怒涛のセカンドオピニオンウィークも後半戦です。
今日はセカンドオピニオンではなく、主治医診察です。
先日撮影したPET-CTとDWIBSによる全身検査で他に転移、特に遠隔転移がないかが判明する日です。
ここで一つでも他の転移が出ていたら、ここ最近模索している局所療法は全てゲームオーバーで、キイトルーダによる全身治療一択となります。

診察室に入るまで「絶対どこかに転移がでている」「根治どころかいきなり延命治療しかなくなる」「もしかしたら余命宣告されるかも」などとマイナス思考に陥ってびくびくしていました。
不思議なものですがこの状態だと痛くもないところが痛いような気がして「もしや骨転移?」などとおびえるようになるのですね。
私は午後の一番最後の順番だったようなのですが、前の患者さんが長くて長くて30分以上出てこなかったため、死刑執行を待つようなドキドキした時間が非常に長かったです。

診察室に入ったとたんわかりました。
今日は主治医の先生が明るいです。
のんきにセカンドオピニオンの世間話を始めています。
早く安心したいのでしびれをきらして「ところで転移はどうでした?」とこちらから切り出しました。
結論としては、今のところリンパ節一か所だけの局所再発で、PET-CTとDWIBSどちらにもそれしかないようです。
サイズが1.5cmと大きくなっていることから順調に癌は育っているようです。
それだけは気がかりですが、よそに転移がないということでとりあえず一安心です。

セカンドオピニオンの中間報告をし、今後の治療方針を話し合いました。
やはり主治医の方針は化学放射線療法のようです。
手術よりも化学放射線療法を勧める理由としては①侵襲性②治療の遅れ③予後の三点ほどあるようです。

①侵襲性:
体への負担が手術よりも化学放射線の方が軽くリスクが少ない
②治療の遅れ:
大きくなってきていることからそろそろ治療を始めた方がよいが、手術のための経過観察をしている間や手術までの時間を待つ間に病状が進んで手遅れになる可能性がある
③予後:
いずれも症例数が非常に少なくデータはないが、これまで見聞きした中では化学放射線療法は半々くらいで生き残れるが、手術では切ったことがきっかけとなって急激に悪化してしまうことがよくあり半々よりも悪い印象である

以上のような理由で化学放射線療法をしたいということでした。
もしも手術を希望するということならば、この病院としてはできないので、サードオピニオンでお世話になった先生に主治医から依頼して向こうで手術することになるそうです。


どうして手術をきっかけとして急激に転移巣が出てきてしまうのかと聞いてみたのですが、諸説あるようです。
一つはがんのまわりに集まってがん細胞と闘うことに特化しているリンパ球が手術でがんごと切除されてしまい、警備が手薄になったことをいいことに他の部分にいるがん細胞が暴れだすという説だそうです。
他にも手術の傷を治すために細胞分裂するようにと出された増殖因子を浴びてがん細胞もすくすく育つというものや、手術の時に血管の中にがん細胞が押し込まれてしまうというものなどもあり、色々な仮説が存在しているようです。

主治医が前にいた病院のデータベースでは私と同じ癌種のデータは200人くらいで、その中でも一か所のみのリンパ節局所再発は10人弱くらいだそうです。
本当に症例が少なくデータを取れるという状態にはないようです。
ただ、jinzouさんやtosh1955さん、私と、狭いアメブロ界隈だけでも三人も「リンパ節局所再発」という同じ状況が同時期に存在していることを見ると、おそらく日本中の病院に一例のみの使い物にならないデータとして散在している可能性が考えられます。
2016年に始まった全がん登録のおかげでデータが集積するようになったら状況が変わるのでしょうか。
一日も早くデータに基づく医療が腎盂癌にも来てほしいものです。

 

どの治療法がいいのか、もう少しだけ考えてみようと思います。

切腹して討ち死にするもよし、主治医おすすめの放射線化学療法でいくもよし、重粒子線に腎盂癌のデータを提供するもよしです。

時間との戦いにはなりますが、あと一か所のセカンドオピニオンに行って決めることにしました。