今日はセカンドオピニオン二か所目、いわゆるサードオピニオンに行きました。
主治医の元上司で主治医が「結構イケイケな方」と言っていた先生です。
昨日の強烈なセカンドオピニオンのせいで「今日も根治は無理で延命だけとか言われるのではないか」と気が重かったですが、行ってみると当初の懸念とは真逆でかなり過激な先生で、「こんなものはただの取り残し」と言い次から次へとリンパ節の局所再発の根治療法を検討して下さいました。

「キイトルーダ投与はセカンドラインなのでどうしてもベストサポーティブケア(緩和治療)的になってしまうが、元気なので攻めの治療をやりたいという気持ちはわかる。攻める気持ちある?」と聞かれ「あります」と即答してきました。
付き添いの家族にも「どうせ死ぬならやっちゃえば?」と言われ、攻めの治療をする覚悟を決めました。
先生は「人殺しにはなりたくないんで」とはおっしゃっていましたが結構な過激派でした。

以下今後の治療について聞いた話をまとめてみました。
1.手術
・画像から見ると可能である
・手術によって「寝た子を起こす」状態となり、他の場所に沢山出るいわゆるモグラ叩きになるのが怖いため、しばらく様子を見て、他に転移が出ないのを確認してから手術したい
・通常はGC療法による治療をやって経過を見るが、私のケースではGC療法に耐性が付いたので使えない
・キイトルーダ後に手術を行うというのはまだ研究段階で有効かわからないため使いたくない
・そのため無治療経過観察でしばらく見て何も出なければ手術するという方法がある
・開腹手術をしているので画像の場所的に大腸などが癒着している可能性があるため大腸外科と一緒に癒着を剥がしながら手術する
・もし経過観察中に他の転移が出てきたらキイトルーダによる全身療法に切り替える
・腎盂・尿管癌は症例数が少ないので局所再発の切除手術のデータを100人揃えるということができないためなかなかエビデンスにならない

2.放射線化学療法
・外科的な手法をしないと決めたらこちらをする
・現在主治医に提案されている放射線化学療法は私が通っている病院で膀胱温存のために長くやっている手法で、少ない放射線と少ないシスプラチンでよい成果を挙げられる素晴らしい方法である
・放射線を当てるとその場所はもう一生いじれないので決め打ちとして行う。もう少し様子を見てからすることも勧められる
・放射線化学療法後に再再発した場合は危ないので手術は行わない
・放射線は骨に充てると骨髄抑制が強く出るが、再発した傍大動脈リンパ節に当てるには背骨が避けられないので50Gyくらいしかあてられない。化学放射線療法では40Gyを照射する

3.重粒子線治療
・もしできるのならば重粒子線をお勧めしたい
・腎盂癌のリンパ節転移はデータがないが、大腸がんで同じような部位の局所再発で非常にうまくいっていて、手術と重粒子線のどちらがすぐれているかという研究もあるくらいである
・重粒子線を照射した後の再再発では手術はお勧めしない。大腸がんでは重粒子線を当てた箇所の手術をやっているが非常に大変な手術になっている。しかし死ぬ訳ではないのでできなくはない


結局セカンドオピニオン中では結論は出ませんでした。
何が一番よいのかなかなか決められないようです。
主治医の先生や元居た医局の先生方たちとメールやLINEで相談して結論を出して下さるそうです。

昨日セカンドオピニオンに行った病院ではリンパ節転移の周りにいくつも小さいのがあると言っていたと聞いてみたところ「みんなそう言うんだよね」と一蹴され、また「あの人たちのキャラだから仕方ないけれど…」と前置きした上でエビデンスを盾に簡単に緩和に追いやってしまうのを批判していました。
主治医や今日の先生の医局はドライとは真逆で粘着質で、しつこく突っ込んだ治療を一人一人に合わせてするそうです。

ただ、主治医らの医局の先生方が論文にまとめてガイドラインに落とし込んで出来のいい「標準治療」を作って下さっていたら、多くの同病の仲間たちが早々に諦めて不幸な転帰をとらずに済んだのではないかと思う気持ちもあります。
今日の先生のお話では外には出せないネガティブデータの蓄積もそれなりにあるそうです。
なかなか人数の少ない癌種ではありますが、データを集めてエビデンスを積み上げて、遵守するに値するガイドラインを作っていただければと願わざるをえません。