今日は顧問先の病院の理事長先生の勧めで全身拡散強調MRI(DWI)による癌スキャンを自由診療にて受けてきました。
8月末に他施設で自由診療にて受けたPET-CTでは異常なしで、9月初旬に現在罹っている大学病院で受けた造影CTでは再発疑いの所見、と悩ましい状態になっていたのに決着をつけ、セカンドオピニオンや今後の診察に繋がる情報を集めるためです。

全身拡散強調MRI(DWI)撮影は1時間くらいの長い間あのMRIの狭い空間に閉じ込められるというものでした。
はじめは閉所恐怖症になってしまうのではないかと生きた心地がしませんでしたが、すぐに慣れて眠ってしまい事なきを得ました。

撮影後に画像診断の責任者の先生とお話しすることができました。
これまでは決算の説明会でしかお会いしたことがなかったので、患者としてお会いするのは初めてです。
今の病院に来る前はがん拠点病院で放射線治療に従事していたとのことで、今後の再発治療についてほとんどセカンドオピニオンのような話ができました。

以下の4点について面白い話が聞けました。
1. PET-CTとCTで画像所見が違う場合はどちらが正しいか
2. 私のケースでPET-CTに写っていなかったのは何故か
3. 再発すると全身にがん細胞が回っているので全身療法しかないのか
4. 私のケースでは局所療法による根治治療は可能か

1. PET-CTとCTで画像所見が違う場合はどちらが正しいか
PET-CTに写っているのに造影CTには写っていなかった、というケースや逆のケースもよくあり、いずれもどちらが正しいかはよくわからないことが多い。
そのようなケースではしばらく時間をおいて大きくなったか否かでがんであるかを判断する。
固形がんがあるのを早く取りたいという気持ちはよくわかるが経過観察するしかない。

2. 私のケースでPET-CTに写っていなかったのは何故か
読影レポートでは異常なしとなっているが、簡単にPET-CTのデータを見ただけでは小さな集積が薄く同じ場所に見られるので写っていると言える。
読影レポートは読影医により書き方が様々で、ある程度の大きさにならないと「異常所見あり」としないこともある。
自分は小さな所見でも異常ありと書くようにしているが全員がそうではない。
小さいがおそらく再発していると思うので画像を精査してみる。

3. 再発すると全身にがん細胞が回っているので全身療法しかないのか
従来はそのような考え方が主流であったが、最近では全身に回っている訳ではなく局所療法によって根治できるケースも知られており、現場の感覚では少しずつ考え方が変わってきつつある。
再発しても手術や放射線などの局所療法は十分検討に値する。

4. 私のケースでは局所療法による根治治療は可能か
簡単にCT画像を見ただけではまだ小さいので局所療法による根治は挑戦する価値はある。
癒着があり手術は不可能ではないかとのことだが、手術できるという医師は探せば必ずいるはずである。
放射線治療も十分有効ではないかと思われる。
今日撮影したデータも併せて画像を精査してみたい。

とのことでした。
今日お世話になった先生は「もしも自分の家族だったら」という前提でかなり踏み込んだところまでお話ししてくれました。

私の考えとしては「もしも自分の家族だったらどうする」という聞き方は、医療の専門家である医師に過大な責任を被せて負担をかけるため、他業種とはいえ専門家の端くれとして正しいことではないと常々思っていたため少し戸惑いました。

再発治療では標準治療を超えて踏み込んだ放射線治療を行うこともあるようです。
大学病院では患者が次々来てしまい忙しく、どうしても標準治療になってしまうようですが、再発治療ではそれ以上のところまでできるのであればした方がよいとのことでした。

また泌尿器科はほぼ全員外科系の先生で、手術とそれにまつわる雑務で時間が目一杯でそれ以上の治療法に手が回りにくいようです。
腫瘍内科医の重要性について力説していました。
以前も書きましたが、私が知る限りでは泌尿器腫瘍を専門とする腫瘍内科医の先生は日本に一人しかおらず、薬物療法や放射線治療を担う専門家が空席となっています。
まだまだ腎盂がんを含めた尿路上皮癌の再発治療は未開の分野が多いのかもしれません。
セカンドオピニオンも含めて自分でもう少し頑張ってみようと思います。

今日撮影した画像はしっかり読影してセカンドオピニオンに間に合うようにレポートを書いて下さるとのことでした。
大変心強いです。
本当に今日行ってよかったです。
セカンドオピニオンもこの勢いで頑張ります。