愛知県碧南市より私の事務所にとんでもない封書が届きました。(下方に画像を掲載)

「寄付額の10%を謝礼に
本市へのふるさと納税をお知り合いやお客様へお勧めいただけませんか?ご協力をしていただける場合は、税理士の皆様に謝礼として寄付金額の10%(消費税込み)をお支払いします。」
とのことです。
税理士に10%のキックバックを渡すので、顧客に碧南市へのふるさと納税を勧めてくれと言っているのです。
我が目を疑いました。

おそらく税理士会の名簿をもとに全員に送り付けているのでしょう。
税理士会の仲間たちの間でも大問題だと大騒ぎになっています。
確かに我々税理士の顧客には高額納税者は少なくありません。
また、節税ではありませんが納税者の方々にとってプラスになるという点から顧客には積極的にお勧めしております。
税理士にキックバックを支払うことでふるさと納税を優先的に狙おうという魂胆なのでしょうか。

キックバックの原資は税金です。
税金の還流です。
民間企業がやるならまだしも、行政が税金でもってやってしまうというのは由々しき事態ではないでしょうか。
制度自体の破滅を導くとんでもない行為です。
一体どのような市政運営をしたらこの発想にゴーサインがでてしまうのでしょうか。
カタログの1ページ目で笑顔の禰冝田政信市長に改めて問いたいです。

ふるさと納税の制度自体は賛否両論ではありますが、取られるばかりではないという点や都市圏から地方への資金の移動という点で私は好意的にこの制度を捉えていましたが、このようなことが始まってしまったら考え直さなくてはなりません。

今後は我々税理士がよかれと思ってふるさと納税をお勧めするたびに、「キックバック狙いではないか」と色眼鏡で見られてしまうのです。
ふるさと納税という制度の普及の一端を専門家として担ってきた自負がありましたが、こんな仕打ちはあんまりではないでしょうか。

碧南市から届いた郵便物の画像です。

 

 

 


 

 

 

「碧南市ふるさと納税協力申出書」にはご丁寧に私の事務所にIDを振り、協力申出書に住所名前電話番号まで記入され、謝礼の振込先の口座を書いてFAXするように促しています。
我々税理士は税の観点から行政と納税者のパワーバランスを調整するための専門家として国家資格を与えられています。
今回は行政が税金を還流することで特定の自治体のセールスマンをさせようとしているのです。
権力とは何か、行政とは何か、税金とは何か、専門家とは何か、という大前提を無視した行政の暴挙にただただ開いた口がふさがりません。