今回は年末調整のあれこれです。

年末調整ってサラリーマンをされていると、意外と深くわからないまま、

なぜかわからないけど還付されてる、という感じの方も多いかと思います。


私も、こういった職種になるまではあまり深く意識したことはありませんでした。


年末調整とは何でしょうか。

一言で言ってしまえば、本年度の所得税の額を確定させる手続きです。

毎月、源泉所得税といった形で給与から一定の所得税額が天引きされています。

一年を通して、その累積額が年間で収めるべき税額と一致していれば、

還付も追加徴収もありません。

しかし年末調整において、

例えば医療費控除などの申告を行うと、年間の所得はその分控除されますので、

年税額も少額になるでしょう。

また、同様に扶養控除などによっても所得の圧縮ができますので、

その分年税額が累積額を下回ることはよくある話です。


したがって、年末調整を行ったほうが、一般的なサラリーマンの方ですと、

臨時の収入を得ることができるというわけです。



そもそも、年末調整を受けるためには、

原則として給与所得者の扶養控除等申告書の提出が行われている必要があります。

この提出が行われている場合、甲欄という表を使って月ごとの源泉徴収税額を算出します。

仮に提出が行われていない場合などには、乙欄を使用して計算します。

また、給与の支払期が月ごとであるか、日ごとであるかによっても、

計算する表が異なってきます。

月ごとであれば月額表、日ごと・週ごとであれば日額表を使用します。

さらに、日雇労働者を雇用する場合には、

丙欄・日額表を使用し、給与所得者の扶養控除等申告書の提出は不要となります。


よくある話として、アルバイト・パートの方の給与所得者の扶養控除等申告書の提出は必要かという

疑問がございますが、労働の対価として得ている賃金はアルバイトであれど給与賃金の概念に

含まれますので、したがって提出する必要があるというわけです。

しかしながら、仮に勤務者が複数の会社に勤めている場合には、

主に勤めている会社に対してのみ、給与所得者の扶養控除等申告書の提出が必要になり、

他の会社には従たる給与の扶養控除等申告書の提出ができる、という形になる点に留意してください。


また、年末調整を受けるためには、本年最後の給与の支払いが行われる前に提出が必要と述べましたが、

そもそも原則的には、給与所得者の扶養控除等申告書は本年最初の給与の支払いが行われる前、となっておりますので、この点にはご留意ください。


年末調整を通して、所得税の範囲の広さに脱帽したものですが、

所得税を網羅的に知ることは、ファイナンシャルプランニングの一歩になりますので、

とても有意義だと思います。


私は以下の書籍を参考にしています。

よろしければ、ご参考にしてください。

年末調整のしかた〈平成22年版〉

年末調整の実務と法定調書の作り方―初心者にもできる〈平成22年分〉

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取引相場のない株式の評価方法のひとつとして、

純資産価額方式がありますよと前回お話しました。


今回は、純資産価額方式による評価の流れについて、簡単にお話します。

純資産価額として用いるのは、原則として課税時期時点の純資産価額となりますが、

実際は決算期末でもない限り、その帳簿価額が確定していません。

それでは、そのつど仮決算を組むのかというと、

実務上大変な手数がかかりますので、一般的には直前期末の帳簿価額をベースに

純資産価額を算定していきます。

あくまで、課税時期から直前期末までの間に、重要な相違が存在していない場合に、

この方法が認められている点に留意しておいてください。


各勘定科目ごとに、税務上の帳簿価額・相続税評価額を算定していきます。

相続税評価額とは、すなわち時価相当額であって、財産的価値を表すものをいい、

税務上の帳簿価額とは、会計の帳簿価額から別表調整を行った後の帳簿価額をいいます。

ただし、財産的価値を有しないものについては、そもそも税務上の帳簿価額にも記載しない点に留意が必要です。


いくつかの勘定科目ごとにどのように評価していくか例示します。


【現預金】

既経過利息などの未収利息・源泉徴収税額についても、

金額の重要性を踏まえて検討をし、

相続税の評価額に加算します。


【売掛債権等】

回収見込みが不明で回収できない債権については、

評価額から減額します。


【有価証券】

