酒井税務会計事務所通信 2013.8月号 | 品川区@酒井税務会計事務所のブログ

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酒井税務会計事務所通信 2013.8月号

月のテーマ NISAでできないこと

 日本の証券税制は来年の2014年から大きく変わります。配当・譲 渡益にかかる税率20%を10%に引き下げる現行の軽減税率が今 年一杯で廃止され、来年1月からは英国のISA(個人貯蓄口座)を手本にした少額投資非課税制度(日本版ISA=NISA)に移 行するからです。

 最近ではテレビの宣伝も多く流れる ようになり、また証券会社や銀行も口座開設の勧誘を積極的に始めており、案内や資料が送られてきた人も多いと思います。

  口座獲得のために、NISAの非課税の恩恵ばかりを強調するばかりで、デメリットについて触れていない場合もあるので、今回はNISAの留意点、主にデメリットについて主に解説したいと思います。

 

NISAでできないこと

 ★他の口座の株式等と損益通算ができない

 非課税口座で損失が発生しても、 特定口座や一般口座の利益と損益通算ができないうえ、3年間の繰越控除を利用することもできません。

 ここは、非常に重要なので後 ほど解説します。

 国債、社 債、公社債投資信託の購入ができない

 非課税となるのは、非課税口座を 使って購入する上場株式や株式投信などの配当、譲渡益で、上場投資信託(ETF)や不動産投資信託(REIT)も対象となります が、海外に上場している外国株式や外国投信(外貨建てMMFを含む)、個人向け国債、社債、転換社債などの債券売買には非課税口 座を利用できません。

 なお、銀行は今のところ株式投資信託しか利用できません。株 式を取り扱っているのは原則証券会社だけなので、NISAを使って株式投資をしたい人は証券会社に口座を開くのがベストです。

 保有株式や保有投資信託をNISA口座に移管 できない

 特定口座や一般口座を使って既に 購入している株式や株式投信などを非課税口座に移すことは認められていません。あくまでも新規に購入した分のみが非課税の対象と なります。

 NISA口座内での 年間100万円を超える投資ができない

 口座開設可能期間は10年間で非課税期間は5年であるため、最大500万円の非課税枠を持つことができま すが、あくまでも一年間では100万円(買付手数料を除く)までの非 課税枠という事になります。

 複数口座の保有ができない

 一般口座や特定口座は複数の銀行 や証券会社で口座を開いている方もいると思いますが、認められるNISA口座は1つだけです。

 税務署に申請をしますが、いちば ん最初に申請した口座のみがNISAの対象となります。間違えて複数口 座を申請してしまった場合には取り消しを行っておく必要があります。

 他の金融機関へのNISA口座の切り 替えができない(2014-2017年の間)

 NISAスタート時に口座を開設 すると、当初4年間は金融機関を変えることはできません。例えば銀行で口座を開設した場合、上場株式に興味がでてきて途中で証券 会社で口座を開こうと思っても切替えはできません。

 また投資信託も金融機関によって 扱う数や種類、手数料が異なるので注意が必要です。

 購入後5年を超える保有ができない

 非課税の5年間を経過した後は (1)特定口座や一般口座のいわゆる通常の口座へ移す(2)100万円を上限に新規契約を結び、新た な非課税口座へ移管する。という2つの選択となります。

 ★ 他の口座の株式等と損益通算ができないということは?

 NISA口座で大損?

 このNISAの非課税口座は特定口座と損益通算 することができません。あくまでも別口座として処理されます。また期間が5年間と決まっています。

 その1 (特定口座内では損益通 算できます)

 特定口座のA株式の利益が100万円で特定口座のB株式の損失が80万円の場合には、損益通算されて20万円に対して課税されます。

 その2 (NISAで損失・特定口座で利益では損益通算不可能です) ちょい損?

 特定口座のC株式の利益が100万円でNISA口座のD株式の損失が80万円の場合には、損益通算できないので特定口座のC株式の利益の100万円対して課税されます。

 その1と比べると損した気になりますよね。

 その3(大損のパターン)

 NISA口座のE株式を100万円で購入したとこと、株価が低迷して5年後には10万円になっていました、そ の後何とか株価が上がり6年後に60万円で売却しました。さて、課税関係はどうなり ますか?

 普通は100万円の株を60万円売却したので40万円の損失なので、課税はされない と思いがちですが違います。

 答えは50万円の利益として課税されます。元手が100万円で60万円になったわけですか ら、40万円損しているにもか かわらず。

 これは、非課税口座は5年たっても売却されなかった場合に は、他の口座に移し変えられてしまうためです。しかもその時には取得価額は10万円となり、90万円の損失が発生してしまします。しかも、他の口座とは損益 通算できないので90万円の損失は泣き寝入りです。

 

その後に10万円の株式が60万円になったため、50万円が値上がりしたという計算がさ れて税金が課税されるという訳です。

 

 当面は5年後に新たな非課税口座へ乗り換えることもできますが、非課税期間が終了する2023年末には一般口座や特定口座に移管さ せなければならなくなります。底値で保有したまま非課税期間が終了してしまうと完全に打つ手が無くなります。

 恐いですね。NISAをやるなら絶対に儲かる株を購入してください。

 
私は自信がないのでNISAはやらずに、損益通算ができ、3年間の損失の繰越ができる特定口座 のままで行きます。

 

【編集後記】-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

 夏真っ盛りですが、いかがお過ごしでしょうか?そろそろお盆休み が近づき旅行を計画されている方も多いかもしれません。リフレッシュをして鋭気を養ったら、また今以上に仕事に励みたいものです。 

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