久しぶりの更新です。

桜が咲き、お花見日和が続いています。

桜の季節は多くの株式会社の権利確定日の季節でもあります。

 

癌患者になったことをきっかけに私もささやかながら株を始めてみました。

投資先はがん関連のライフサイエンス株です。

 

癌を告知された時、腎盂癌ステージ4のあまりの生存率の低さと治療法の少なさに衝撃を受けました。

去年の9月はまだキイトルーダが承認されておらず、腎盂癌を含めた尿路上皮癌の治療といえば切除とGC療法のみで、ステージ4はファーストラインが切れたところで「これ以上治療がありません」となってしまう有様でした。次の一手が何もない、という状態は精神的に大変きついものがあります。

なんとかならないものかと治験情報を調べたり、藁にも縋る思いで最新の治療法などを家族ともども調べました。怪しい情報も山のように出てきましたが、製薬会社やバイオベンチャーなどが挑んでいる次世代の治療法、たとえばCAR-T療法のような遺伝子治療や腫瘍溶解ウイルス、光免疫療法などの抗体医療など様々な治療法が現在進行形で開発されていることを知りました。一筋の光明が差しました。大変大きな希望です。

癌患者にとっては次の一手がそのうち出てくるということは、今すぐ使えなくても大きな意味があります。希望がないと人は生きていけないというのはどうやら真実のようです。

これだけ沢山の研究者や会社があの手この手で開発しているのだから、自分が生きている間に一つや二つはヒットして生き残れるのではないかと楽観的に構えることができるようになりました。

私は医者でも研究者でも製薬会社の社員でもなく、ただの税理士なので、このような治療法の研究開発に直接役に立つことはできません。そんな自分が応援するにはどうすればいいかと考え、株を買うことを思いつきました。

患者が希望を込めてがん関連株を買う→株価が上がる→時価総額が上昇→資金が流入→研究開発が進む…そして他の会社や資本が「癌はお金になる」と次々流入しますます治療法が増えて行く。風が吹いて桶屋が儲かる、という話のように、私ががん関連株を買うことで最終的には命拾いをすることができるようになればいいなと思っています。

また、株主総会で「私の癌を治してください」と発言してみようかなと今から楽しみにしています。

 

 

私は株は初めてですが、家族はだいぶ好きなようで、我が家には歴戦の個人投資家達がいます。

彼らお茶の間証券アドバイザー達の手ほどきを受けながらライフサイエンス株のがん関連銘柄を買っています。

彼らの注目している会社は…

①タカラバイオ

 ライフサイエンス系の実験室で必ず目にする試薬メーカー。最近の医学の進歩により遺伝子工学系の実験試薬がそのまま医薬品になる時代が到来し、医薬品事業が注目されている。

 遺伝子治療のCAR-T療法は白血病を対象に現在自治医大や医科研などで治験第一相が進行中。

 同じく遺伝子治療のsiTCR療法は厚労省先駆け審査指定制度の品目に指定されている。

 腫瘍溶解ウイルスHF-10はメラノーマと膵臓癌を対象に第一相と第二相が進行中。

 ゲノム編集の試薬や、巨大工場での遺伝子解析の受託など、ライフサイエンス系の研究や開発を支援する製品も豊富。

 京大iPS研究所と提携。

 

②オンコリスバイオファーマ

 腫瘍溶解ウイルスを使ったテロメライシンを開発中の岡山大発ベンチャー。

 今月国立がんセンター東病院にて固形癌を対象としたテロメライシン・キイトルーダ併用療法の治験第一相が始まる。

 昨日、テロメライシンの第一相で、食道がんでの低用量群での安全性が確認されたため高用量群へ駒を進めた。

 超早期発見を目的としたテロメスキャンは血中循環癌細胞を標的とした検査法。

 岡大はがんゲノム医療中核拠点病院。

 

③島津製作所

 言わずと知れた老舗機器メーカー。 

 AIを用いたがんの迅速診断システムを開発中。

 話題の光免疫療法にも乗り出し、安全性や効果を高めるための機器の開発着手を発表。

 

私が個人的に注目している会社は、

■オンコセラピー・サイエンス

 希望の伝道師、中村祐輔シカゴ大学教授を中心とした東大医科研発バイオベンチャー。

 がんワクチンの開発で数年前にメディアを中心に一世を風靡した。

 膵臓癌を対象としたがんワクチンの治験は残念なことになり、多くの投資家が財産を溶解されたが、塩野義に導出した食道がんの治験が現在第三相まで進行中。

 中村教授のゲノム基礎研究に基づいたキナーゼ阻害剤も開発中。

 最近流行りのリキッドバイオプシーに着手し、有明のがん研究会との共同研究契約を発表。

 6月に中村教授が日本に帰ってくるため次の展開に期待。

 

*各会社についての説明は素人が調べた中で書いた個人的な見解です。

*特定の株への投資を呼びかけるものではありません。

*投資は個々人の判断において行ってください。

 

毎月相続税の申告を受託していますが、相続財産の中には株があります。それらの株の業種や銘柄を見ると被相続人(亡くなられた方)のお人柄や思い入れが伝わってくることがよくあります。

私が株を買う目的はただ一つ、がんの撲滅とそのために頑張る人たちへの応援です。

がんと闘い、がんで死なない世界の到来を切に願う姿が見て取れるポートフォリオにしてゆきたいです。

 

明日はいよいよ術前検査。

手術は中止と言われないことを願って早めに寝ます。