今日は主治医から連絡があり、来週に予定している再発確定のためのCT撮影を単純撮影から造影CTに変更することになりました。
先月に受けたセカンドオピニオンの先生からのアドバイスで、快諾していただけたようでよかったです。

さて、前回腎盂癌ステージⅣの2年生存率は10%と書きました。
しかしこれは調べてみたところ誤った数値だったようです。
正しい数値は、2005年~2009年に腎・尿路(膀胱を除く)で尿路上皮癌でステージ4と診断された274例では生存率は1年55.2%,2年30.6%,3年22.7%,4年18.8%,5年16.7%でした。(全がん協生存率による)

腎盂癌ステージ4の生存率については、ガイドラインや総説が引用しているのはステージ分類ではなくT分類という癌の原発巣の広がりをもとにした分類での生存率のみで、リンパ節転移有(N+)や遠隔転移有(M+)などの有転移症例は載っていません。
また大学病院やがんセンターのHP上には、ステージ4でも切除例のみの生存率だったり、ステージ3とまとめたデータだったり、そもそもステージ3までしか記載されていなかったりとなかなかなかステージ4全体の生存率を載せたものは存在していません。
そこで私は人から聞いた「ステージ4の2年生存率は10%」という話をそのまま使っていました。

そもそも「腎盂癌は隠れ希少がん」でも書きましたように、腎盂・尿管癌は比較的稀な疾患であるが故か、統計上は「腎・尿路(膀胱を除く)」という形で腎細胞癌と一くくりにされ、また病気としては「尿路上皮癌」として膀胱癌と一くくりにされているため、その実数や死亡数もよくわかっていないという問題点があります。

このようにきちんとした報告がないので困っていたのですが、全がん協のデータベースで部位と組織をクロスさせることで、全がん協加盟の施設のみのデータにはなりますが、ステージ4の腎盂・尿管癌患者(尿路上皮癌)の生存率を調べることができることに気付き、計算してみました。

全がん協生存率
https://kapweb.chiba-cancer-registry.org/full ;

こちらのページで、部位に「腎・尿路(膀胱を除く)」、組織診断に「尿路上皮癌」を選んで診断年を「2005年~2009年」、病期を「4期」として計算してみました。
そこでわかったのは、2年生存率10%というのは「手術なし」の場合で、ステージ4全体の数字ではないことがわかりました。
ステージ4全体の正しい数値は、2005年~2009年に腎・尿路(膀胱を除く)で尿路上皮癌でステージ4と診断された274例では生存率は1年55.2%,2年30.6%,3年22.7%,4年18.8%,5年16.7%でした。
性別や年齢層、手術ありか手術なしかなどこちらのページからソートして計算することができますので試してみて下さい。

ただしこちらは画期的新薬の免疫チェックポイント阻害剤登場前のデータです。
またファーストラインに現在のGC療法ではなく副作用が強く完遂率が低めのMVAC療法を使っていた施設も入っている時代ですのでかなり数字は変わってくると思われます。

また、こんなものは単なる頻度確率。
生存率9割の癌で死んでも生存率1割の癌で死んでも、私にとっては同じ「死」です。
とはいえ、やはり少し納得感は違うかもしれません。