課税時期時点における時価相当額を算定し評価額とします。


【建物・付属設備】

建物等については、原則として時価相当額による評価が求められます。

ただし、時価相当額の算定が困難な場合にあっては、

償却費相当額を控除した額をもって評価額とすることができます。

取得から3年を超える建物等については、固定資産税評価額が付されているものであれば、

倍率方式により評価し、付されていないものについては償却費相当額控除後の未償却残額の

70%相当額が評価額となります。

(※)取得から3年とは、課税時期までの期間をさし、課税時期の日を超える日から3年と判定します。

(※)経過年数の算定は、1年未満の月数を切り上げて算定します。



【構築物】

一般動産と同様に定率法の残存率によって、未償却残額を算定し評価額とします。

取得から3年超の構築物については、70%を乗じた額を評価額とします。


【機械装置等】

財産評価基本通達による一般動産の評価方法に基づき、

定率法による未償却残額を算定し評価額とします。

一律に新定率法を使用することができるため、

簡便的な帳簿価額による評価方法よりも評価額を抑えることができる点に留意してください。


【リース資産】

ファイナンス・リース取引によって取得したとされるリース資産についても、

一般動産と同様の取り扱いで評価すべきです。

ただ、リース定額法などの耐用年数では残存率が出てこないため、

簡便的に帳簿価額による評価を選択しても問題はないでしょう。


【繰延資産】

創立費など財産的価値を有しないものの場合、帳簿価額・相続税評価額ともに0となる点に

留意してください。


【リサイクル権】

自動車廃棄用のリサイクル権などについては、一般的には財産的価値を有するものと考えられていることから、

帳簿価額によって評価をしてください。


【借地権・賃貸権】

建物の利用を目的とした土地の賃貸借契約の場合、

借地権評価の検討が必要となります。

実務上、借地権の評価は非常に難しいものであり、

例えば、契約上、無償返還を行う旨などが明記されており、

かつ契約の期間も長期にわたっていない場合には、

現状建物が存在する状況下においても、

契約の履行義務が発生すると考えられるため、

そのような場合には、借地権の評価は不要であると考えられています。



財産評価基本通達は、実務上正解のないものであるといわれておりますが、

ある程度の考え方を会得しておくことで、

税務上のリスクは低下させることができるはずです。


私がいつも使用しているのは、下記の書籍です。
非常に実務的な事例が掲載されているため、重宝しています。

具体事例による財産評価の実務―相続税・贈与税  笹岡 宏保 (著)

財産評価基本通達逐条解説〈平成22年版〉


取引相場がない株式、つまり非上場株式の評価が必要なとき、実務上どのように評価を行うのでしょうか。

まず、会社の規模によってその評価方法が異なってきますが、

評価方法としては、

原則として

・類似業種比準方式

・純資産価額方式

・上記2つの折衷方式

特例として、

・配当還元方式

が設けられています。


財産評価基本通達を基にして株式評価を行うのは、

主に純資産価額方式が関わってくる場合です。


純資産価額方式は、大雑把に言いますと相続税・贈与税などの課税時期時点での、

会社の有する資産・負債の時価を算定し、

その差額たる純資産を株式の評価額とするものです。


ただ、時価といっても本当に公正かつ客観的な第三者的な価値を有する価額を算定するということは、

非常に難しいものです。したがって、時価相当額をどのように算定すればよいか、その指針を示したものが、

財産評価基本通達ということができます。


類似業種比準方式では、

標準産業分類に基づき、類似業種を特定した上で、

類似業種の株価を参考にして会社の株価を算定するものです。

純資産価額方式に比べ、実務的には手間が少ないため、非常に簡便に評価を行うことができるといわれています。


特例方式として、配当還元方式が設けられておりますが、

これは、主に同族関係者が支配する会社において、同属関係者以外の少数株主が当該会社の株式評価を行う場合、認めている方法です。

少数株主であると、実際に純資産価額方式などで評価を行うといった作業コストに比べ、あまり見返りがないものですから、簡便的な評価方式を認めたものであるといわれています。


次回は、純資産価額方式とその評価方法についてお話いたします。