今日も一日仕事でした。

今日お会いした相続税申告のお客様は絵に描いたような「ピンピンコロリ」で天寿を全うされたとのことでした。

以前「『突然死』と『がん死』どちらがましか」に書きましたように私は断然突然死希望です。

ご家族は突然のことだったのでどこに何があるのかわからず、金庫の鍵も見つからず大変だったようですが、私から見ると何ともうらやましい限りです。

ご家族は大変だったと繰り返しおっしゃっていたので、やはり普段からの準備はある程度のお歳になったら必須ではありますが。

 

さて、昨日は軽減税率の対象になるものとならないものの具体例について書きました。
ふと思ったのですが、来年の10月の施行まで果たして私は生きているのでしょうか。

2017年10月から治療を始めたので、2019年10月1日の消費税増税とそれに伴う軽減税率のスタート時はちょうど2年になります。
腎盂・尿管癌ステージ4の2年生存率は10%なので私が軽減税率で「リポDが10%でオロナミンCが8%」などと頭を悩ます確率は10%。
9割方心配しなくてよいということになります。
正確に言うと一年生存率は50%なので、一年生き残った患者の次の一年の生存率は20%になります。
それでも8割方生きていません。

ただしこの数字はとても古いデータです。
セカンドラインのキイトルーダの登場によってもっと生存率が上がること間違いありません。。
また化学療法と手術を組み合わせた集学的治療の発達によってステージ4でも長期生存や無再発での逃げ切りが可能になってきています。
「経緯②腎盂癌、本当に「大丈夫」か」で前にまとめましたように、リンパ節転移症例のステージ4の腎盂・尿管癌患者にGC療法ベースの化学療法をした後に手術をすると、完全奏功した患者は72%、部分奏功の患者の37%が無再発だという報告があります。
単施設の後ろ向き報告ですので統計的にはエビデンスレベルが低く、結果にはある一定の留保が必要ですが、治療は日々進化し、古いデータから計算された生存率が全く役に立たないくらい予後は向上しているようです。

また、生存率というのはあくまで頻度確率に過ぎません。
頻度確率というのは集団に対しては意味がありますが、私という一人の人間にこれから何が起きるかということについてはほとんど意味がありません。
私が100人いたら生存率だの奏効率だのという数字には意味がありますが、そうではないのでほぼ無意味なのです。
もちろん患者という集団を扱い、全体としてよい方向へと導こうとする医療者の方々には重要な意味があるようですが、私は一人の患者なのであまり関係ありません。

そういう訳で生存率の数字など気にせずに、軽減税率が始まるのも、東京オリンピックも、その次の冬の北京オリンピックも見られるよう頑張っていきたいと思います。