GC療法第7クール(術後第2クール)のため今日から入院しました。
今回も仕事をするため個室です。
税理士業の繁忙期は確定申告がある2~3月、決算申告の集中する5月、年末の11月12月なので夏は閑散期のはずなのですが、意外と季節と無関係の大型の仕事が途切れず来ていて忙しいです。

入院早々血液検査をしました。
血液成分には前クール終盤に散々苦しめられたので若干心配だったのですが、抗がん剤治療をする上では問題ありませんでした。

腎臓の機能を示すクレアチニンが高いのは片腎ゆえ仕方ないことですし、赤血球や好中球が少ないのはシスプラチンの蓄積による骨髄抑制です。
無事明日から開始できそうで一安心しました。

個室なので夜中にサッカーが見られるようです。
病院では2時間おきくらいに目が覚めてしまうので、起きたついでに観戦でもしようかなと思います。
今も目が覚めてしまったのでブログを更新しています。

これだけでは何なので…
病室でネットサーフィンをしていたらアステラス製薬の尿路上皮癌の期待(?)の新薬enfotumab vedotinの新しい情報が出ていたのを見つけました。
米国臨床腫瘍学会の発表についてなのですが、既報では製薬会社のプレスリリースや学会のアブスト以上のものがでていませんでしたが、実際に発表を聞いた方による学会発表そのもののレポートです。

Enfortumab vedotin appears safe, effective in patients with advanced urothelial cancer
 

おさらいになりますが、尿路上皮癌ではファーストラインのプラチナ製剤が効かなくなったところで手が尽きるという状況が長く続きました。
セカンドラインとして昨年12月に免役チェックポイント阻害剤のキイトルーダが承認されましたが、効果は万人にあるという訳ではなく、化学療法の手は十分とは言えない状況です。
しかし他の癌種でめざましい治療効果を上げている分子標的薬がありませんでした。
そこで今開発中の新薬の一つが抗体ー薬物複合体のenfotumab vedotinです。
尿路上皮に多く発現しているネクチン4に結合する抗体に抗がん作用のある薬剤をくくりつけた薬です。
サードライン治療薬として、セカンドラインの免疫チェックポイント阻害剤まで使った患者を対象に治験をしています。

新しい情報としては、この治験に参加した112人のうち48%は肺転移、29%は肝転移を持っていたそうです。
尿路上皮癌では肝転移に有効な治療法がなかなかないそうです。
そのような中で、この治験では肝転移のある患者のうち39%に奏功しました。
発表者のローセンベルグ氏は「尿路上皮癌の治験では見たことのない数値」と発表中に表現していたとのこと。

全体の奏効率は41%。
なんとデータをカットオフした今でも112人のうち58人が生存しているようです。

プラチナ製剤、免疫チェックポイント阻害剤と治療を尽くし果たした患者さんでこれはすごいですね。
生存期間中央値は14ヶ月で、これはプラチナ製剤後に免役チェックポイント阻害剤を使ったデータの8.9ヶ月と比べてもとても期待が持てるとローセンベルグ氏は言っていたとのことです。

化学療法が手薄な尿路上皮癌ではこの薬に限らず様々な薬の治験や開発が進行中です。
今後も目が離せませんね。