明日からの臨床腫瘍学会に参加するため前泊で京都入りしています。
せっかくなので少し早めに出て祇園祭たけなわの夏の京を満喫しています。

今回の京都観光の目玉は最強の縁切り神社として有名だそうな安井金比羅宮への参拝です。
崇徳天皇の祟りを鎮めるために建立された神社で、悪縁を断ち新しい良縁を結んでくれるパワースポットだそうです。
祇園の八坂神社のすぐそばという好立地もあり最近は若い人を中心に人気があるようです。


こちらが有名な縁切縁結び碑です。
紙に切りたい縁を書いて糊で貼り付けます。
何ともおどろおどろしいたたずまいです。

癌との縁が切れるよう祈願してきました。
「やまい切り」のお守りも手に入れました。
最近は「がんとの共存」とか「がんと生きる」などとよく聞きますが、やはり私はがんとの縁を切ってしまいたいです。
確かになすすべもなくがんに命を奪われる時代から比べると共存できるだけでも大きな進歩かもしれません。
しかしステージ4のがん患者を1年10か月やった経験から思うのは、がんと縁が切れなかったら仕方がないので命ばかりはと共存するのもやぶさかではありませんが、切れるものなら断然縁を切りたいというのが素直な感想です。

安井金比羅宮の境内には沢山の絵馬がかかっていました。
失礼かなと思いつついくつか見てみたところ、ドロドロした縁切り祈願や御礼の奉納に混ざって「がんか完治しますように」とか「検査結果がよくなっていますように」など、ご自身やご家族とがんの縁切りを願う絵馬が多く目につきました。
神頼みというものは人の願いに祈りという形を与える行為だと思うのですが、縁切りというのは病気そのものがはっきりした現代のニーズに合ったソリューションなのかもしれません。
昔は訳もわからないまま体の不調に苦しんだり亡くなったりしていたのですから、画像や数値で「これががんです」と縁を切るべき原因がわかる現代ならではの神頼みの形でしょうか。

悪縁を断ち新しい良縁を結ぶということで、おみやげ用に「縁切・縁結守」という二個セットのお守りを買いました。

最近は色々なお守りが出ているのですね。


参拝後は祇園祭の行列を眺めながら祇園をぶらぶらし、鍵善でくず切りを食べました。
このお店はかつて妻と新婚旅行で訪れた場所です。
ちょうど真冬の底冷えのする日で、運ばれてきた氷の浮いたくず切りに「思っていたのと違う」と驚きながら食べた記憶が鮮明によみがえってきました。
それはさておき夏の蒸し暑い夕方に食べるキンキンに冷えたくず切りはのど越しも爽やかでとても美味しかったです。

その後四条大橋を渡って予約しておいた鴨川の納涼床で夕食をとりました。
川の上を渡る爽やかな風が涼しかったです。
少しずつ暮れてゆく京都の夏の空を眺めながら美味しいフレンチをいただきました。

明日からの学会も頑張っていきたいと思います。