「どんどん増えていく新しいコンテンツに埋もれないように、

 みんなの心にキズを残したいんですよ」

 

ライブも終盤に差し掛かった頃、おもむろにaikoはそのような言葉を口にした。

 

デビューから20年を超え、日本のミュージックシーンで確固たる地位を築いた今もなお、

 

彼女の根底にあるものは、おそらく変わらないのでしょう。

 

普段は底抜けに明るい大阪人たるaikoに隠された「裏の顔」

 

ネガティブでビビリー。

 

常に悲観的思考に囚われてしまうがゆえに、

 

恋愛関係においても、不安ばかりが先に立つ。

 

御本人自ら公言してやまない、そんな「闇(病み)アイコ」の一端が、

 

冒頭の台詞には濃縮されていたように思いました。

 

しかしながら、真は力なり。

 

彼女の織り成す瑞々しい楽曲の数々は、まさに「不安」や「もどかしい想い」から産み出されたものであり、

 

真実の心から発せられた言霊は、聴衆を惹き付けてやみません。

 

 

2016.9.16 LoveLikePop19 at.NHKホール

 

 

この日のステージは、aikoの全てが詰まった珠玉のひとときでした。

 

 

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イントロダクションに続いて、紡ぎ出されるは、

 

”あめちゃんあったら嬉しいな”で始まる「何時何分」

 

最新アルバム「MayDream」の1曲目を飾るこの曲は、

 

正直なところ、CDで聴いている分には、可もなく不可もなく、

 

なんとなく、サビの部分が「キョウモハレ」に似てる曲だなって思うくらいのものでした。

 

ところが、ライブで聴くとその印象は一変。

 

圧倒的な声量と伸びやかで透明感のある歌声は、CDの音源とは全くの別物で、

 

そのインパクトは、戦闘の初手から魔貫光殺砲をぶちくらったようなもの。

 

ややもすると、生歌を聴くとガッカリさせられるアーティストも少なからずいる中にあって、

 

毎度”自己ベスト”を更新してくる、aikoの歌い手としての希有なる才能には驚嘆を禁じ得ません。

 

以降、「あたしの向こう」「運命」「雲は白リンゴは赤」と連なるオープニング4曲は、

 

のっけからクライマックスかと見紛うほどの充実ぶり。

 

この時点で、もはやチケ代の元を取ったといっても過言ではありませんでした。

 

 

そして、MCを挟んで、9/21リリースの新曲「夏バテ」から「信号」「問題集」と、

 

しっとりめのミディアムポップに魅了された後、

 

序盤最大のトピックスと言うべき、「男子女子そうでない人誕生秘話」が炸裂爆弾

 

観客席の萌えJKとの掛け合いから派生したこのエピソードは、

 

aikoジャンキー垂涎のプレミアム情報で、お得感もひとしおラブラブ

 

詳しいことはDVDで…つっても、おそらくMCは全カットでしょう。残念( ´艸`)

 

はてさて、お次は2016年全俺ナンバー1ヒットシングルとの呼び声高い「もっと」

 

この曲は、そらで口ずさめるくらい聴き込みましたが、

 

やはり、生歌で聴くと感動がダンチですね。

 

かえすがえすも鳥肌もので、思わず聴き惚れてしまいました。

 

「もっと」ロスがハンパなくて、後続の「かけらの心」「星のない世界」については、

 

ほぼ思考停止状態で華麗にスルー(笑)

 

 

そうこうしてる間にライブは中盤戦に差し掛かり、恒例の即興弾き語りコーナーへ。

 

今回、客席から寄せられたキーワードは、

 

【10月9日】【復縁】【おでこが狭い】【髭が濃い】【腹筋】【受験生】

 

で、産み出されたのは、禁じられた兄妹愛を描いた「お兄ちゃんとした日」

 

なんか、昨年末横アリで聴いた「お姉ちゃんの彼氏串刺し」もそうでしたが、

 

最近のaikoって、だいぶ腐女子入ってませんか?www

 

それはさておき、弾き語り本編は「愛だけは」と「September」

 

とりわけ、久々に聴いた「September」は、

 

季節的にジャストフィットしていることもあってか、心に染み入りました。

 

気付けば、リリースから15年も経つんですね。

 

今もって全く色褪せることのない、名曲中の名曲だと断言しちゃいます。

 

 

ピアノソロの余韻醒めやらぬまま、舞台は怒濤の後半戦へ突入。

 

「好き嫌い」「冷凍便」「未来を拾いに」という今が旬の3曲を経て、

 

「その目に映して」「Power of Love」で燃料投下ビックリマーク

 

そして、中締めの「二人」をもって、一旦終幕。

 

ぶっちゃけ、ここらへんの流れに関しましては、

 

あまりにもオーソドックスすぎて、少々物足りなく感じたのが正直なところ。

 

しかし、いわゆる予定調和のアンコールで、

 

「蒼い日」「恋をしたのは」「夏が帰る」「夢見る隙間」の4曲が追加。

 

アルバム収録の2曲に、最新シングルと懐うたを織り交ぜた構成は、

 

ちょっとリッチなデザートのようで、お口直しとしては文句なし。

 

ちなみに、「夢見る隙間」を終えた段階で、時刻は22時を回ったところ。

 

開演から3時間オーバーで、超充実のaiko劇場。

 

終電大丈夫かな?

いやはや、ガチで最高のライブだった。

 

と、すっかりお帰りモードで、よっこいせと席を立とうかとするや否や、

 

みたび幕を開けるドリーミング・ファクトリー。

 

まさか、まさかのダブルアンコールが、この日の真のクライマックスでした。

 

 

「おまえら全員ぶっこわしてやるからなー」

 

 

と絶叫するオトコマエなaikoに触発されて、沸き立つ観客席。

 

その一体感に満ちた盛り上がりっぷりは、思わず我を忘れてしまうほど。

 

「愛の病」「相合傘」からの「be master or life」

 

大ラスのビーマスなんて、もう大興奮不可避でしたわ。

 

再びDBの必殺技で喩えるならば、

 

瀕死の状態で、ファイナルフラッシュをぶちかまされた、くらいの衝撃度。

 

魔貫光殺砲からファイナルフラッシュのデッドリーコンボ。

 

こらもう、歴戦のつわものとて、ノックダウン必至です罠…(ФwФ)

 

最後に総括すると、そんな感じでした(笑)

 

 

 

 

 

 

ちなちな、3階席からの眺めは、思ったほど悪くなかったです。

 

もしも私がデューク東郷だったら、ちょうど殺りゴロな距離感だったかな(´_ゝ`)クッククク・・

 

 

以上、大変長々と恐縮ですが、恒例のライヴレポでした(*・ω・)ノ

 

 

 

(1346番目の一筆入魂)