全国1億2千万人のジョジョラーおよび非ジョジョラーのみなさま、おまっとさんでした。


本日は実に1か月ぶりに、ジョジョネタをお届けしちゃいますよ(*・ω・)ノ


しっかり呼吸を整え深呼吸した後、目ん玉ひんむいてとくとご覧くださいw


今まで、「たわむれ王国」で取り上げたジョジョ記事は、独特のキャラクターや斬新でインパクトの強いセリフなど、


どちらかといえばコメディアスな内容がほとんどでしたが、


今回は趣向を変えて、お涙頂戴系で攻めたいと思います。


荒木飛呂彦先生曰く、ジョジョの奇妙な冒険のメインテーマは「人間賛歌」―


まさに、限りある生命の尊さと人類の成長を描いた壮大な物語だといえましょう。


生きとし生けるものには必ず終わりがあり、言うまでもなく我々人間も例外ではありません。


ところが、少年漫画の世界では人の「死」について描かれることは一般的ではなく、


奇妙な橙色の玉ころを7つ集めると死人が甦ったり、


実はそもそも死んでなかたんだよ。テヘ☆


…みたいな感じで、失われたはずの生命が復活するシーンを度々見かけます。


その点、「ジョジョ」では死人が甦ることは基本的にありません。


しかも、物語上こいつは絶対外せないだろうというキャラクターがあっさり死んでしまったりするのです。


ひとまず、各部ごとに死亡した登場人物(敵役を除く)を列挙してみましょう。


第1部 ジョナサン・ジョースター

 主人公。新婚旅行中の客船上で吸血鬼ディオと相討ちにより死亡。

第2部 シーザー

 主人公の好敵手。ジョセフの解毒剤と引き替えに、敵との戦闘で命を落とす。

第3部 アブドゥル、イギー、花京院

 主人公の仲間達。いずれも敵との戦闘により死亡。

第4部 重ちー

 主人公の友人。殺人鬼・吉良吉影の秘密を知り、消される。

第5部 アバッキオ、ナランチャ、ブチャラティ

 主人公の仲間達。それぞれ、ラスボスとの戦いで力尽きる。

第6部 ウェザー・リポート

 主人公の仲間。ラスボスに倒される。


それだけじゃねえだろうが、このポンチ野郎がああっ!


という厳しいお言葉もあろうかと思いますが、あくまで代表的な事例ということでご理解くださいw


この中で出色なのは、やはり第1部のジョナサン・ジョースターの死でしょうか。


なんといっても、少年漫画の主人公が死んじゃうんですから。これはある意味事件ですよ叫び


しかも、彼の亡骸はディオに乗っ取られ、子孫であるジョセフと承太郎に襲いかかってくるという非業っぷり。


まったく、当時よく連載のゴーサインが出たもんだと感心してしまいます。


しかしながら、私が「泣けるJOJO」としてイチオシしたいのは、第五部イタリア編に登場するアバッキオに他なりません。


まず、簡単に彼の略歴をご紹介しますと、


たわむれ王国
レオーネ・アバッキオ
1980年3月25日生まれ A型 身長188cm

略歴 …高校を卒業してすぐ警察官となったが、まもなく汚職に手を染め
    先輩を死なせてしまった事から自堕落な生活を送りギャングとなる

好きな映画 …「スリングブレイド」
好きな音楽 …モンテヴェルディ作「聖母マリアの夕べの祈り」
好きな食べ物…白ワイン(グレコ・デ・トゥーフォー)、ルッコラのサラダ、
       ピッツァ・マルガリータ

嫌いなもの …なまいきそうなガキ、行列に並ぶこと
ヒーロー  …アイルトン・セナ(F1ドライバー)


…とまあこんな感じで、ギャングではあるものの根っからのワルではない、クールでちょっぴりニヒルなお兄さんといったイメージのナイスガイですね。


彼は敵の黒幕であるディアボロの秘密を暴こうとした際、敢えなく命を失うこととなるのですが、いまわの際にアバッキオは幻覚を見ます。


のどかな昼下がり、オープンカフェで独り昼食を取るアバッキオ。


その傍らで一人の警官が、割れたガラス瓶から地道に指紋の採取活動をしています。


アバッキオはその不毛とも思える行為に対し質問しました。


「もし見つからなかったらどうするんだい?
 指紋なんてとれないかも…
 いや…それよりも見つけたとして
 犯人がずる賢い弁護士とかつけて無罪になったとしたら
 あんたはどう思って…そんな苦労をしょいこんでいるんだ?」


これは、彼がかつて警察官だった時代に自らが抱いていた疑念そのものなのでしょう。


質問に対し、警察官はこう応えます。


「そうだな…わたしは結果だけを求めてはいない
 結果だけを求めていると人は近道をしたがるものだ…
 近道した時、真実を見失うかもしれない
 やる気もしだいに失せていく」

「大切なのは『真実に向かおうとする意志』だと思っている
 向かおうとする意志さえあれば、たとえ今回は犯人が逃げたとしても
 いつかはたどり着くだろう?向かっているわけだからな。違うかい?」


そんな真っ直ぐな信念を聞かされ、羨望のまなざしを注ぐアバッキオ。



たわむれ王国
「うらやましいな…

 以前オレは…警官になりたいと思っていた…

 子供の頃から…ずっと りっぱな警官に…なりたかったんだ…

 かつて あんたのような『意志』をいだいていた事もあった…

 でも だめにしちまった…オレって人間はな…

 くだらない男さ なんだって途中で終わっちまう

 いつだって途中でだめになっちまう…」

 

アバッキオの嘆きを静かに聞いていた警官が、次の瞬間こう言いました。


「そんなことはないよ… アバッキオ

 おまえはりっぱにやってるじゃあないか…

 『意志』は同じだ…

 おまえが警官になったばかりの時いだいていた その『意志』は…

 今…おまえのその心の中に再び戻っているのだよ…アバッキオ」


そう。その警官は、かつてアバッキオが死なせてしまった相棒だったのです。



…長々と書いた割に、バックボーンが貧弱なせいで今ひとつ伝わりにくいかもしれませんが、


とにかく、この「今にも落ちてきそうな空の下で」というエピソードは、全俺号泣の名シーンなんですよ。


非ジョジョラーのみなさまも、第五部だけでも結構ですから機会があったら読んでみてくださいませ。



君がッ 泣くまで ジョジョ推しをやめないッ!!