キイトルーダが昨年12月に尿路上皮癌待望のセカンドラインとして承認され、免疫チェックポイント阻害剤時代が始まりました。
今は免役チェックポイント阻害剤+αの併用療法の治験が花盛りのようですね。
エーザイが発売している甲状腺がんや肝臓がんの分子標的薬レンビマとキイトルーダの治験第1b/2相の最新情報が11月9~11日にワシントンD.C.で開催された「第33回がん免疫学会(Society of immunotherapy of Cancer:SITC)年次総会」のポスターセッションにて発表されたそうですので共有いたします。

エーザイのプレスリリースはこちらです。
https://www.eisai.co.jp/news/2018/news201897.html

アブストラクトはこちらからDLできます。
557ページ目に記載されています。
930ページほどありますので気を付けて下さい。
https://www.sitcancer.org/2018/abstracts/titles

レンビマはVEGFR1-3,FGFR1-3,PDGFRα,RET,KITと沢山のターゲットを標的にすることができるマルチな分子標的薬です。
口から飲む薬のようです。
この治験、KEYNOTE-146試験はバスケット試験といい、何種類かの癌種に同時に同じ薬を試す治験となっています。
この発表では尿路上皮癌の部分だけを切り取った発表になっています。

20人の転移性尿路上皮癌患者(PD-L1発現による選別はなし)にキイトルーダとレンビマを投与したところ、
・完全奏功(CR):1人(5%)
・部分奏功(PR):4人(20%)
・安定(SD):9人(45%)
・進行(PD):2人(10%)
・不明:4人(20%)
・奏効率(ORR):25%
・無増悪期間中央値(PFS):5.5ヶ月
・治療関連死:1人(5%)

以上のようにレンビマ+キイトルーダ併用療法は十分に結果を示すことができたそうです。

この結果はこちらの治験の尿路上皮癌部分になります。
https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02501096
治験ページによるとアメリカとスペインのみで、日本にはまだ来ていないようです。

昨年末よりようやく動きがでてきた尿路上皮癌の化学療法ですが、まだまだ十分とは言えず、長期生存を勝ち取れるためには更なる武器の登場が望まれます。
全ての治験が上手くいく訳ではありませんが、続々行われる無数の治験のうち一つでも多くの治療法が効果を示して承認され、我々の手に届く日が早く来てほしいものです。