「平成16年 1月某日」 
リモートアイドルアジャストスクリュー取り付け


◎作業場所 自宅ガレージ
◎作業内容 ミクニ純正TMR用リモートアイドルアジャストスクリュー取り付けに関し、フレーム穴あけ作業有り。
◎部品注文先 ドライバースタンド千葉北2りんかん

新年早々に寒風吹きすさぶ夜のガレージにて、この作業を行ったのだが、いやはや電動工具の必要性を痛感した一日だった。

 もともとTMRはレーシングユースオンリーな為、アイドリングはじめ様々なセッティングはタンクを外した状態で行われるのが殆どである。
つまりはメカニックがよってたかってタンクを外された状態であれこれと作業するものなのだ。
しかし公道をはしるバイク乗りの殆どは、乗車したままの状態でアイドリングは調整したいと思うはず。
このキャブレータにもアイドル調整のノブはあるにはある。
しかしその場所が問題で、キャブ本体直付けその上キャブの真中にあるので、手を突っ込んでも触る事すら出来ないのだ。
路上でやるとなったら、長いマイナスドライバーを突っ込んで突付いてやらねばならない。
そんな事を信号待ちの間に出来ると思うか?
答えはNOだ。
長いマイナスを持っていること自体邪魔だし、信号待ちの度にでそんな事やれるほど日本の交通事情はノンビリしていない。
やはりバイクに跨ったままで出来ないと余りにも使い勝手が悪いという事で、色々と部品を物色していた所「DS2りんかん」にて偶然発見したのが、この部品である。

さっそく購入し取り付け作業に取り掛かったのだが、これがとんでもなく難関だった。
まず、本体のスロットルドラムを押す部分の取り付けはクロスドライバーで簡単に出来た。
しかし問題はこれからだった、アジャストスクリューの取り付ける場所が無いのだ。
丁度いい場所にボルトを通す為の穴があると踏んでいたが、それがない。
結局フレームに穴を開けなければ固定できないと言う事に行き着き、適当な場所に穴を開けそこに固定するしかないという判断に行き着いた。
しかし我が家には電動工具が無い。
あってもサンダーしかない。という事でギターの修理加工に使っているハンドドリルを使って、肉厚約3ミリの鉄フレームに穴をあけるべく作業開始。
「・・・・・・・・・・・・大汗」

地獄だった。
時間が掛かるとは分ってはいたが、バイクの骨格である鉄フレームに手回しドリルで穴を開ける人間がどこにいようか?
手には水ぶくれが出来、膝はガクガク、肩はパンパンになり、大汗を掻いた体が冷え始め、体調がどんどんおかしくなっていくのが分る。
悪戦苦闘、試行錯誤を繰り返しながら作業開始して3時間後、とうとうフレームをドリルが貫通した。
そのとき思わずつぶやいた諺。

「雨だれ石を穿つ」