから、経営上の個別のアドバイスなど、やることは多岐にわたっています。

また、以前からフォローしていたがん治療中の社長さんがいよいよ緩和一本になりそう、ということでそちらの対応にも追われています。
残されるご家族や会社がこれからも何とかやっていけるようにと色々なアドバイスをしながらお手伝いしています。

このようなフォローは以前からそれなりにやっていたつもりではありましたが、自身がステージ4のがんになったことをきっかけに、これまではしっかりとしたコンサルティングがほとんどできていなかったことに気付きました。

社長さんが癌になると会社の経営は大きな影響を受けますが、税務・会計を通して会社と長くお付き合いをしている顧問税理士が知恵を絞ることにより、そのダメージを極力小さなものに抑え、社長さんと従業員さんの生活を守ることができるのではないかと私自身は考えていますし、この二年間の実践を通して手応えを感じています。

最近手術した社長さんには前日に電話して「術後に睡眠薬を必ずもらえ」とアドバイスしておきました。
昨年4月の手術の術後に「睡眠薬はいりませんか?」と看護師さんに聞かれた際に何も考えずに断ってしまい、まったく眠れず朝がなかなか来ないことが苦痛で仕方なかったからです。
全く同じ内容が大橋洋平・著『緩和ケア医が、がんになって』に書いてあったのを見て思い出し、絶対にこれはアドバイスしておこうと思いました。

今なら私自身の治療が一段落しているので個別の事例に時間をかけて対応することができますが、できればこれ以上顧問先の社長さんからがん仲間が増えてほしくないなと思っています。