ななは少し困った顔をして


んじゃ、お話しようか。


とソファーに座った。



私はいつもより距離を置いて隣に座った。

その行動すら苦しかった。


いつもなら、ピタッと寄り添えるのに。。


私はまずななに謝らないといけない事があった。

それは私が別れを決めた決定打の事。



ななから相手の人を抱いたと聞いた後、私の感情は嫉妬に狂っていて。



どんな風に抱いたの?

どんな気持ちで抱いたの?

気持ちよかったの?

そして相手の人を愛おしいと思ったの?


聞きたい事が山のようにあるのに、それを聞く事は結局どんな返事でも自分が傷つく事は分かり切っていて。



だからね。

その気持ちは封印しなくちゃと思ってた。



でもね、そんなの無理で、私から出る言葉は相手の人を侮辱するような言葉ばかりだった。



その時、ななに言われたの。



僕に気がない人なら別にいいけど、やっぱりそんな事を言われると良い気はしない。



って。



だから聞いたの。



相手の人の事好き?って。



ななは、好きだよ。


と言った。



好きじゃなかったら抱かないでしょ?


って。



ほんと、自業自得だよね。



でもね、その時思ったの。



こんな短い期間でななの気持ちを振り向かせた相手の人は、とても素敵な人なんだろなって。



後で知った事だけど、その人は一年半ななのことを思い続けていて、ななはそれをずっと断ってた。


断り続けられても好きな気持ちが消える事がなく思い続けていたって事。



そしてやっと振り向いてもらえた。

きっと今、とても幸せなんだろなって。



その人は何も悪くない。

頭では分かっていても、あなたがいなければ私はもう少しななのこと、独占出来てたのにって思っていた。

ほんと自分勝手な私。



でもさ



相手の人がななを好きって気持ちは、私と同じなんだよ。

同じようにななの魅力にひかれたんだよって。



そして私となながお互い気持ちを伝え合って一つになった時のあの言葉では表せない幸福感を思い出した。


それを思い出してほんの少しだけ相手の人に



よかったね。と思えた自分がいて。



応援はまだ出来そうもないけど、ななのこと、よろしくねって気持ちになれた。



そして、相手の人を悪く言った自分が情けなくて、ななを嫌な気持ちにさせてしまった事、謝らなくちゃとまずそれを1番に伝えたかった。