みなさま連休はいかがお過ごしでしょうか。
旅行にレジャーにと楽しまれた方も多いのではと思います。
私はといえば三日間ずっと仕事をしていました。
相続のお客様の新規相談が立て続けに入り対応に追われておりました。
相続のお客様は平日はお仕事がある方が多いため、どうしても土日や休日にアポが集中します。

多死社会に突入したことと、相続税の基礎控除額の改定(従来は5,000万円+1,000万円×法定相続人の数→3,000万円+600万円×法定相続人の数へ縮小)等のため相続税の申告書を提出しなければならない方が爆発的に増えているため、私の事務所でも相続のお客様が大幅に増えております。
仕事が増えることはありがたいことです。
しかしながらステージ4のがん患者になり、何かと自分の人生の期限を意識しなくてはならない局面が増えてきた身としては、人の死に触れるこの仕事は色々と考えさせられるものがあります。

守秘義務があり細かいことは言えませんが、この三日間にも驚かされるような話がいくつもありました。
一つだけ言えるとすれば、がんというこの病気は何と残酷で憎いものなのだろうということです。


人が死ぬのは大変なことです。
特に現代人は大変です。
ただの生物学的な「死」だけでなく、法的な手続きや社会的な手続きを踏まなければ現代人は死ぬことができません。
死亡届、葬儀、埋葬…と法的・社会的な手続きを済ませた最後に財産が残った場合、それをどう受け継ぐか、という手続きが相続です。

相続というとまず「誰にどう分けるか」というのを想像される方が多いのですが、問題になることが多いのは実は「納税資金をどう捻出するか」です。
相続税申告の期限は相続が発生してから10ヶ月です。
相続税の納付期限も同じく10ヶ月です。
この間に申告書を作成し、税額を確定し、納税資金の用意をする必要があります。
10か月あれば十分と思われる方もお客様に多いのですが、これらを十分にこなすのにはかなりタイトなスケジュールとなり、あっという間に期限が来てしまいます。

プロとしてのおすすめは、生前にどのくらい相続税がかかるかを見極めておいた方がいいということです。
がんの治療と同じように先手先手で事前に把握しておくことが重要です。
自分で税額を計算できればいいのですが、土地や建物の場合にはなかなか難しくなってきます。
現金や銀行預貯金などの数値でストレートに表示できる資産であればすぐに資産は把握できるのですが、土地や建物などは評価してその価値を数値に直さなくてはなりません。
評価の方法は複雑で、プロの税理士でないと難しいです。
餅は餅屋というように税金の相談はまず税理士です。
企業さんがサービスの一環として無料で「相続対策」をしてくれるということが広く行われておりますが、厳密にいえば相続税の計算は税理士法において税理士以外は禁止されております。

またこの業界に長くいて疑問に思うのは、「誰のための相続対策なのだろうか?」ということです。
私自身は相続対策やそれに続く相続はご本人と残されるご家族のためにするものだと思います。
教科書的な節税スキームをただ当てはめたり、とにかく税額を抑えることにばかり執心するのではなく、ケースバイケースできめ細かく対応してゆくことを心掛けています。
また、「かぼちゃの馬車」の事件は記憶に新しいのではと思いますが、似たような構図が相続対策という名のもとに提案されているのを目にします。
大変残念なことです。
他の誰かのためではなくご本人とご家族のためだけに専門知や経験を活用してゆくことを専門家のあるべき姿だと私自身は思っております。


さて、今日はGC療法day19、前回のゲムシタビン投与から10日以上たち、またシスプラチンの骨髄抑制も峠を越してそこそこ元気です。
ただし副作用の便秘だけが辛いです。
毎食後に便秘予防に飲んでいる酸化マグネシウム剤だけでは力不足で、処方されたアローゼンという下剤を飲みましたがなかなか効果がありません。
困ったものです。