先月末、漫画家の芦原妃名子さんが、


漫画「セクシー田中さん」のドラマ化をめぐる制作陣との行き違いの果てに、


自ら命を絶つという痛ましい出来事がありました。


私自身、漫画もドラマも存じ上げませんので詳しく言及するのは控えますが、


生前、芦原先生が最後のツイートで「攻撃するつもりはなかった」と申していた経緯を鑑みますと、


遠因として、ネット空間に棲息する傲岸不遜なイキリ厨の影響があったのではないか、と愚察してやみません。


コロナ禍で露呈した日本人の醜悪な本性は、


相反するものに対する異常な敵愾心と攻撃性。


ひとたび「敵認定」した相手を蛇蝎のごとく忌み嫌い、


匿名を傘に着て、見るに堪えない罵詈雑言を浴びせ悦に浸る。


いわゆる「マスク警察」を例にあげれば、想像に難くないでしょう。


おそらく、心優しい芦原先生は、自身が投じた問題提起を端緒に、


相手方の脚本家や自分自身に浴びせられる心無い暴言の数々に、深く傷ついてしまったのではないでしょうか。


私自身、実際に彼女の投稿を拝読させていただきましたけど、


慎重に推敲された様子が窺いしれて、「攻撃的意図」なと一切読み取れませんでした。


諸悪の根源は、原作者軽視の商業主義の暴走があるにせよ、


有害無益なイキリ厨も等しく断罪されて然るべきだと感じられてなりません。



とにもかくにも、


最後に、芦原妃名子さんのご冥福をお祈りし、本稿の結びとさせていただきます。



(2676番目の合掌)